メグルユメ
20.応龍の門
空に浮かぶ島の上には、こじんまりとした建物と立派な門があった。門と言っても鳥居のような形をしている。神明鳥居のような形に角が生えている。
こじんまりとした建物は神を祀るものではなく、そこで神事を行う者が住まう場所ということだろう。
祀るものはおそらく自然だ。
こじんまりとした建物から、大柄な魔物が現れた。神事を行う巫女というよりは吉兆占う祈禱師の方に見える。
魔物の動きが首を出したところで止まった。何かの罠であることを危惧して、観察する。ぐっぐっと力を込めているようだが、動かない。
最初は何かの準備かと思ったが、どうやらそうではないらしい。ただ単純に引っかかって出ることができないようだ。
何度か筋肉の緊張と脱力を繰り返し、脱出を試みるがすべて失敗に終わる。苛立ち始めたのか、壁をガンガン殴り出した。
ドゴンという音ともに、壁が崩れた。
リッチがキョトンとする。勇者一行もキョトンとしている。
数秒後、脱出することに気付いたリッチは、無理矢理体を壁にぶつけて脱出した。
リッチは拳を握り、空に突き出した。脱出できたことがそんなに嬉しかったのだろうか。
申し訳ないが、早めに倒してしまおう。
コストイラが刀の柄の方でリッチの顎を殴る。少し顎を砕かれながら、リッチの頭が上を向く。
その瞬間、狙っていたかのように真上から踵が落ちてきた。踵は易々と顔の骨を砕く。顔が砕かれることで、威力の大半を逃がしたが、それでも逃がし切れなかったものが、首や背骨にかかる。
首は壊れ、背骨は連鎖的に破裂していった。この状態の骨が形を保てるはずがなく、一気に地面に叩きつけられた。
コストイラは残されていた足の骨を粉砕しながら、刀を腰に戻した。
シキは着地点に骨があるのを気にせず砕いた。
「早いですね」
「とっとと倒した方が楽だろ」
「まぁ、確かにですね」
「で、でも、なにか、ば、罰当たりな気が」
「罰とか今更じゃね?」
アレンとエンドローゼの不安をコストイラが一蹴した。ド単純なアレンは納得したが、賢いエンドローゼは納得できなかった。少女にはアレンの見えていない未来が見えているのかもしれない。
それを肯定するかのように、下から龍が現れた。
紫の体に黄色の斑点が刻まれた長体の龍。黄龍は勇者一行を睥睨しながら旋回する。この行動の理由は値踏みだろう。どこから倒せばいいのかを考える。
黄龍が真っ先に目を付けたのはアレンだった。実際その判断は正しい。弱い者から倒すという戦い方をするのであれば、だ。
この戦い方が効力を発揮するのは、全員が絶妙なバランスで保っているパーティや数の暴力にものを言わせている相手だ。勇者パーティはどちらにも当てはまらない。
アレンの前にレイドが立ち、楯を構えた。黄龍はそれごとぶち破ろうと突進する。
レイドの前にシキが出た。空手のような構えをとっている。無意識の中での行動だ。
黄龍が構わず突っ込んだ。シキは正拳突きのように頭を殴った。
こじんまりとした建物は神を祀るものではなく、そこで神事を行う者が住まう場所ということだろう。
祀るものはおそらく自然だ。
こじんまりとした建物から、大柄な魔物が現れた。神事を行う巫女というよりは吉兆占う祈禱師の方に見える。
魔物の動きが首を出したところで止まった。何かの罠であることを危惧して、観察する。ぐっぐっと力を込めているようだが、動かない。
最初は何かの準備かと思ったが、どうやらそうではないらしい。ただ単純に引っかかって出ることができないようだ。
何度か筋肉の緊張と脱力を繰り返し、脱出を試みるがすべて失敗に終わる。苛立ち始めたのか、壁をガンガン殴り出した。
ドゴンという音ともに、壁が崩れた。
リッチがキョトンとする。勇者一行もキョトンとしている。
数秒後、脱出することに気付いたリッチは、無理矢理体を壁にぶつけて脱出した。
リッチは拳を握り、空に突き出した。脱出できたことがそんなに嬉しかったのだろうか。
申し訳ないが、早めに倒してしまおう。
コストイラが刀の柄の方でリッチの顎を殴る。少し顎を砕かれながら、リッチの頭が上を向く。
その瞬間、狙っていたかのように真上から踵が落ちてきた。踵は易々と顔の骨を砕く。顔が砕かれることで、威力の大半を逃がしたが、それでも逃がし切れなかったものが、首や背骨にかかる。
首は壊れ、背骨は連鎖的に破裂していった。この状態の骨が形を保てるはずがなく、一気に地面に叩きつけられた。
コストイラは残されていた足の骨を粉砕しながら、刀を腰に戻した。
シキは着地点に骨があるのを気にせず砕いた。
「早いですね」
「とっとと倒した方が楽だろ」
「まぁ、確かにですね」
「で、でも、なにか、ば、罰当たりな気が」
「罰とか今更じゃね?」
アレンとエンドローゼの不安をコストイラが一蹴した。ド単純なアレンは納得したが、賢いエンドローゼは納得できなかった。少女にはアレンの見えていない未来が見えているのかもしれない。
それを肯定するかのように、下から龍が現れた。
紫の体に黄色の斑点が刻まれた長体の龍。黄龍は勇者一行を睥睨しながら旋回する。この行動の理由は値踏みだろう。どこから倒せばいいのかを考える。
黄龍が真っ先に目を付けたのはアレンだった。実際その判断は正しい。弱い者から倒すという戦い方をするのであれば、だ。
この戦い方が効力を発揮するのは、全員が絶妙なバランスで保っているパーティや数の暴力にものを言わせている相手だ。勇者パーティはどちらにも当てはまらない。
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黄龍が構わず突っ込んだ。シキは正拳突きのように頭を殴った。
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