新しい季節14 影使い

そこは笑うところじゃないだろう
…いや　怒れと言っている訳じゃあないけど
…その可愛がってあげるって言うのは意味深すぎる
相手はまだバージンのノーマルだぞ？
…だから妻が増えただけでペットにする訳では！いや！分かってて言ってるだろ
奥義の型を見せようとしただけで逃げたんだぞ！
…分かった　帰ってからな
じゃあ

怜子さん　何て？

と　梓が聞いて来た

俺は冷めた珈琲を取って飲み干した

サービスエリアのテラス席で朝食を取るついでに昨日からの顛末を長いメールにしたためて怜子に送ったところ　休みだった怜子から電話が直ぐに掛かって来た

計画の下見に行って新しいペットを拾って来たのかってさ

誠はチラッと横目で俺を見て　ニヤッと笑う

ウチの事務所に来るんですよね？

ああ　かなめにも何て言って説明したもんか…

新しい営業でいいんじゃないですか？
家族じゃ無くて
それより由美さん　キトゥンズテイルの方はどうします？

あ〜！それもあったな

ちょっとウチに無かったタイプだから色々　やってみたい事　あるんですけど

と　梓が真面目に言う

小柄な飛鳥　って感じか？

飛鳥ちゃん　この頃　誰かさんのせいでラインが丸みを帯びていい感じのプロポーションになってますからねぇ
今後は特に変わって行きそうだし

とは　梓も揶揄いモードのようだ

はいはい　じゃあバージンだった梓も念入りに変えて行きましょうかね

梓は余裕の表情でニコッと笑った

2人を送り　車を返してマンションに戻る
昼前だが仕事の方はかなめに連絡して今日は電話番だけして貰って休業にしてある

帰ったよ…

お疲れ様　ふふふ

何だよ
嬉しそうに

だって…
どんな子なの？由美さんって

うん
身長は150少しかな
スレンダーで初めて会った頃の飛鳥みたいな感じかな
一族の修験の心得とあそこの分家独自の忍びの修練もある
多分　変装や変化の小技もあるからいずれ　老け技を習う時に役に立つ筈だ
長老の1人の健さん六十くらいの見た目を八十過ぎに見せてたからな
…まあ　実年齢は百過ぎてるんだが

まあ！百過ぎなの？由美さんって…

80の時の子どもらしい…