由美3 影使い

まずは高瀬美希の自宅住所を探る
仕事に行っているのは確認して　誰かを部屋に囲っているなら何らかの物音なりする筈
車を停めて集音器で探るが2時間調べても動きはない
高瀬美希の会社に本人の在社を確認して帰社後の動きを探る事にして交代で張り込む
定時30分後くらいで本人が退社するのを確認して後をつける
自宅じゃないマンションにタクシーが停まり　後をつける
エレベーターに乗ったので先輩はエレベーターの止まる階を　私は先輩と繋がったスマホを握ったまま　階段を駆け上がる

“6階！“

駆け上がった6階で階段の影からエレベーターを窺うと高瀬美希が降りて来て　ある部屋に入って行った

暫く待っていると　先輩がエレベーターから姿を見せ階段の私を手招きした

どこ？

そこです

先輩はカバンから小さなピックアップマイクを取り出しドアの上部につけて作動を確認し撤収の合図をした

どうです？聞こえますか？

車に戻ってレコーダーに繋いだ受信機のイヤホンを耳にする先輩に小声で聞いた

大丈夫　
女2人の声が聞こえる　
だけど…
声では中山さん本人がいるのか分からない
それと… これはいや　2人じゃないわ３人？
どうもややこしい事に首を突っ込んだかも…

マンションに戻ってもう一度6階のボタンを押し扉が閉まるとすぐにエレベーターの天井の蓋を開けて2人して登った
危険なのは6階に泊まってマンションの天井を破ってエレベーターホールから移動する時だ
巻き込まれないように素早く移動して廊下側を進み　高瀬美希の入った部屋の天井付近まで近づく
くぐもった声が聞こえるようになる
が　何か妙な声だ話し声でも笑い声でもない
動物の声に聞こえない事もない
先輩が手で合図して耳に口を寄せる

今から電設の作業口を少しだけ開けるけど何を見ても声を上げないでね？いい？

私は頷いて後に続いた

ここと定めて先輩は音も無く　作業口の蓋をずらす
部屋の明かりが漏れて来る
どうやら寝室のようだが…

ん？

先輩が首を振る
強く目を合わせ睨む
私は頷く

初めて見るアブノーマルな景色が見えて来る
縛られた女が1人ベッドに手足の広げた姿で縛られている
口に何かを詰められているようだ
ベッドの側にもう2人女が居て1人は裸　1人は服を着ているがこっちはどうやら高瀬美希のようだ
裸の女も後ろ手に縛られているようで膝立ちしてベッドの女の乳房を舐めさせられているように見える
ベッドの女には何か道具が使われてその度に女は獣のような声を上げるようだ
後ろ手の女は不自由な身体で高瀬美希に言われるままベッドの女を責めるのを手伝ったり高瀬に奉仕したりするようだ
ベッドの女は従順なようには見えず逃れるかのように手足を動かしていた
高瀬を見上げるように後ろ手の女が顔をあげたのを確認すると中山静香さんだった