ちょっとHぃショートショート

双樹\u3000一

アフターアフターケア 影使い

郷の谷間は夏とは言え夜は寒い
偶に早く仕事を切り上げ 怜子とベッドで人肌を確かめ合っていた
プレイにはならない 軽い前戯のような愛撫

あら 誰か尋ねて来る予定があったの?

と 怜子が聞く
確かにクローゼットを上がって来る気配がある
まあ いずれにせよ通路を知っているのは身内しか居ない

コンコンと軽く叩く音

開いてるよ

と声を掛けると済まなそうな伽奈の顔が覗く

連絡せずにすみません

ああ 入って
何があった?

俺は起き上がり服を羽織る
出掛けられる用意をする

あの〜

モジモジするのは余程 言いにくい事なのか

岡と何かあったのか?

いえ 岡さんじゃないんです…

碧?

あ はい

伽奈に無理を言ってるって事だな
どうした?

来てるんです 今

うん?伽奈の所に?

はい ご主人様には了承して貰ってるって

あ〜 分かった
伽奈と一緒に可愛がって貰う と言ってる訳だ

と 俺はベッドの怜子を睨んだ
怜子はしてやたったり と言うような妖艶な笑みを浮かべた

ホントに約束 したんですか?

いや 返事はしてないよ
ただ…伽奈 おまえ岡に惚れたな?

え?

まさか 自分の事を聞かれると思って居なかった伽奈は口を噤む

まあ 碧がおねだりするのは想定内だよ
伽奈が碧の共犯者になるか傍観者になるか は怜子と賭けてたんだが…
そこまで岡よりのシンパシーで居るとは思って居なかった

あ あの…

いや 責めて無い
伽奈は伽奈の人生を生きればいい
…いいよ 何とかするよ
行こうか

と 怜子に頷き 伽奈を促した
地下の通路を先立って歩く

あの

何?

岡さん 好きになって 駄目だったですか?

なんで?ちゃんとお見合い させただろ?
岡にも妻として受け入れる覚悟で伽奈を迎えろ と念を押したし
伽奈は岡を旦那にしたい?

だって碧さんがいるし…

碧から奪え と言ってる訳じゃないよ
伽奈はひと月 妻だった時のように岡と過ごしたいのか?

無言で立ち尽くす伽奈を振り返って見る
反応が出来ないのが返事だ

いいさ それも含めて何とかするさ

伽奈の寝室に出ると碧がパジャマでベッドに座っている

あ 先輩!

先輩じゃないよ
おまえ 伽奈を試したな?

え?

と 伽奈が驚く

可哀想に板挟みで悩んでるじゃないか
伽奈は伽奈なりに岡を愛してるんだ

良かった

良かった?んですか?

伽奈さん あなた 都合の良いセックスの相手でいい訳じゃないでしょ?



理解され難い趣味だと分かってるわ
でも ペットみたいな日陰の関係でいたい訳じゃないでしょ?
修太が欲しい?

伽奈は涙を浮かべて2度 頷いた

荒療治をするなぁ


えへへ

と 碧は舌を出して笑った

で 先輩 責任は取ってくれるんでしょうね?

と 俺を睨む

伽奈は不思議そうな顔をして俺たちを見比べている

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