ちょっとHぃショートショート
恋 影使い
その時 僕は恋に落ちた と言える
中学になって同級生がグラビアヌードやアイドルの水着に群がっている時も性的な興味は湧かなかった
審美的な見方で女の子たちを比べたので男の同級生にも女の子たちにも不評だった
アスリートの女性選手同様 男性選手の均整の取れたスタイルは綺麗だと思い そう言うと変な奴!と言われた
同じ歳 同じ価値観を強制される集団の中で毛色の変わっている事の危うさは本能的に分かるものだ
以降 高校に至るまで集団の平均的な意見に同調する事を覚えた
同級生たちの内 何人かはガールフレンドと付き合い ほんの一握りが恋人を作る中 相変わらず僕はそう言った異性に対する興味を持たなかった
美術や写真 イラスト デザイン的なものには興味がありモデルや被写体は男女 どちらにも興味はあったが
自然 進学先にも芸術大学を選んだ
女の子に対して興味がない分 男性にそうした興味があるか と言うとそれも無く 自分がゲイだとは思わなかった
単に性欲が薄い性質 体質に生まれついたもの と思っていてそれでいいと思っていた
美大 芸大には力が足らず芸術コースのある総合大学に進学が決まった
前期の生活デザイン科の課題は前期いっぱい使って "椅子"
企画書とデザインで可を貰ってからの設計 製作だ
デザインと加工を天秤に掛けて曲面は諦めた
直線と平面の組み合わせ方を工夫して柔らかな見た目を演出して座面を貼り合わせ 柔らかな朴木をお尻に当たる面に使い "使うほど馴染む椅子"と言うコンセプトにした
奇抜なデザインを考えたクラスメイトからは地味なデザイン と笑われたがクラスメイトが加工で苦労して最終的にデザインの再現性を指摘される中 僕の椅子は講師から褒められた
曰く 身の程を知っている と
以来 現実的なクラスメイトとは色々 考えを交換するようになり "夢見がち"な身の程知らずたちからはやっかまれた
後期はレザーを使った服飾デザインだ
これには参ってしまった
前期は旋盤
後期は縫製
モデルも必要だったけどそれは自身でやる事にしてデザインだ
必然性?
ありきたりは駄目
デザインは必須
かれこれ デザインを書き留めてはボツ
唸りながら地下カフェで考えていてスケッチブックがテーブルからはみ出していた
バサバサ と言う音と
あ すみません
と 謝る声
いや 僕こそ
と答えながら広がってスケッチブックを閉じながら拾う
顔を上げると初めて見る顔
何かが胸を高まらせ 衝撃が頭を揺すった
あ 俺は法学部一回の柳と言います
僕はデザイン科一回の織田です
と 何とか返す
あ 織田くん 席いいかな?
ちょっと絵が見えて…
と言うとその男が前に座る
ドキドキしながら
いいよ どうぞ
で 絵が?
うん ちょっと長い話で済まないんだけど 時間 いい?
と 珈琲を頼んで柳くんは向き直る
こっちも煮詰まってて気分転換だから
何?
チラッと見えたんだけど違ってたらゴメン
皮っぽいファッションデザイン で間違いない?
課題でね
レザーファッションで一点 デザイン画と作製なんだ
何?織田は作製も出来る人なのか?
出来るって言うか 生活デザイン科だからね
前期は椅子だったよ
ノコギリでも怪しいのに丸鋸旋盤使って
あはは そりゃあ凄い
じゃあさ 時間の空いてからでいいから意見を聞かせて欲しいんだ
日本サブカル研究会所属の柳くんは来季の学祭の展示にボンデージ衣装は検討していて経費の検討で自作を考えているらしい
その為のデザインと 縫製先を探すのを手伝ってほしい と言う話だった
承諾して でも何を話して別れたか覚えていない
呆っとして座っていると同じクラスの女の子が
織田くん 柳くんと知り合いなの?
と 声を掛けられた
今 ね
何か ボンデージスーツ 作りたいんだって
ええ 今度はボンデージ?
学祭は緊縛だったらしいね?
そう 人が集まりすぎて無理だった
何?山下さんもやって見たかった人なの?
学祭のノリだよ
今は恥ずかしよねぇ
じゃ ね
と 離れて行った
柳くんの置いて行ったカタログを見ているとデザインが湧いて来た
中学になって同級生がグラビアヌードやアイドルの水着に群がっている時も性的な興味は湧かなかった
審美的な見方で女の子たちを比べたので男の同級生にも女の子たちにも不評だった
アスリートの女性選手同様 男性選手の均整の取れたスタイルは綺麗だと思い そう言うと変な奴!と言われた
同じ歳 同じ価値観を強制される集団の中で毛色の変わっている事の危うさは本能的に分かるものだ
以降 高校に至るまで集団の平均的な意見に同調する事を覚えた
同級生たちの内 何人かはガールフレンドと付き合い ほんの一握りが恋人を作る中 相変わらず僕はそう言った異性に対する興味を持たなかった
美術や写真 イラスト デザイン的なものには興味がありモデルや被写体は男女 どちらにも興味はあったが
自然 進学先にも芸術大学を選んだ
女の子に対して興味がない分 男性にそうした興味があるか と言うとそれも無く 自分がゲイだとは思わなかった
単に性欲が薄い性質 体質に生まれついたもの と思っていてそれでいいと思っていた
美大 芸大には力が足らず芸術コースのある総合大学に進学が決まった
前期の生活デザイン科の課題は前期いっぱい使って "椅子"
企画書とデザインで可を貰ってからの設計 製作だ
デザインと加工を天秤に掛けて曲面は諦めた
直線と平面の組み合わせ方を工夫して柔らかな見た目を演出して座面を貼り合わせ 柔らかな朴木をお尻に当たる面に使い "使うほど馴染む椅子"と言うコンセプトにした
奇抜なデザインを考えたクラスメイトからは地味なデザイン と笑われたがクラスメイトが加工で苦労して最終的にデザインの再現性を指摘される中 僕の椅子は講師から褒められた
曰く 身の程を知っている と
以来 現実的なクラスメイトとは色々 考えを交換するようになり "夢見がち"な身の程知らずたちからはやっかまれた
後期はレザーを使った服飾デザインだ
これには参ってしまった
前期は旋盤
後期は縫製
モデルも必要だったけどそれは自身でやる事にしてデザインだ
必然性?
ありきたりは駄目
デザインは必須
かれこれ デザインを書き留めてはボツ
唸りながら地下カフェで考えていてスケッチブックがテーブルからはみ出していた
バサバサ と言う音と
あ すみません
と 謝る声
いや 僕こそ
と答えながら広がってスケッチブックを閉じながら拾う
顔を上げると初めて見る顔
何かが胸を高まらせ 衝撃が頭を揺すった
あ 俺は法学部一回の柳と言います
僕はデザイン科一回の織田です
と 何とか返す
あ 織田くん 席いいかな?
ちょっと絵が見えて…
と言うとその男が前に座る
ドキドキしながら
いいよ どうぞ
で 絵が?
うん ちょっと長い話で済まないんだけど 時間 いい?
と 珈琲を頼んで柳くんは向き直る
こっちも煮詰まってて気分転換だから
何?
チラッと見えたんだけど違ってたらゴメン
皮っぽいファッションデザイン で間違いない?
課題でね
レザーファッションで一点 デザイン画と作製なんだ
何?織田は作製も出来る人なのか?
出来るって言うか 生活デザイン科だからね
前期は椅子だったよ
ノコギリでも怪しいのに丸鋸旋盤使って
あはは そりゃあ凄い
じゃあさ 時間の空いてからでいいから意見を聞かせて欲しいんだ
日本サブカル研究会所属の柳くんは来季の学祭の展示にボンデージ衣装は検討していて経費の検討で自作を考えているらしい
その為のデザインと 縫製先を探すのを手伝ってほしい と言う話だった
承諾して でも何を話して別れたか覚えていない
呆っとして座っていると同じクラスの女の子が
織田くん 柳くんと知り合いなの?
と 声を掛けられた
今 ね
何か ボンデージスーツ 作りたいんだって
ええ 今度はボンデージ?
学祭は緊縛だったらしいね?
そう 人が集まりすぎて無理だった
何?山下さんもやって見たかった人なの?
学祭のノリだよ
今は恥ずかしよねぇ
じゃ ね
と 離れて行った
柳くんの置いて行ったカタログを見ているとデザインが湧いて来た
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