メグルユメ
25.懐かしき再会は花の中
気が付くと一行は花畑に着いていた。
「霊は天国に行けたのでしょうか」
「さぁな」
ふと零れたアレンの言葉にコストイラが反応し、素っ気なく返す。
前回は昼間で明るかったこともあり、あまり敵と出会わなかった。しかし、今回は暗い時間帯。霊が本格的に動き出す時間帯だ。
その考えを肯定するように現れる。
半透明な紫色の肌。
地から浮いた体。
周りを舞う闇色の魔力。
霊はまだ存在していた。
その男は宗教が嫌いだ。両親の命を奪った宗教が大嫌いだ。
その男の両親は宗教に異常にはまってしまい、その影響が注意の散漫を生み出し、命を落としてしまった。深いところにまで引き込まれた両親に連れられた男は嫌な部分を見せつけられた。両親には死ぬときに看取る人がいなかった。
その宗教を憎み、呪い、この世に未練を残し霊として残ってしまった。
この花畑は宗教の聖地であり、跡地だ。ここに来る者は全員、教祖に会いに来た者だ。それはつまり男の敵だ。男は新しく来た7人に眼をつけた。
『がぁああっ!!』
重苦しく吐き気すらしてくる雰囲気を纏う男の霊が摑みかかってくる。コストイラは刀を横にして防ぐ。
男の霊は自身の手に傷がつくのも気にせず、刀を摑む。傷から何かが漏れるのも構わず噛みついてこようとする霊に対し、コストイラはたまらず蹴り飛ばす。しかし、コストイラの意識の外にあった闇色の魔力に当たってしまう。
『るぉおっ!!』
男の霊は腕に闇色の魔力を纏っていく。男の霊の拳の一撃をレイドが大剣で防ぐ。しかし、大剣は砕かれてしまう。一度大剣が当たった拳は軌道がズレ、レイドの肩に当たる。
倒れるレイドの影からシキが現れ、両足の跳び蹴りを顔面に叩きこむ。
『がぁああっ!!』
踏みとどまった霊は雄叫びを天へと向け、闇色の魔力を放射状に発射する。
コストイラは再び当たってしまい、エンドローゼに当たる分はレイドが庇って食らう。アレンとアストロは器用に躱していく。シキとアシドは余裕を持って迎撃していく。
男の霊は再びコストイラに摑みかかる。コストイラはうまく擦れ違い、その際に霊の両腕を斬ってみせる。
『うがぁあああああッッ!!』
霊は自身の傷口を見て絶叫する。傷口から闇の魔力とオレンジと黒の混じった煙が噴き出ていた。そして魔力は形を作り始め、なくなったはずの腕を完成させる。腕のように見える魔力はコストイラを捕らえ、押し飛ばしてしまう。
霊は魔力の腕を鞭のように振るい、アシドやシキといった近くにいた者たちをまとめて薙ぎ払う。
レイドは自分の武器を失ってしまったことを悔いる。楯を海に落ちたときになくしてしまった。それに大剣は今、霊の攻撃で壊されてしまった。また守れないのか?
レイドは奥歯を砕かんばかりに噛み締める。何も分からぬエンドローゼはただその背を擦ってやる事しか出来ない。
コストイラは自分の頭の近くに立つ少女に懐かしいという感情を抱いた。まだ1週間だって経ってないのに懐かしいと思えるなんて、とても濃密な日々を過ごしている証明だろうか。まぁ、それとは関係ないところで懐かしいと思っているのだが。原因は分かっているが、少女側は覚えているだろうか。
少女の方もコストイラを見下ろしながら過去に思考を飛ばした。何とも懐かしい目だ。自分を見上げてくる構図も懐かしい。ただ、1人足りないのが物足りなさを演出していた。
頸動脈を圧迫された影響でボーッとしていながらコストイラは呟いた。
「教祖様…………」
なぜそんなことを言おうと思ったのか分からない。分かっていても言わなくても良かったはずなのに。コストイラは満足したように目を閉じた。コストイラの懐からは赤と緑と金と黒の4色からなるペンダントが覗いていた。そして、少女はコストイラの腕を見る。赤いリボンが巻かれている。少女は目を細めた。
『いっぱい傷ついたね。後は私に任せて』
小さい声で囁くと立ち去った。
コストイラはパッと目を開けた。コストイラは素早く上半身を起こすと、両の掌を交互に見る。調子を確かめるように手の開閉をすると、コストイラは刀を手にし駆けだした。
「霊は天国に行けたのでしょうか」
「さぁな」
ふと零れたアレンの言葉にコストイラが反応し、素っ気なく返す。
前回は昼間で明るかったこともあり、あまり敵と出会わなかった。しかし、今回は暗い時間帯。霊が本格的に動き出す時間帯だ。
その考えを肯定するように現れる。
半透明な紫色の肌。
地から浮いた体。
周りを舞う闇色の魔力。
霊はまだ存在していた。
その男は宗教が嫌いだ。両親の命を奪った宗教が大嫌いだ。
その男の両親は宗教に異常にはまってしまい、その影響が注意の散漫を生み出し、命を落としてしまった。深いところにまで引き込まれた両親に連れられた男は嫌な部分を見せつけられた。両親には死ぬときに看取る人がいなかった。
その宗教を憎み、呪い、この世に未練を残し霊として残ってしまった。
この花畑は宗教の聖地であり、跡地だ。ここに来る者は全員、教祖に会いに来た者だ。それはつまり男の敵だ。男は新しく来た7人に眼をつけた。
『がぁああっ!!』
重苦しく吐き気すらしてくる雰囲気を纏う男の霊が摑みかかってくる。コストイラは刀を横にして防ぐ。
男の霊は自身の手に傷がつくのも気にせず、刀を摑む。傷から何かが漏れるのも構わず噛みついてこようとする霊に対し、コストイラはたまらず蹴り飛ばす。しかし、コストイラの意識の外にあった闇色の魔力に当たってしまう。
『るぉおっ!!』
男の霊は腕に闇色の魔力を纏っていく。男の霊の拳の一撃をレイドが大剣で防ぐ。しかし、大剣は砕かれてしまう。一度大剣が当たった拳は軌道がズレ、レイドの肩に当たる。
倒れるレイドの影からシキが現れ、両足の跳び蹴りを顔面に叩きこむ。
『がぁああっ!!』
踏みとどまった霊は雄叫びを天へと向け、闇色の魔力を放射状に発射する。
コストイラは再び当たってしまい、エンドローゼに当たる分はレイドが庇って食らう。アレンとアストロは器用に躱していく。シキとアシドは余裕を持って迎撃していく。
男の霊は再びコストイラに摑みかかる。コストイラはうまく擦れ違い、その際に霊の両腕を斬ってみせる。
『うがぁあああああッッ!!』
霊は自身の傷口を見て絶叫する。傷口から闇の魔力とオレンジと黒の混じった煙が噴き出ていた。そして魔力は形を作り始め、なくなったはずの腕を完成させる。腕のように見える魔力はコストイラを捕らえ、押し飛ばしてしまう。
霊は魔力の腕を鞭のように振るい、アシドやシキといった近くにいた者たちをまとめて薙ぎ払う。
レイドは自分の武器を失ってしまったことを悔いる。楯を海に落ちたときになくしてしまった。それに大剣は今、霊の攻撃で壊されてしまった。また守れないのか?
レイドは奥歯を砕かんばかりに噛み締める。何も分からぬエンドローゼはただその背を擦ってやる事しか出来ない。
コストイラは自分の頭の近くに立つ少女に懐かしいという感情を抱いた。まだ1週間だって経ってないのに懐かしいと思えるなんて、とても濃密な日々を過ごしている証明だろうか。まぁ、それとは関係ないところで懐かしいと思っているのだが。原因は分かっているが、少女側は覚えているだろうか。
少女の方もコストイラを見下ろしながら過去に思考を飛ばした。何とも懐かしい目だ。自分を見上げてくる構図も懐かしい。ただ、1人足りないのが物足りなさを演出していた。
頸動脈を圧迫された影響でボーッとしていながらコストイラは呟いた。
「教祖様…………」
なぜそんなことを言おうと思ったのか分からない。分かっていても言わなくても良かったはずなのに。コストイラは満足したように目を閉じた。コストイラの懐からは赤と緑と金と黒の4色からなるペンダントが覗いていた。そして、少女はコストイラの腕を見る。赤いリボンが巻かれている。少女は目を細めた。
『いっぱい傷ついたね。後は私に任せて』
小さい声で囁くと立ち去った。
コストイラはパッと目を開けた。コストイラは素早く上半身を起こすと、両の掌を交互に見る。調子を確かめるように手の開閉をすると、コストイラは刀を手にし駆けだした。
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