プラネタリウム4 影使い

それでどうしたんですか？

と　怜子は頭を凭せたまま聞いた

どうもこうもまだカウチの上で続けようとするんで形のいいヒップ二つ　引っ叩いて正気に返して苦い珈琲　飲みに連れ出したサ
困った娘たちだ
おまけにどうしてもケースに入って展示されたいって言うんで織田の所へキャットスーツ　二着発注したよ
くれぐれもエミリには内緒だと言って

あらまあ

と　怜子は顔を上げ　目を大きく見開いた

それはまた　織田さん　絡んで来そうね

もう散々　絡まれたよ
まあ　アイツの言い分の方が道理なんだから仕方ないがな

織田さんはなんて？

おまえがもっと無責任なら女は寄って来ない

怜子は笑い転げるほど笑った

今までならあの子らの休みが土日にならないと押し掛けて来なかったのに展示の為ならウチの営業日に来る積もりだったんだから　参るよ

あらあら

だろ？かなめが居るのに珈琲ブレイクにどうするつもりか　って

それでどうするの？

今までどうり　休みが合えばウチでゴロゴロする代わりに俺が休日出勤して梓を喜ばせる
あと　ケースの硝子にマジックミラーシートを貼る
外側を鏡面にして中身を見えないようにする

あら？それで納得してくれるかしら？

いや　ケースの天井にライトを付けて　入るまでは可視化する
あと　入った後は表面のホログラムシートが3D風にキャットスーツのマネキンを映し出す
今までの立体作品にするのも考えてる
村井と相談済みだ

怜子はクスクス笑って織田の口真似をした

"おまえがもっと無責任なら女は寄って来ない"

そう言うなよ
本来　性癖だけで　嫌われても　もてるような人間じゃなかったんだから
どうして　こうなったやら…

まあ
じゃあ　欠点を補って余りある長所があるって事ですね
凄いわぁ

皮肉を言うなよ

ま　最初にわたし達の事　皮肉ったでしょ？
趣味が悪いと言わんばかりに

うん？だって自分の奥さんにそんな格好をさせて喜んでいるような男だぞ？

あら　妻を喜ばせる夫なんだと思いましたけど？

ビスチェの胸を押さえて俺にだけ見えるように内太腿をスカートをたくし上げて　ニッと笑う

分かった　悪かった

怜子はスカートを下ろして

さあ　妻を喜ばせて下さいね

と　プラネタリウムの次の投影時刻が来た事を俺に仄めかした