ちょっとHぃショートショート

双樹\u3000一

オリジン 影使い

広いキャンパスのメインロードの両脇には新入部員募集のチラシを巻く2回生たちが客引きよろしく声を上げている
よく聞くクラブ名や聞いても何をするのか分からないクラブ
バブル期に郊外へ移転して従来の法学 商業 人文科学 国際交流に加えて芸術系4学部を増設した私立大学としてバブルが弾けて以降 無くなって行った大学も多い中 生き残った中堅大学だ

日本サブカルチャー研究会で〜す
一緒に楽しく日本文化の研究をしましょう

と 地味な見た目の女が1人 声を張っている

君 どう?クラブハウスに見学に来ない?

と チラシを渡された

はい いいですよ

え?

と 女は驚いた顔をした

だから いいですよ
行きます

女は慌てたように

あ あ そうね
ありがとう
じゃ 取り敢えず仮入部の署名してくれる?
クラブハウスの立ち入り条件なの…

俺の影使いの能力の目覚めは早くて10歳だった
自分がベッドに寝ているのを立った自分が見ている夢を見ていた
そこに母が俺を起こしに来る夢だ

陽司 起きなさい 

と 母はドアを開けて俺と目を合わせた
俺はどう言う返事をすべきか 考えていると母は父を呼んで来た
父が立っている俺の肩に手を置いたら目が覚めた
その日 朝食を食べてからふたつ上の姉と一緒に俺たちの一族の成り立ちと能力の話を噛み砕いてされた
その日から行者の修行が始まった

日本サブカルチャー研究会の歴史は古く人文科学学部のゼミが発端で春画やあぶな絵や責め絵の研究からが始まりだった
その方面ではそこそこ評価を受けた論文もあるらしい
その後 フォークソングやら歌謡曲のアイドル研究 漫画やアニメの研究と堕落して行った
作り出さず 研究と称して鑑賞するサロン化した訳だ
それでも人文科学学科の学生が数人 細々 真面目に研究を続けているのが現状のようだ
新入学生の歓迎会の間に見て取ったのは主に地味めの女学生が4人ほどそっちでオタク系の男女が5人 こっちは漫画アニメの研究らしい
あとは派手な格好の男が1人 イケメンを気取っている
新入生は俺を含めて4人 2人はオタク系らしい男とあとはどう見ても間違えて連れて来られたとしか見えない美人だった
派手な男は美人の横で何やら自慢話を繰り返している
ジュースで乾杯してお菓子を食べながら一通り 新入生が先輩たちと顔繋ぎが済んだ頃に派手な男が立ち上がって
 
おい 一回生 なんか自己紹介代わりに芸をしろ

と 声を張った

一回生たちはめを合わさないように俯く中 俺と目が合ったソイツは

おまえ!まず おまえだ

と言うので

いいですよ

と バッグを持って立ち上がり

ご協力お願いしたいんですけどあぶな絵の研究されてる先輩 いますか?

と声を掛けると俺を勧誘した眼鏡の地味な女が手を上げた
ジーパンにTシャツだ
いいだろう

お願い出来ますか?

いいけど…何かな?

目測しながらバッグから細縄を出して2つに折って結び目を幾つか作りながら

僕はキンバクをします

キンバク?

じゃ先輩 こっち向いて下さい

と 先輩の首に輪にした縄を掛け手早く股を通して身体の両脇から縄目を結び身体の前に菱の字縛りを作った

きゃ!何?

緊縛で菱縛りです
先輩 回って下さい

と 皆んなの方へ向ける

キャッ 伊藤先輩!

え?咲 凄い!

この先輩は伊藤咲と言うらしい

目立たない着痩せする小柄な彼女の胸は縄で絞り出されて細いウェストが強調されている

え?え?

と 戸惑う先輩の縄ん解いてクルクルと纏めて

柳陽司でした

と 一瞬だけ魅惑のボディを晒し 地味な外観に戻った伊藤先輩を残して席に戻った

派手な男は最初の威勢を無くしたが

おら 次 誰かやれ

と 虚勢を張った

柳くんだっけ?縄 貸してくれる?

と ソイツの横から美人が俺の所に来て手を出したので今 使った縄を貸した

何メートル?

10 だ

いいわ せんぱぁい
手伝ってくれます?

と 美人の声に派手男は顔を綻ばせたが首に縄を掛けられて後ろ手に縛った辺りまでは俺にも分かったがあっという間に派手男は達磨縛りで床に転がされていた

ホント ウザい男!

と言う美人の吐き捨てるような言葉に続いて 美人の口から出てるとは思えない 罵詈雑言が一頻り続き 最後に男をひと蹴りしてから

高瀬美希でした

と 頭を下げてクラブハウスを出て行った

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