メグルユメ
24.幽霊船の襲来
幽霊というのは死んだら船に乗るらしい。
アレンは樵の息子だが、読書が好きでよく本を読んでいた。アレンが読んだことのある歴史書には幽霊は船に運賃を支払い、乗せてもらうと記されている。もし支払えなければその人の死を悲しむ人がいないほどに悪いやつとして判断され、すぐに地獄に落とされてしまうらしい。
海に浮かぶ船を見て、ふとそんなことを思い出した。帆がびりびりになっており、板も穴だらけとなってしまった側面を見て、明らかに幽霊が乗ってそうだったからかもしれない。
「船だな」
「誰か乗ってない?」
コストイラは手で傘を作り、船を観察する。
岬に近付いた船から影が下りてくる。その影は着地するとすぐさまこちらに走り寄ってきた。その姿は明らかに敵だ。目を細めて観察を続けると、サーベルを振り上げた状態のパイレーツだった。
「襲ってくんなら殺す」
コストイラは物騒なことを言うと、刀の柄に手を添える。
パイレーツは期待を裏切らず、サーベルを振ってくる。コストイラは立ち上がりながら刀を抜き、パイレーツを斬る。
『グレアッ!』
パイレーツは左手で傷を押さえ、よろよろと前に歩きながら武器を取り落とす。
「見苦しいぜ」
アシドはパイレーツに足払いし、その体に槍を突き刺す。
「次が来る前に仕留めましょう。何体出てくるか分からないわ」
皆はアストロの意見に賛同し、行動を開始する。
アストロは目視で船を目撃すると、炎の柱を海上に出現させる。腐っている木は湿気っており、うまく燃えてくれない。
「アストロ。炎じゃなくて雷を落としてくれ」
「命令すんな」
怒りながらも指示通り雷を落とす。さっきまでの苦労が嘘のように船が沈んだ。
アレンは今更ながら不敬を恐れた。もう遅いが。
アレンは樵の息子だが、読書が好きでよく本を読んでいた。アレンが読んだことのある歴史書には幽霊は船に運賃を支払い、乗せてもらうと記されている。もし支払えなければその人の死を悲しむ人がいないほどに悪いやつとして判断され、すぐに地獄に落とされてしまうらしい。
海に浮かぶ船を見て、ふとそんなことを思い出した。帆がびりびりになっており、板も穴だらけとなってしまった側面を見て、明らかに幽霊が乗ってそうだったからかもしれない。
「船だな」
「誰か乗ってない?」
コストイラは手で傘を作り、船を観察する。
岬に近付いた船から影が下りてくる。その影は着地するとすぐさまこちらに走り寄ってきた。その姿は明らかに敵だ。目を細めて観察を続けると、サーベルを振り上げた状態のパイレーツだった。
「襲ってくんなら殺す」
コストイラは物騒なことを言うと、刀の柄に手を添える。
パイレーツは期待を裏切らず、サーベルを振ってくる。コストイラは立ち上がりながら刀を抜き、パイレーツを斬る。
『グレアッ!』
パイレーツは左手で傷を押さえ、よろよろと前に歩きながら武器を取り落とす。
「見苦しいぜ」
アシドはパイレーツに足払いし、その体に槍を突き刺す。
「次が来る前に仕留めましょう。何体出てくるか分からないわ」
皆はアストロの意見に賛同し、行動を開始する。
アストロは目視で船を目撃すると、炎の柱を海上に出現させる。腐っている木は湿気っており、うまく燃えてくれない。
「アストロ。炎じゃなくて雷を落としてくれ」
「命令すんな」
怒りながらも指示通り雷を落とす。さっきまでの苦労が嘘のように船が沈んだ。
アレンは今更ながら不敬を恐れた。もう遅いが。
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