メグルユメ
8.星への黄道
塔の最上階に難なく辿り着いた。塔には魔物も罠もなく、ただの道だったということだ。
「雲の上に直接立つなんてな」
「これ、雲が膝まで浮いているだけで、空に地面があるわ」
コストイラが上機嫌に鼻歌でも歌いそうなテンションで伸びをする。そこにアストロが思い切り水をぶっかけた。アストロは片手で地面に触れている。
コストイラは悲しそうな眼をしながらアストロを見た。
「そんなこと言わなくてもいいじゃねェか」
「いや、知っといた方がいいかなって」
「まぁ、いいか」
コストイラがすんなりと納得した。会話に全く入っていけない。いつも幼馴染の間で完結している。
アレンがどうしようか考えていると、前からボサボサの髪をしている男が歩いてきた。
淡青でボサボサの髪の下には両目が隠れており、右目の上から頬にかけて獣の爪の痕が見える。右目は真っ黒になっていて、その陰影さえ見えない。鼻の下は布が巻かれて隠れている。髪と合わさって見えるところが少ない。
「7人。お前等は仲間同士か?」
「ん? あぁ、そうだぜ」
「よくここまで無事で来れたな。いや、最初はもっといたのか?」
どこか羨むような、憐れむような目線が気になる。もしやこの地で仲間を失ったのか?
「最初から7人です。無事に来られたのは、皆さんの実力と、そうですね。運にも助けられましたね」
「実力と運、か」
男が目を瞑り、上を見た。やはり何かあったのだろう。男の左目から涙が零れた。
「俺の仲間達には実力があった。単騎で竜と対峙できる実力が、な。それでも負けた。俺達に足りなかったのは、運か」
「それでも、アンタはここにいる。運もそれなりにあったんじゃねェのか」
コストイラが慰めるように言うと、男はボサボサの髪を掻いた。
「確かにここまで生きていけたことは奇跡的な運なのかもしれねェけど、その運だけじゃ、格上の実力者には勝てねェ。この先にいる奴は倒せねェ」
悔いるように涙を流し、コストイラを睨む。コストイラは自分に関係がないので、痛くも痒くもない。
「四方のやつはそろそろ復活する。状況から見て、お前等が有資格者であることが分かるだろう。だが」
最後の”だが”に力が籠っている。何とも言えない強者のオーラだ。
レベル120を超えてなお、レベルアップのような成長を続けているコストイラには分かる。相手もレベル120越えだ。
「お前等に本当に資格があるのかどうかは別だ。
男が剣を抜いた。
「俺の仲間は死んだのに、お前等の仲間が死んでいないのはおかしい。俺が殺してやる!」
アレンはこの男が狂ったと思った。しかし、コストイラは正常だと判断した。
見惚れるほど綺麗な剣の軌道に、刀を挟む。完全防御かと思ったが、地面に踏み耐えた跡が残った。男は剣を振り抜いた。
アシドが最高速で槍を突き出した。速さはアシドが勝っていたが、追い付けない程ではない。気付いてから動いても、最短距離で動かせば間に合う。
鍔迫り合う気など一切ない。男は相手の威力を殺し、一気に押し込んでいった。一度地面から足が離れれば、そこから止まることなどできない。
剣を振るうと、アシドの体はぶっ飛ばされた。
「じわじわと嬲り殺しでッ!?」
大剣を片手で振り回す狂人の腹を、シキは軽く蹴飛ばした。
「雲の上に直接立つなんてな」
「これ、雲が膝まで浮いているだけで、空に地面があるわ」
コストイラが上機嫌に鼻歌でも歌いそうなテンションで伸びをする。そこにアストロが思い切り水をぶっかけた。アストロは片手で地面に触れている。
コストイラは悲しそうな眼をしながらアストロを見た。
「そんなこと言わなくてもいいじゃねェか」
「いや、知っといた方がいいかなって」
「まぁ、いいか」
コストイラがすんなりと納得した。会話に全く入っていけない。いつも幼馴染の間で完結している。
アレンがどうしようか考えていると、前からボサボサの髪をしている男が歩いてきた。
淡青でボサボサの髪の下には両目が隠れており、右目の上から頬にかけて獣の爪の痕が見える。右目は真っ黒になっていて、その陰影さえ見えない。鼻の下は布が巻かれて隠れている。髪と合わさって見えるところが少ない。
「7人。お前等は仲間同士か?」
「ん? あぁ、そうだぜ」
「よくここまで無事で来れたな。いや、最初はもっといたのか?」
どこか羨むような、憐れむような目線が気になる。もしやこの地で仲間を失ったのか?
「最初から7人です。無事に来られたのは、皆さんの実力と、そうですね。運にも助けられましたね」
「実力と運、か」
男が目を瞑り、上を見た。やはり何かあったのだろう。男の左目から涙が零れた。
「俺の仲間達には実力があった。単騎で竜と対峙できる実力が、な。それでも負けた。俺達に足りなかったのは、運か」
「それでも、アンタはここにいる。運もそれなりにあったんじゃねェのか」
コストイラが慰めるように言うと、男はボサボサの髪を掻いた。
「確かにここまで生きていけたことは奇跡的な運なのかもしれねェけど、その運だけじゃ、格上の実力者には勝てねェ。この先にいる奴は倒せねェ」
悔いるように涙を流し、コストイラを睨む。コストイラは自分に関係がないので、痛くも痒くもない。
「四方のやつはそろそろ復活する。状況から見て、お前等が有資格者であることが分かるだろう。だが」
最後の”だが”に力が籠っている。何とも言えない強者のオーラだ。
レベル120を超えてなお、レベルアップのような成長を続けているコストイラには分かる。相手もレベル120越えだ。
「お前等に本当に資格があるのかどうかは別だ。
男が剣を抜いた。
「俺の仲間は死んだのに、お前等の仲間が死んでいないのはおかしい。俺が殺してやる!」
アレンはこの男が狂ったと思った。しかし、コストイラは正常だと判断した。
見惚れるほど綺麗な剣の軌道に、刀を挟む。完全防御かと思ったが、地面に踏み耐えた跡が残った。男は剣を振り抜いた。
アシドが最高速で槍を突き出した。速さはアシドが勝っていたが、追い付けない程ではない。気付いてから動いても、最短距離で動かせば間に合う。
鍔迫り合う気など一切ない。男は相手の威力を殺し、一気に押し込んでいった。一度地面から足が離れれば、そこから止まることなどできない。
剣を振るうと、アシドの体はぶっ飛ばされた。
「じわじわと嬲り殺しでッ!?」
大剣を片手で振り回す狂人の腹を、シキは軽く蹴飛ばした。
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