メグルユメ
21.森羅の塔
4つの塔を攻略し終えた。火、水、闇、光と攻略していったが次が何なのかの予想がつかなくなっていた。後は然、地、理の3つか。アレン達はもう折り返しだと思いつつもまだ先が長いという気持ちもあった。
今、目の前にある塔は囲いがなく、蔦が絡んでいた。蔦は塔の頂上まで登っており、廃れているのではないかという印象を受けた。塔の前には小さな空き地がある。罠の可能性がある為、下手に近付けない。
「レイドさん?」
エンドローゼが塔の上を睨んでいることに気付き、自身も見てみる。
「ぐ、グ、グリフォン?」
塔の上部では身を低くしたグリフォンがこちらを窺っていた。嘴をカタカタと合わせながら身を乗り出している。バッとグリフォンが落下し、地面すれすれで翼をはばたかせ直角気味に曲がる。矢のように鋭く進むグリフォンの前に楯を構え受け止める。
コストイラは先の戦いで不完全燃焼となっていたため好戦的になっており、逃げられないように片翼を斬る。
『フォロロロロロロロロ!!』
腕を振るい、爪で引き裂こうとするが、コストイラは刀で根元に合わせ、斬り飛ばす。グリフォンは脚をつけるが、踏ん張りが利かない。だが弱音は吐かない。だって強者なんだもの。
代わりに自身を鼓舞する声を出す。残った足で何とかしようと頭を巡らせるが、右後脚はコストイラが、左前脚はシキが、左後脚はアシドが攻撃をする。痛い。素直に痛い。立っているのがやっとだ。
グリフォンが前を向く。そこには大剣を振り上げたレイドがいた。次の瞬間、グリフォンの脳漿はぶちまけられた。
レイドはグリフォンの死体の足を摑むと、明らかに罠がありそうな空き地に投げ入れる。どさりと落ちたグリフォンを見守る。何も起きない。10秒。20秒。
「考えすぎだtt」
アレンの言葉は大きな音に遮られる。大きな音は地面から植物の葉や蔦が現れた音だ。蔦はグリフォンの体に纏わりつき、地面の中に引きづり込んだ。入れ替わるように花の蕾のように葉が螺旋状に巻かれた何かが姿を現す。蕾の下には果実のように膨らんだ部位がある。
どこかで見たことある魔物だと考え、アレンは瞳に魔力を集め始める。茶色に光り始めようとする瞳を遮るようにレイドが声を出す。
「アルラウネだ」
アレンはレイドのことを勝手に寡黙な男だと思っていたが、要所要所でちゃんと会話しようとする。寡黙なことに変わりはないが。受け答えも短すぎる。しかし、とアレンは緑の何かを見る。地上8メートルはあるだろう身長を見上げ、よく観察する。言われてみればアルラウネの下部はこんな感じだったような気もしてくる。
葉の梱包が剥がれ何かが明らかになる。葉は果実のような部位に垂れ下がり、今度は果実のような部位を隠す。隠されていた上半身は女性の体だ。全身が植物の緑色で彩られた女性は上半身に加え膝まであった。しかし、女性ではなく女型であり、胸の突起や下腹部のスリットは存在しない。ないと分かっていても見ていると恥ずかしさが出てくる。
白目も黒目もないオレンジ色の目はこちらを睥睨している。8メートルの高さから見ているのだ、自然とそう見えているのかもしれない。瞳がオレンジ色一色で白目がないせいでどこを見ているのか分からない。
このアルラウネにとってアレン達は少し小さいのでとりあえず叩いてみることにした。コストイラの肩幅はありそうな蔦を一本、試しに叩いてみる。アレン達は大きく躱した。
この身長差は成人男性とボウリングのピン程くらいか。アルラウネは恐怖を感じていない。レイドは後衛3人を後ろに移動させ、森の中に隠す。アシドは蔦を昇って女型のところに迫り行く。コストイラは蔦を上ったが、果実のような部位に降り立つ。シキは近くの木から飛びつき蔦の上を走る。
アルラウネは鬱陶しそうに蔦をうねらせた。
今、目の前にある塔は囲いがなく、蔦が絡んでいた。蔦は塔の頂上まで登っており、廃れているのではないかという印象を受けた。塔の前には小さな空き地がある。罠の可能性がある為、下手に近付けない。
「レイドさん?」
エンドローゼが塔の上を睨んでいることに気付き、自身も見てみる。
「ぐ、グ、グリフォン?」
塔の上部では身を低くしたグリフォンがこちらを窺っていた。嘴をカタカタと合わせながら身を乗り出している。バッとグリフォンが落下し、地面すれすれで翼をはばたかせ直角気味に曲がる。矢のように鋭く進むグリフォンの前に楯を構え受け止める。
コストイラは先の戦いで不完全燃焼となっていたため好戦的になっており、逃げられないように片翼を斬る。
『フォロロロロロロロロ!!』
腕を振るい、爪で引き裂こうとするが、コストイラは刀で根元に合わせ、斬り飛ばす。グリフォンは脚をつけるが、踏ん張りが利かない。だが弱音は吐かない。だって強者なんだもの。
代わりに自身を鼓舞する声を出す。残った足で何とかしようと頭を巡らせるが、右後脚はコストイラが、左前脚はシキが、左後脚はアシドが攻撃をする。痛い。素直に痛い。立っているのがやっとだ。
グリフォンが前を向く。そこには大剣を振り上げたレイドがいた。次の瞬間、グリフォンの脳漿はぶちまけられた。
レイドはグリフォンの死体の足を摑むと、明らかに罠がありそうな空き地に投げ入れる。どさりと落ちたグリフォンを見守る。何も起きない。10秒。20秒。
「考えすぎだtt」
アレンの言葉は大きな音に遮られる。大きな音は地面から植物の葉や蔦が現れた音だ。蔦はグリフォンの体に纏わりつき、地面の中に引きづり込んだ。入れ替わるように花の蕾のように葉が螺旋状に巻かれた何かが姿を現す。蕾の下には果実のように膨らんだ部位がある。
どこかで見たことある魔物だと考え、アレンは瞳に魔力を集め始める。茶色に光り始めようとする瞳を遮るようにレイドが声を出す。
「アルラウネだ」
アレンはレイドのことを勝手に寡黙な男だと思っていたが、要所要所でちゃんと会話しようとする。寡黙なことに変わりはないが。受け答えも短すぎる。しかし、とアレンは緑の何かを見る。地上8メートルはあるだろう身長を見上げ、よく観察する。言われてみればアルラウネの下部はこんな感じだったような気もしてくる。
葉の梱包が剥がれ何かが明らかになる。葉は果実のような部位に垂れ下がり、今度は果実のような部位を隠す。隠されていた上半身は女性の体だ。全身が植物の緑色で彩られた女性は上半身に加え膝まであった。しかし、女性ではなく女型であり、胸の突起や下腹部のスリットは存在しない。ないと分かっていても見ていると恥ずかしさが出てくる。
白目も黒目もないオレンジ色の目はこちらを睥睨している。8メートルの高さから見ているのだ、自然とそう見えているのかもしれない。瞳がオレンジ色一色で白目がないせいでどこを見ているのか分からない。
このアルラウネにとってアレン達は少し小さいのでとりあえず叩いてみることにした。コストイラの肩幅はありそうな蔦を一本、試しに叩いてみる。アレン達は大きく躱した。
この身長差は成人男性とボウリングのピン程くらいか。アルラウネは恐怖を感じていない。レイドは後衛3人を後ろに移動させ、森の中に隠す。アシドは蔦を昇って女型のところに迫り行く。コストイラは蔦を上ったが、果実のような部位に降り立つ。シキは近くの木から飛びつき蔦の上を走る。
アルラウネは鬱陶しそうに蔦をうねらせた。
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