ちょっとHぃショートショート
AND THEN29 影使い
そんな爛れた幸せな夏を暮らしていた
1週間に一回回ってくる出勤日にはスーツを来てボブカットの髪を揺らして出掛けて行く七海は端正に隙がない
日毎夜毎にアブノーマルな営みを求めて喘ぎ乱れる女とは別人だ
もう事件のトラウマは無い
例の動画も本人の目の前で削除した
出勤日に理事長から内密に呼び出されて経過を報告して国岡さんの勤務評価も聞いた
同僚のやっかみも無く男性職員の際どい会話も余裕で躱すので同性の評判もいいらしい
年齢並みの女性らしい身体付きになったが七海が好意を向けるのは俺だけなので変に対抗心を抱かれないようだ
夏季休暇も後1週間と言う日 ちょうど七海の出勤日に七海に緊急の電話が入ったらしい
国岡さんから聞いた話だ
洋子さんの勤務病院からで倒れた と
事実婚のパートナーは同居ではなかったので夫とは認められず肉親の七海に呼び出しがあったと言う事だ
俺に連絡があって病院に駆けつけると七海と国岡さん あと洋子さんのパートナーと思しき男性が居た
七海の話を国岡さんが補足しながら聞いて理解した所では洋子さんは内臓の疾患で倒れたと言う
今すぐどうこう言う事はないけれど専門病院での長期の入院加療が必要な難病指定の疾患らしい
若い人なら直ぐに体調異変として表れるらしいが年齢的に機能の低下に合わせてゆっくりと症状が進行したらしい
国岡さんが理事長に連絡を取るとここの病院長と理事長は繋がりがあるらしく 話は上で付けるから落ち着いたら一緒に戻るように言われた
俺も一緒だ と
放射線技師のパートナーの人に挨拶して別れ 国岡さんの車に便乗して大学に戻る
おお 大変だったな 矢島さん
すみません ご迷惑をお掛けしました
と 七海は頭を下げる
理事長は国岡さんに頷き 手を振って退出させる
柳も聞いておけ
矢島さんの母上の病院は難病指定ではあるが完治が期待出来る病気で な
ただ 専門医が少ないと言う事だ
あちらの病院の紹介だと入院待機が長くてな
そこで矢島さん 相談なんだが儂の大学の関連の大学病院に転院して貰えば来週末には手配出来る
ただ九州になるんじゃ
もし矢島さんがいいならそちらの大学の事務職で就職を斡旋出来る
ああ 勿論 君の母上の意向を最終 伺って決める事じゃが そら おまえ達の事もあるからの?
と 理事長は俺と七海を見比べた
俺は七海の強い視線を受け止めた
じっと見つめる七海に小さく頷くと 七海は理事長に向き直り
お願いします
と 頭を下げた
今 返事をする事はないぞ?
考えてからでも
いえ 母には迷惑かけてばかりで何も返せていませんから
命に別状ない病気で倒れたのは私に恩を返す時間をくれたんだと思います
ただ 母がどう言うか分からないので母に会って意見を聞きます
よし 分かった
進められる手続きは進めておこう
柳 そう言う事じゃから…
俺は肩を竦めて見せた
七海の幸せが1番ですよ
その為に理事長は七海を俺に預けたんでしょう?
そう言うな 柳
そら 国岡に送らせる
帰り道 七海は口を利かなかった
俺も黙って今までの事を考えていた
後1週間
まあ そんなものさ
静かな日常
2日目に面会許可が降りて2人で話をしに行った
洋子さんは元気だった
まあ 七海 聞いたよ
理事長さんから転院先 斡旋してくれたそうね
ありがとう アンタのお陰だわ
入院待機なんてしてたら働きたくなっちゃうよ
まあ 完全看護だからアンタはこのままこっち居なさい
あの人にも 別れましょ って連絡入れた
まあ だいぶ怒ってたけど どうしようもないんだし ホッとしてるんじゃないかな?
柳くんもありがとうね
これから 七海の事 宜しく…
…全く!
ひと言 七海は断ち切るように声を出した
何 勝手な事 言ってるのよ?
1人で行く?
私はこっちに残って柳くんとよろしくやれって?
バカ言わないで!
わたし達は2人きりの家族でしょう!
今までの恩を返させないつもりなら こっちだって勝手について行って嫌だと言うまで世話するわよ!
…驚いた!
アンタ 私の子だわ
と 呆れたように洋子さんは言った
当たり前の事を驚いたように言わないでよ!
でもアンタ いいの 柳くん…
わたし達はお互いが惜しくて家族を捨てるような半端な関係じゃないわ!
お別れして何処に行っても何処に居たって私はこの人のもので この人は私のものよ!
…だ そうです お母さん
諦めて下さい
僕はあなたの目の前で振られた男ですから
と言うと洋子さんは
あら ほほ ほほほ と泣き笑いした
1週間に一回回ってくる出勤日にはスーツを来てボブカットの髪を揺らして出掛けて行く七海は端正に隙がない
日毎夜毎にアブノーマルな営みを求めて喘ぎ乱れる女とは別人だ
もう事件のトラウマは無い
例の動画も本人の目の前で削除した
出勤日に理事長から内密に呼び出されて経過を報告して国岡さんの勤務評価も聞いた
同僚のやっかみも無く男性職員の際どい会話も余裕で躱すので同性の評判もいいらしい
年齢並みの女性らしい身体付きになったが七海が好意を向けるのは俺だけなので変に対抗心を抱かれないようだ
夏季休暇も後1週間と言う日 ちょうど七海の出勤日に七海に緊急の電話が入ったらしい
国岡さんから聞いた話だ
洋子さんの勤務病院からで倒れた と
事実婚のパートナーは同居ではなかったので夫とは認められず肉親の七海に呼び出しがあったと言う事だ
俺に連絡があって病院に駆けつけると七海と国岡さん あと洋子さんのパートナーと思しき男性が居た
七海の話を国岡さんが補足しながら聞いて理解した所では洋子さんは内臓の疾患で倒れたと言う
今すぐどうこう言う事はないけれど専門病院での長期の入院加療が必要な難病指定の疾患らしい
若い人なら直ぐに体調異変として表れるらしいが年齢的に機能の低下に合わせてゆっくりと症状が進行したらしい
国岡さんが理事長に連絡を取るとここの病院長と理事長は繋がりがあるらしく 話は上で付けるから落ち着いたら一緒に戻るように言われた
俺も一緒だ と
放射線技師のパートナーの人に挨拶して別れ 国岡さんの車に便乗して大学に戻る
おお 大変だったな 矢島さん
すみません ご迷惑をお掛けしました
と 七海は頭を下げる
理事長は国岡さんに頷き 手を振って退出させる
柳も聞いておけ
矢島さんの母上の病院は難病指定ではあるが完治が期待出来る病気で な
ただ 専門医が少ないと言う事だ
あちらの病院の紹介だと入院待機が長くてな
そこで矢島さん 相談なんだが儂の大学の関連の大学病院に転院して貰えば来週末には手配出来る
ただ九州になるんじゃ
もし矢島さんがいいならそちらの大学の事務職で就職を斡旋出来る
ああ 勿論 君の母上の意向を最終 伺って決める事じゃが そら おまえ達の事もあるからの?
と 理事長は俺と七海を見比べた
俺は七海の強い視線を受け止めた
じっと見つめる七海に小さく頷くと 七海は理事長に向き直り
お願いします
と 頭を下げた
今 返事をする事はないぞ?
考えてからでも
いえ 母には迷惑かけてばかりで何も返せていませんから
命に別状ない病気で倒れたのは私に恩を返す時間をくれたんだと思います
ただ 母がどう言うか分からないので母に会って意見を聞きます
よし 分かった
進められる手続きは進めておこう
柳 そう言う事じゃから…
俺は肩を竦めて見せた
七海の幸せが1番ですよ
その為に理事長は七海を俺に預けたんでしょう?
そう言うな 柳
そら 国岡に送らせる
帰り道 七海は口を利かなかった
俺も黙って今までの事を考えていた
後1週間
まあ そんなものさ
静かな日常
2日目に面会許可が降りて2人で話をしに行った
洋子さんは元気だった
まあ 七海 聞いたよ
理事長さんから転院先 斡旋してくれたそうね
ありがとう アンタのお陰だわ
入院待機なんてしてたら働きたくなっちゃうよ
まあ 完全看護だからアンタはこのままこっち居なさい
あの人にも 別れましょ って連絡入れた
まあ だいぶ怒ってたけど どうしようもないんだし ホッとしてるんじゃないかな?
柳くんもありがとうね
これから 七海の事 宜しく…
…全く!
ひと言 七海は断ち切るように声を出した
何 勝手な事 言ってるのよ?
1人で行く?
私はこっちに残って柳くんとよろしくやれって?
バカ言わないで!
わたし達は2人きりの家族でしょう!
今までの恩を返させないつもりなら こっちだって勝手について行って嫌だと言うまで世話するわよ!
…驚いた!
アンタ 私の子だわ
と 呆れたように洋子さんは言った
当たり前の事を驚いたように言わないでよ!
でもアンタ いいの 柳くん…
わたし達はお互いが惜しくて家族を捨てるような半端な関係じゃないわ!
お別れして何処に行っても何処に居たって私はこの人のもので この人は私のものよ!
…だ そうです お母さん
諦めて下さい
僕はあなたの目の前で振られた男ですから
と言うと洋子さんは
あら ほほ ほほほ と泣き笑いした
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