メグルユメ
10.翼竜の谷
翼竜の谷。
現在アレン達が歩いている谷はそう呼ばれている。翼竜の名に違わず、この谷には翼竜が住んでいる。しかし、油断してはいけないのは住んでいるのが翼竜以外にもいるということだ。それはレッドドラゴンだ。
この2種は非常に好戦的な性格をしており、通常はこの谷は通るものがおらず、滅多に使われない。滅多な時が訪れたとき、翼竜達が嫌う臭いの袋を携えることが必須となる。それでも確実ではない。
この道を教えてくれた門番は治癒院を出たことがなく、その事情を知らなかった。アレン達は翼竜達が巣くう前の古い情報を摑まされたのだ。アレン達はこの情報を知らなかったがために戦っていた。
翼竜代表ワイバーンがファイアーボールを出したかと思えば、レッドドラゴンが突風を起こし、加速させる。長年一緒に住んでいるからか、見事なコンビプレーを発揮していた。こちらも負けじとレイドが大剣をバットのようにしてコストイラを打ち上げる。しかし、空中では踏ん張れないため威力が下がる。
ワイバーンは雄叫びを上げると、レッドドラゴンは呼応するように、未だ空中にいるコストイラに牙を剥く。コストイラは刃先をレッドドラゴンの上顎に刺し、下顎を蹴り飛ばし、素早く地上に戻る。
「あっぶねー」
「空になんて無闇に行くもんじゃないわね」
アストロは無謀を犯したコストイラに呆れながら、ドラゴン達に雷を落とす。本来であれば、火属性なので水属性の技が弱点になるので一番効くのだが、アストロの水魔術はそこまで高く撃ちあげられない。
「倒すまでに時間がかかりそうですし、走り抜けましょう」
アレンは思い切って提案する。アストロあたりから反感がありそうで少し身構えてしまう。1匹ずつ対処していてはキリがない。翼竜達も学習し始め、崖の上に止まり、こちらを窺っている。魔術が当てづらくなっている。動き出すに時間がかかる今がチャンスなのだ。
「そうしましょう」
「タイミングよく行かねェと追いつかれちまうぜ」
最も反対すると思っていた2人に肯定され、アレンは戸惑ってしまう。
「コストイラさんが道を開きながら足の遅い人達を先導してください。シキさんとアシドさんに殿をお願いしたいです。できますか?」
「出来る出来ないじゃなくて、やらせてもらうぜ」
「ん」
「任せろ」
3人は首を縦に振る。そして、コストイラは出口に向かい走り始める。後ろからエンドローゼやレイドが追い始める。コストイラが速いので、間が少しずつ空いていく。逃げていくのに気が付いたワイバーンは咆哮を上げ、ファイアーボールを放つがアシドがゴルフ打ちで石を弾き、打ち消していく。シキは迫りくるレッドドラゴンの顎を華麗に躱し、鱗と鱗の間に正確にナイフを入れ、鱗を斬り毟っていく。
先頭を走っていたコストイラが翼竜の縄張りから抜ける。それを確認すると、シキとアシドはアイコンタクトを取り、全力疾走を始める。
アストロが構えているのが見える。
その横をアシドとシキが通り過ぎるのを確認すると、アストロは水魔術を放つ。ワイバーンとレッドドラゴンは空に避難しようとするが、濁流に巻き込まれる。
「何とか撒いたか」
「今のうちに身を隠しましょう」
アレン達は用心して森の中へと入っていく。
現在アレン達が歩いている谷はそう呼ばれている。翼竜の名に違わず、この谷には翼竜が住んでいる。しかし、油断してはいけないのは住んでいるのが翼竜以外にもいるということだ。それはレッドドラゴンだ。
この2種は非常に好戦的な性格をしており、通常はこの谷は通るものがおらず、滅多に使われない。滅多な時が訪れたとき、翼竜達が嫌う臭いの袋を携えることが必須となる。それでも確実ではない。
この道を教えてくれた門番は治癒院を出たことがなく、その事情を知らなかった。アレン達は翼竜達が巣くう前の古い情報を摑まされたのだ。アレン達はこの情報を知らなかったがために戦っていた。
翼竜代表ワイバーンがファイアーボールを出したかと思えば、レッドドラゴンが突風を起こし、加速させる。長年一緒に住んでいるからか、見事なコンビプレーを発揮していた。こちらも負けじとレイドが大剣をバットのようにしてコストイラを打ち上げる。しかし、空中では踏ん張れないため威力が下がる。
ワイバーンは雄叫びを上げると、レッドドラゴンは呼応するように、未だ空中にいるコストイラに牙を剥く。コストイラは刃先をレッドドラゴンの上顎に刺し、下顎を蹴り飛ばし、素早く地上に戻る。
「あっぶねー」
「空になんて無闇に行くもんじゃないわね」
アストロは無謀を犯したコストイラに呆れながら、ドラゴン達に雷を落とす。本来であれば、火属性なので水属性の技が弱点になるので一番効くのだが、アストロの水魔術はそこまで高く撃ちあげられない。
「倒すまでに時間がかかりそうですし、走り抜けましょう」
アレンは思い切って提案する。アストロあたりから反感がありそうで少し身構えてしまう。1匹ずつ対処していてはキリがない。翼竜達も学習し始め、崖の上に止まり、こちらを窺っている。魔術が当てづらくなっている。動き出すに時間がかかる今がチャンスなのだ。
「そうしましょう」
「タイミングよく行かねェと追いつかれちまうぜ」
最も反対すると思っていた2人に肯定され、アレンは戸惑ってしまう。
「コストイラさんが道を開きながら足の遅い人達を先導してください。シキさんとアシドさんに殿をお願いしたいです。できますか?」
「出来る出来ないじゃなくて、やらせてもらうぜ」
「ん」
「任せろ」
3人は首を縦に振る。そして、コストイラは出口に向かい走り始める。後ろからエンドローゼやレイドが追い始める。コストイラが速いので、間が少しずつ空いていく。逃げていくのに気が付いたワイバーンは咆哮を上げ、ファイアーボールを放つがアシドがゴルフ打ちで石を弾き、打ち消していく。シキは迫りくるレッドドラゴンの顎を華麗に躱し、鱗と鱗の間に正確にナイフを入れ、鱗を斬り毟っていく。
先頭を走っていたコストイラが翼竜の縄張りから抜ける。それを確認すると、シキとアシドはアイコンタクトを取り、全力疾走を始める。
アストロが構えているのが見える。
その横をアシドとシキが通り過ぎるのを確認すると、アストロは水魔術を放つ。ワイバーンとレッドドラゴンは空に避難しようとするが、濁流に巻き込まれる。
「何とか撒いたか」
「今のうちに身を隠しましょう」
アレン達は用心して森の中へと入っていく。
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