メグルユメ
6.川に潜む細長き捕食者
家族との思い出はとても大事なものだ。多くの血の繋がりのない家族に恵まれたエンドローゼは、思い出を大事にしている。
しかし、その思い出がトラウマになっている。それが許せない。同じく家族との思い出にトラウマを抱えるエンドローゼは、アストロに同じ匂いを感じた。
これか? これがあるから、親しみを感じられたのか?
エンドローゼはチョロチョロとアストロに近づいた。アストロは何も言わずにエンドローゼの頭を撫でた。
雰囲気が良すぎる。
しょうもない感想かもしれないが、かなり重要なことだ。そう、アシドにとっては、だ。
アシドはアストロが好きだ。だが、このままではアストロが女好きになってしまうのではないか? と、かなり本気で考えている。
何とかして引き剥がせないものか。
本気で頭を悩ませる。
というか、コストイラは焦っていないのか? アストロが取られそうになっているんだぞ!?
どうも、コストイラです。アシドにもの凄い気迫で睨まれています。殴っていいですか?
さて、冗談はさておいて、川の中に何かいる。勘に頼るならば、相手は一匹。ただし、かなり巨大だ。水中にいることも加味すれば、一人では無理だろう。
ちらりとシキを見る。
シキはこちらの視線に気づき、コストイラに目線を送る。殺る? と聞いてきている。殺意が高すぎる。
この状態のシキが勇者と分かる者はどれほどいるのだろう。もはや蛮族の方が近いのではないだろうか。
シキがビハインドパスで爆弾を投げてくる。注意しながら受け取ると、流れるように川に投げ入れた。
後ろで見ていたアレンが、それが何か聞こうとすると、直後、川が爆発した。
まさか、白瓏石か?
疑問をぶつける直前、川面が割れた。今度は爆弾ではなく、魔物が水面から顔を出したのだ。
頭部に備わる突起や顎先から水が流れ落ちる。
アレンが眉根を寄せる。このギガントイール、水と一緒に血を流していないか?
「やっぱ一つじゃ足りなかったかぁ」
「新しいもの作ってない」
「ま、じゃあ、そこは直接」
「いや、説明しろよ」
コストイラとシキが独自の世界に入っていた。仲間外れにされていたアシドがツッコミを入れた。
「ギガントイールがいたから」
「爆発させた」
「あぁ、成る程?」
アシドは分かっていないが、分かったような反応を示す。
まったくこちら側を見ていないため、巨大鰻が動き出した。水も唾も血も撒き散らしながら食いつこうとしてくる。
「うわ!」
アレンが驚いて声を出す。
獣は基本的には縄張りを守るときか、食事をするときくらいしか相手を襲わない。そして、知恵があっても理性のないものが獣だ。簡単に腹を満たすには弱いやつを狙うのが効率いい。
ギガントイールがアレンを狙う。弱いやつを選んだ結果だ。しかし、アレンは総合的に見れば弱いわけではない。あの白銀の悪魔が憑いているのだ。強いわけではないが、弱いわけでもない。
アレンの前にシキが現れた。腰が抜けそうになっているアレンを逃がすより、ここで倒す方が早い。
ナイフを抜いてギガントイールの顔を真正面から切り刻む。それでも押されそうになり、ギガントイールの横面を蹴り上げた。
口内が爆発し、首が千切れかける。首半ばからも血が噴き出てくる。目が虚ろになっている。しかし、まだ生きている。
陸に上がった状態で、それでも誰かを殺そうとする。しかし、横から邪魔が入る。
コストイラのサッカーボールキックは、ギガントイールの首をすべて持っていった。その血は向かいにいるシキとアレンにかかった。
しかし、その思い出がトラウマになっている。それが許せない。同じく家族との思い出にトラウマを抱えるエンドローゼは、アストロに同じ匂いを感じた。
これか? これがあるから、親しみを感じられたのか?
エンドローゼはチョロチョロとアストロに近づいた。アストロは何も言わずにエンドローゼの頭を撫でた。
雰囲気が良すぎる。
しょうもない感想かもしれないが、かなり重要なことだ。そう、アシドにとっては、だ。
アシドはアストロが好きだ。だが、このままではアストロが女好きになってしまうのではないか? と、かなり本気で考えている。
何とかして引き剥がせないものか。
本気で頭を悩ませる。
というか、コストイラは焦っていないのか? アストロが取られそうになっているんだぞ!?
どうも、コストイラです。アシドにもの凄い気迫で睨まれています。殴っていいですか?
さて、冗談はさておいて、川の中に何かいる。勘に頼るならば、相手は一匹。ただし、かなり巨大だ。水中にいることも加味すれば、一人では無理だろう。
ちらりとシキを見る。
シキはこちらの視線に気づき、コストイラに目線を送る。殺る? と聞いてきている。殺意が高すぎる。
この状態のシキが勇者と分かる者はどれほどいるのだろう。もはや蛮族の方が近いのではないだろうか。
シキがビハインドパスで爆弾を投げてくる。注意しながら受け取ると、流れるように川に投げ入れた。
後ろで見ていたアレンが、それが何か聞こうとすると、直後、川が爆発した。
まさか、白瓏石か?
疑問をぶつける直前、川面が割れた。今度は爆弾ではなく、魔物が水面から顔を出したのだ。
頭部に備わる突起や顎先から水が流れ落ちる。
アレンが眉根を寄せる。このギガントイール、水と一緒に血を流していないか?
「やっぱ一つじゃ足りなかったかぁ」
「新しいもの作ってない」
「ま、じゃあ、そこは直接」
「いや、説明しろよ」
コストイラとシキが独自の世界に入っていた。仲間外れにされていたアシドがツッコミを入れた。
「ギガントイールがいたから」
「爆発させた」
「あぁ、成る程?」
アシドは分かっていないが、分かったような反応を示す。
まったくこちら側を見ていないため、巨大鰻が動き出した。水も唾も血も撒き散らしながら食いつこうとしてくる。
「うわ!」
アレンが驚いて声を出す。
獣は基本的には縄張りを守るときか、食事をするときくらいしか相手を襲わない。そして、知恵があっても理性のないものが獣だ。簡単に腹を満たすには弱いやつを狙うのが効率いい。
ギガントイールがアレンを狙う。弱いやつを選んだ結果だ。しかし、アレンは総合的に見れば弱いわけではない。あの白銀の悪魔が憑いているのだ。強いわけではないが、弱いわけでもない。
アレンの前にシキが現れた。腰が抜けそうになっているアレンを逃がすより、ここで倒す方が早い。
ナイフを抜いてギガントイールの顔を真正面から切り刻む。それでも押されそうになり、ギガントイールの横面を蹴り上げた。
口内が爆発し、首が千切れかける。首半ばからも血が噴き出てくる。目が虚ろになっている。しかし、まだ生きている。
陸に上がった状態で、それでも誰かを殺そうとする。しかし、横から邪魔が入る。
コストイラのサッカーボールキックは、ギガントイールの首をすべて持っていった。その血は向かいにいるシキとアレンにかかった。
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