メグルユメ
14.自然を失い
この日、突然に、それまでの当たり前を失った。その衝撃は計り知れない、
アストロの左腕はもう戻らない。それは確定している事実であり、変えられない未来だ。
アストロの腕は失った左腕だけで約4.5㎏はある。つまり、今のアストロは左側の4.5㎏を失ったことで、右側に4.5㎏分傾いてしまっているのだ。
「急がなきゃいけないのに、うまく歩けないわね」
ひょこひょこと変な歩き方になってしまっている。
「慣れるしかないなぁ」
コストイラがアストロの歩き方を見ながら感想を述べる。特殊な道ではないところが感謝すべきところか。
道の脇にはいくつかの岩石が置かれている。その岩には他の金属が見え隠れてしていた。アレンはいくつか持ち帰りたくなったが、時間がかかりそうなのでやめておくことにする。
ベキベキと木が倒れていく。現れた魔物は月の洞窟内に存在していた人馬。右手には禍々しい色をした大きな斧、左手には同じく禍々しい色と模様をした楯がある。馬の体には馬の体用の鎧を身に着けている。
『ブルルァ!』
人馬が斧を振り回しながら啼き声を出す。人馬の斧は軽々と木々を切り倒し、鉱石を破壊した。コロコロと虹色や紅色の鉱石が、飛び出してきた。後で回収しておきたい。
ケンタロスが前の両足を振り上げ、回転させて興奮を示す。両足を地面に叩きつけ、罅を作りながらダッシュし始めた。
爆弾魔の被害は終わらない。
8回目の被害はこれまでのものとは比べ物にならないほど、凶悪なものとなっていた。
被害を受けた男は右手の指を4本も失った。体の調子は戻ったが、心に負ったトラウマは未だに癒えない。
そのため、男は宅配が怖くなった。
しかも、男は道具を作ることを生業にしていた。指を4本も失ってしまったため、もう仕事はできない。流れるような速さで職を追われてしまった。
監督という立場を打診されたが、指を失った状態での指導が思い浮かばず、断ってしまった。
9回目の爆弾は木の箱ではなくなっていた。素材は風緑石になっていた。内部で起きた爆発の威力が増幅するような仕組みになっている。
より化学的で、より凶悪で、より被害は大きくなった。
左腕はなくなり、顔の皮膚が癒着してしまっていた。
10回目の爆弾は威力が高まり、受けた女は寝たきり状態になってしまった。
植物状態になった女は脳の神経を傷つけたのか、体が動かなくなってしまい、何もなくても涙が出るようになってしまった。
11回目の爆弾では初めてのことが起きた。箱の中に釘が入っており、その釘が心臓に刺さったのだ。初めて死者が出た。むしろ、今まで死者が出なかったことの方が奇跡だ。
警邏の1人が情報を纏めていく。おそらく犯人は単独犯だ。材料や作り方からして一人。それに、かなりの知識を有している。学者が舌を巻くほどの爆弾だ。
毎回進化している爆弾に、眉を顰める。
やはり、どこかで見ているのか?
アストロの左腕はもう戻らない。それは確定している事実であり、変えられない未来だ。
アストロの腕は失った左腕だけで約4.5㎏はある。つまり、今のアストロは左側の4.5㎏を失ったことで、右側に4.5㎏分傾いてしまっているのだ。
「急がなきゃいけないのに、うまく歩けないわね」
ひょこひょこと変な歩き方になってしまっている。
「慣れるしかないなぁ」
コストイラがアストロの歩き方を見ながら感想を述べる。特殊な道ではないところが感謝すべきところか。
道の脇にはいくつかの岩石が置かれている。その岩には他の金属が見え隠れてしていた。アレンはいくつか持ち帰りたくなったが、時間がかかりそうなのでやめておくことにする。
ベキベキと木が倒れていく。現れた魔物は月の洞窟内に存在していた人馬。右手には禍々しい色をした大きな斧、左手には同じく禍々しい色と模様をした楯がある。馬の体には馬の体用の鎧を身に着けている。
『ブルルァ!』
人馬が斧を振り回しながら啼き声を出す。人馬の斧は軽々と木々を切り倒し、鉱石を破壊した。コロコロと虹色や紅色の鉱石が、飛び出してきた。後で回収しておきたい。
ケンタロスが前の両足を振り上げ、回転させて興奮を示す。両足を地面に叩きつけ、罅を作りながらダッシュし始めた。
爆弾魔の被害は終わらない。
8回目の被害はこれまでのものとは比べ物にならないほど、凶悪なものとなっていた。
被害を受けた男は右手の指を4本も失った。体の調子は戻ったが、心に負ったトラウマは未だに癒えない。
そのため、男は宅配が怖くなった。
しかも、男は道具を作ることを生業にしていた。指を4本も失ってしまったため、もう仕事はできない。流れるような速さで職を追われてしまった。
監督という立場を打診されたが、指を失った状態での指導が思い浮かばず、断ってしまった。
9回目の爆弾は木の箱ではなくなっていた。素材は風緑石になっていた。内部で起きた爆発の威力が増幅するような仕組みになっている。
より化学的で、より凶悪で、より被害は大きくなった。
左腕はなくなり、顔の皮膚が癒着してしまっていた。
10回目の爆弾は威力が高まり、受けた女は寝たきり状態になってしまった。
植物状態になった女は脳の神経を傷つけたのか、体が動かなくなってしまい、何もなくても涙が出るようになってしまった。
11回目の爆弾では初めてのことが起きた。箱の中に釘が入っており、その釘が心臓に刺さったのだ。初めて死者が出た。むしろ、今まで死者が出なかったことの方が奇跡だ。
警邏の1人が情報を纏めていく。おそらく犯人は単独犯だ。材料や作り方からして一人。それに、かなりの知識を有している。学者が舌を巻くほどの爆弾だ。
毎回進化している爆弾に、眉を顰める。
やはり、どこかで見ているのか?
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