メグルユメ
2.砂漠の女傑達
コストイラはかつての洞窟内の戦いを思い出した。
「……ステンノ―」
砂山の上、砂を流したのはレイドの大剣でもコストイラの一撃でもなく、彼女の出現だった。ステンノ―は腰につけていた拡声の角笛を手に取ると、思い切り吹き鳴らす。
「何だ?」
「仲間を呼んだのか!?」
「ちっ、面倒ね」
アストロは魔力を発射し、笛の音を止める。しかし、もう遅い。周りを囲まれてしまった。
「ステンノーだけじゃなさそうだぞ」
コストイラが刀を揺らしながら辺りを観察する。
確かに、ステンノ―以外にももう2種いる。
1種は赤茶色の蠍、スカーレット。もう1種は初めて出会う。蟹のような甲殻に身を包み、ステンノ―のような半人半蛇の魔物、アンタレスだ。
「逃がさねェって面だな。オレ達を餌にでもする気か?」
「明らかに人数と餌の量が合ってなさそうですけど」
「それにしてもよくこんなに大勢と戦う機会が訪れるわね」
軽く現実逃避をするが、現実が変わるわけではない。
ステンノ―の一匹が斧をアレン達に向ける。
『アアアアアッ!!』
「っしゃ!行くぞこら!」
アレン達は都合三度目のモンスターパレードに挑む。
勇者。
勇気のあるもの。勇敢なもの。しばしば英雄と同一視される。
勇者は本来、勝敗に関わらず勇気のある者を指し、英雄とは別のものである。
シキは勇者だ。勇者という職を得たと言った方が良いだろう。
普段、判断を他人に任せ、言う通りに動く操り人形として生きてきた。勇者に選ばれた時、初めてといっていいほど、一人で悩んだ。
勇者とは何をすればいいのだろう。
この場において、勇者よりも勇敢な男、アレンは辺りを観察していた。モンスターパレードならばどこかに魔物が生まれている空間があってもいいはずだ。しかし、見つからない。どこだ?
この場において、勇者よりも戦闘に参加している勇敢ではなく無謀なコストイラはまたもその無謀を自ら体現していた。コストイラはシキと違い、刀の一振りで敵をまとめて斬り伏せる。
「コストイラさん!無謀すぎます。一旦引いてください」
アレンはコストイラの様子に口出しする。しかし、コストイラは吠える。
「馬鹿言え!無茶を無謀に、無謀を勇猛に変えなきゃ状況は変わんねェんだよっっ!!」
その通りだ。停滞は消耗しか生まない。魔物は減っていかない。これが、モンスターパレード。これからも戦うかもしれない戦い。アレンは息をのんだ。どうすればこれを切り抜けられる。アレンは焦りを滲ませ、辺りを見渡す。
「……ステンノ―」
砂山の上、砂を流したのはレイドの大剣でもコストイラの一撃でもなく、彼女の出現だった。ステンノ―は腰につけていた拡声の角笛を手に取ると、思い切り吹き鳴らす。
「何だ?」
「仲間を呼んだのか!?」
「ちっ、面倒ね」
アストロは魔力を発射し、笛の音を止める。しかし、もう遅い。周りを囲まれてしまった。
「ステンノーだけじゃなさそうだぞ」
コストイラが刀を揺らしながら辺りを観察する。
確かに、ステンノ―以外にももう2種いる。
1種は赤茶色の蠍、スカーレット。もう1種は初めて出会う。蟹のような甲殻に身を包み、ステンノ―のような半人半蛇の魔物、アンタレスだ。
「逃がさねェって面だな。オレ達を餌にでもする気か?」
「明らかに人数と餌の量が合ってなさそうですけど」
「それにしてもよくこんなに大勢と戦う機会が訪れるわね」
軽く現実逃避をするが、現実が変わるわけではない。
ステンノ―の一匹が斧をアレン達に向ける。
『アアアアアッ!!』
「っしゃ!行くぞこら!」
アレン達は都合三度目のモンスターパレードに挑む。
勇者。
勇気のあるもの。勇敢なもの。しばしば英雄と同一視される。
勇者は本来、勝敗に関わらず勇気のある者を指し、英雄とは別のものである。
シキは勇者だ。勇者という職を得たと言った方が良いだろう。
普段、判断を他人に任せ、言う通りに動く操り人形として生きてきた。勇者に選ばれた時、初めてといっていいほど、一人で悩んだ。
勇者とは何をすればいいのだろう。
この場において、勇者よりも勇敢な男、アレンは辺りを観察していた。モンスターパレードならばどこかに魔物が生まれている空間があってもいいはずだ。しかし、見つからない。どこだ?
この場において、勇者よりも戦闘に参加している勇敢ではなく無謀なコストイラはまたもその無謀を自ら体現していた。コストイラはシキと違い、刀の一振りで敵をまとめて斬り伏せる。
「コストイラさん!無謀すぎます。一旦引いてください」
アレンはコストイラの様子に口出しする。しかし、コストイラは吠える。
「馬鹿言え!無茶を無謀に、無謀を勇猛に変えなきゃ状況は変わんねェんだよっっ!!」
その通りだ。停滞は消耗しか生まない。魔物は減っていかない。これが、モンスターパレード。これからも戦うかもしれない戦い。アレンは息をのんだ。どうすればこれを切り抜けられる。アレンは焦りを滲ませ、辺りを見渡す。
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