ちょっとHぃショートショート

双樹\u3000一

マーメイド3 影使い

マーメイドは2月に展示会が開催され終わるまで戻って来ない
匿名の部分に問題が残るのはバックに掲示する夕焼けの人魚姫と同じようにマスクを被せる と言う事で妥協した
理音の顔だから装着に問題は無い
写真との関連性も高まるから と言われた
ウチの可愛い怪物たちは俺が弱気になっていると考えたのか あれからどうも気を遣われている
単なる才能に対する愚痴みたいなものだったのだが エミリたちの神紳士信仰とは違う怜子たちの俺の偶像があるのだろう
精々頑張って演じる事にしよう

社長 お願いします

と だいぶ仕事になれたかなめが書類を持って来た

お ありがとう
ああ かなめ その後 太極拳はどうだ?

あはは ええ 尻餅はつかなくなりました
まだまだですけど 体幹が大事って言うのが身に染みて分かります

じゃ 随分 進歩してるな

はい!

嬉しそうに返事をして事務室に帰って行った
誠や梓のおかげで事務仕事はスムーズだ
目を通して決済印を押して戻せばほとんど後はお任せだ
調査対象のファイルを戻して今日の分の仕事に出る

じゃ 帰りは遅くなるから定時で戸締り宜しくな

はーい

了解しました

気をつけて下さいね

と 事務所から出る

地味な黒カバンに髪はキッチリセットしてブラウン縁の眼鏡を掛け コートを羽織っている
外回りの営業に幾らでも居るスタイルだが身長の分 記憶に残りやすいので目立つ行動はせずにわざとらしい猫背にもならない
遠隔地だったから移動に時間が掛かっただけでそつなく調査は終わって早い日没に暗くなった駅を降りた

え ご主人様?

ん? と振り返ると由香だった

よく分かったな 今日はどうしたんだ?

ご主人様の身体のバランスは分かりますから
特別展の打ち合わせに村井くんの工房へ行った帰りなんです

あ〜 偶然にしても凄いタイミングだな

…運命的だと思いません?

と 由香は唇をチロッと舌で舐めた

ウチで食事 しませんか?

(おや?)
由香は普段は積極的にモーションをかけない 本人の設定なのだろう

由香 怜子から何か言われたのか?

い いえ 何も そんな…

相変わらずのポンコツぶりだ
逆に信用出来る

分かった分かった 怪物たちの愛情に乗っかるよ
行こう ご馳走してくれ

手早く怜子と遥に由香のウチに寄る旨 メッセージを飛ばしておく
由香は差し出した腕に躊躇いがちにぶら下がった

由香の手料理は美味かった
本来なら と言うか怜子や由香の思惑ならここから由香の駄犬プレイが始まる所なのだが 由香には訂正しておこうと今までの流れを説明した

…それは才能に対する嫉妬 ですね

まあ 平たく言えばそうさ そんな大層な感情ではないけどね
無から美を生み出せる者に対する憧れと自分の手の中を見て残念に思ってるって事だな

美を評価する目を持っているからです
あと 自分の才能を自覚していないって事ですね

俺の才能?芸術的な事か?

ご主人様の才能は"触媒"ですね

触媒 か?

然るべき環境と出会いとタイミングでご主人様が助言や忠告 紹介 介入すると物事が "化ける"んです
芸術的な事なら村井くんや梓ちゃん 美和 若狭ちゃんが良く言ってます
発想力と切り口が全然 違うって
アーティストたちに嫉妬の念を抱かせる才能なんですよ
…人の人生にも転換を与えます

それは アレか?
君たちの事か?

そうです

変態が自分に都合のいい女たちを拾って飼っただけだぞ?

助けて貰った時はその言葉を信じてましたけど 
あの時のわたしには恥ずかしくて浅ましいけど アレが必要だったから…
でも 実際のご主人様はあの時のわたしが思っていたようなサディストじゃなかったし
わたしの目を覚ましてくれた
だから ご主人様は決してアートの才能が無い訳ではない と思います
今はパトロンの立場ですけど 後は発揮できる分野 の問題かな?

そっか 学芸員がそう言うなら気長に才能探しをするか

はい

いや 今夜はありがとう
怜子たちにも心配ないって言ってくれ

じゃ

と言いながら由香が立ち上がったので俺も立ち上がったが違ったようで スカートのホックを外して床に落とした由香が俺に抱きついた

お願いしますね

さっきまで俺をカウンセリングしていた由香は居なくなって裸で黒い首輪をして小さな紐パンだけを付けた駄犬が足元で伏せている

由香 顔を上げろ

顎を上げさせてリードを首輪に繋ぎ玄関まで引いていく
リードの端をドアノブに掛けてドアの方に向かせてお尻を撫でてやる
大きな白いヒップだ
左右の紐を解いて引くとハラリとパンティが抜ける

腰を上げて脚を開け 由香

由香の後ろで胡座をかいて座り込む
由香の腰を掴んで秘所に当てがったまま焦らす

さあ 由香 デリバリーを頼んだからそのうちインタホンが鳴る
おまえの姿を見られてしまうぞ

(デリバリーを頼んでないのはお互い承知の上のプレイだ ただインタホンが鳴る可能性を指摘している)

嗚呼 ああ 嗚呼

廊下まで声が漏れてしまうぞ 由香

浅く深く腰を振りながら微妙にリードが首輪を締める
本当に廊下を歩く足音がして由香は自分の口を押さえて耐えた
俺が後ろから乳房を掴んでやるとイヤイヤしながら腰を激しく振るのだ
怜子は由香も怪物だと言った
美希に快楽調教を仕込まれ 狂わされて被虐の快楽から離れられなくなった女だ
極端な性忌避の性格とは真逆の性向に仕込まれた由香は破綻した人格のまま捨てられた
俺に対する嫌がらせとして だ
俺はまんまと美希に性格を読まれて責任上 由香を拾ったのだ
由香はそんな自分を自分として認める事でしか生き延びる事が出来なかった訳だ
してみると人魚が海と尾鰭を犠牲にして脚を得て泡と消えたように 由香も自分の世界を犠牲にして怪物としての生き方を選んだのは泡と消える為だったのか
俺の元で被虐の性に悦び悶える為に自分を美希に売り渡したのかも知れない
さもなければ 見知らぬ男の元で泡と消える為に
そう言う意味では首輪をされて喘ぐ白い裸の女は正しく怪物たる事を選んだのだ と言える

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