ちょっとHぃショートショート

双樹\u3000一

このところ 毎夜 女は妙な夢を見る
白い尻の夢だ
寝室のベッドの横 暗い隅に
女の白い尻が浮かんでいるのだ
始めは 夢とは言え
怖しいような気がしたが慣れた
よく観察してみるとどうやら脚も見え
横たわった太い円柱を
バイク乗りのよう抱かされて
太腿と足首を円柱の両脇に
身動き出来ぬよう
固定されているようだった
女には他人を苛む癖があった
動けない白い尻がもぞもぞと
逃れようとするのに嗜好をそそられたのだ
夢の中で 尻に近寄ると女は
柔らかそうなほっぺをそっと撫でた
尻はビクッと跳ねてキュッと締まった
抓ってみた
音高く平手で張ってみると
白い尻にピンクの手形が浮かんだ
女の紅い唇の端がニッと上がった
リアルだった
手応えも感触も 血さえ滲むようだった
女が楽しめる限り女陰も肛門も苛んだ
呻き声や喘ぎ声が聞こえないのだけが
残念に思えた
随分長い間 同じ夢を見て散々楽しんだ後
急に夢を見なくなった
女の尻の夢を見なくなったのだ
代わりに白い夢を見た
最初の数夜は 眩しいだけの白い夢だったが 
やがて自分の手足が大の字に拡げられて
宙に吊られているように感じた
眩しい光は目隠しをされたように
女の視覚を奪っているようだった
口には何か大きなものが押し込まれ
塞がれているように感じられた
リアルだった
最初は深酒をしたり睡眠導入薬を飲んだりして
夢を見ないようにしたが
或る夜 夢の中で吊られた自分の乳房に
そっと触れるものがあり
右の乳首を強く引っ張られた
痛みがあった
女は 悟り諦めた
長い夜が続く事に気づいたのだった。

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