メグルユメ
18.役目を持つ戦姫
コストイラ達は勘違いしていた。
コストイラ達はヴァルキリーが斬るのは端だと思っていた。しかし、それなら時間稼ぎをする意味がない。
だからこそアストロが気付いた。
ヴァルキリーは援軍を呼ばせた。つまり、ここで倒す気であるということだ。空を飛べるのならまだしも、橋がなければヘブンズソードなどの飛べない種はこちらに来れない。
それはヴァルキリーの持つ役目だ。
だからこそ、崖の側を選んだ。
崖から離れるのを許さない。橋の方に行けと言う意志を感じる。
「このまま渡るぞ」
走ったままアシドが橋を渡り始める。
この橋は吊り橋だ。めちゃくちゃぐらぐら揺れ始めた。高所恐怖症な2人が橋に乗るのを躊躇している。
レイドがエンドローゼを脇に抱え、アレンはシキに抱えられた。エンドローゼをアレンも恐怖から抱き着く力を強めた。
レイドは守るように背を丸める。シキは膝の力が抜け、崩れそうになった。恐怖で更に抱き着く。
シキはさっさと手放すために、大きく跳んだ。ヴァルキリーはそこを狙って剣を振るう。
シキが咄嗟にナイフを抜く。どっちの魔剣か分からないが、魔力を流して振るった。
剣とナイフが交わる。剣の威力によって、橋の向こう側にまで辿り着いた。
ヴァルキリーの両腕に斬撃が伝播する。
『ぐ!?』
その隙にコストイラとアシドが渡り切る。
ヴァルキリーは血が出るのも厭わず、剣を振るう。今度こそ狙いは橋だ。
吊り橋の片側がなくなり、一気に落ちていく。アストロとレイドが縄を掴む。少し下に落ちていき、手の皮が剥けた。
アシドが何とか手を伸ばし、アストロの手首を掴む。アストロを引き上げることに成功したが、レイドにまで手が届かない。
ヴァルキリーが血の吹き出す腕を無視して、レイドを狙って剣を振るう。レイドの左手は縄、右手にはエンドローゼ。ヴァルキリーの一撃を防ぐ手立てはない。
上からシキが降ってきた。強烈な踵落としが繰り出される。速度的にヴァルキリーはもう避けられない。
剣で防ごうとするが、剣が砕けた。その勢いを利用して上へ向かっていく。そのままレイドをキャッチして、崖を上る。
ヴァルキリーが剣を手放した。もう腕がボロボロでかつ剣も粉々だ。
しかし、援軍が来ていない。まだ時間稼ぎが必要だ。
純白の翼をはばたかせ、空へと舞い戻る。純白の翼に光を纏わせて、勇者一行に向かう。
ヴァルキリーは前転して足を向けると、そのままドリルのように回転し始めた。
慌てて散り散りになって躱す。
ヴァルキリーが地面を抉りながら着地し、血だらけの腕を振り回す。自身の腕にかなりの負荷をかけながら振り回すが、勇者一行には当たらず、木を薙ぎ倒す程度にとどまった。
誰も挑んでこないのは有り難い。それだけ時間が稼げているということだからだ。しかし、気を付けなければいけないのは、仕留めきれずに逃がしてしまうことだ。
『ビーディアム様!』
援軍がやってきた。”世話焼き”最高戦力のアダマンタイト部隊だ。
ヴァルキリーは幾何かの安堵を得た。それは警戒を怠ることに繋がった。
上からレイドが落ちてきていることに気付かなかった。処刑場の断頭台のように、刃が振り下ろされた。
コストイラ達はヴァルキリーが斬るのは端だと思っていた。しかし、それなら時間稼ぎをする意味がない。
だからこそアストロが気付いた。
ヴァルキリーは援軍を呼ばせた。つまり、ここで倒す気であるということだ。空を飛べるのならまだしも、橋がなければヘブンズソードなどの飛べない種はこちらに来れない。
それはヴァルキリーの持つ役目だ。
だからこそ、崖の側を選んだ。
崖から離れるのを許さない。橋の方に行けと言う意志を感じる。
「このまま渡るぞ」
走ったままアシドが橋を渡り始める。
この橋は吊り橋だ。めちゃくちゃぐらぐら揺れ始めた。高所恐怖症な2人が橋に乗るのを躊躇している。
レイドがエンドローゼを脇に抱え、アレンはシキに抱えられた。エンドローゼをアレンも恐怖から抱き着く力を強めた。
レイドは守るように背を丸める。シキは膝の力が抜け、崩れそうになった。恐怖で更に抱き着く。
シキはさっさと手放すために、大きく跳んだ。ヴァルキリーはそこを狙って剣を振るう。
シキが咄嗟にナイフを抜く。どっちの魔剣か分からないが、魔力を流して振るった。
剣とナイフが交わる。剣の威力によって、橋の向こう側にまで辿り着いた。
ヴァルキリーの両腕に斬撃が伝播する。
『ぐ!?』
その隙にコストイラとアシドが渡り切る。
ヴァルキリーは血が出るのも厭わず、剣を振るう。今度こそ狙いは橋だ。
吊り橋の片側がなくなり、一気に落ちていく。アストロとレイドが縄を掴む。少し下に落ちていき、手の皮が剥けた。
アシドが何とか手を伸ばし、アストロの手首を掴む。アストロを引き上げることに成功したが、レイドにまで手が届かない。
ヴァルキリーが血の吹き出す腕を無視して、レイドを狙って剣を振るう。レイドの左手は縄、右手にはエンドローゼ。ヴァルキリーの一撃を防ぐ手立てはない。
上からシキが降ってきた。強烈な踵落としが繰り出される。速度的にヴァルキリーはもう避けられない。
剣で防ごうとするが、剣が砕けた。その勢いを利用して上へ向かっていく。そのままレイドをキャッチして、崖を上る。
ヴァルキリーが剣を手放した。もう腕がボロボロでかつ剣も粉々だ。
しかし、援軍が来ていない。まだ時間稼ぎが必要だ。
純白の翼をはばたかせ、空へと舞い戻る。純白の翼に光を纏わせて、勇者一行に向かう。
ヴァルキリーは前転して足を向けると、そのままドリルのように回転し始めた。
慌てて散り散りになって躱す。
ヴァルキリーが地面を抉りながら着地し、血だらけの腕を振り回す。自身の腕にかなりの負荷をかけながら振り回すが、勇者一行には当たらず、木を薙ぎ倒す程度にとどまった。
誰も挑んでこないのは有り難い。それだけ時間が稼げているということだからだ。しかし、気を付けなければいけないのは、仕留めきれずに逃がしてしまうことだ。
『ビーディアム様!』
援軍がやってきた。”世話焼き”最高戦力のアダマンタイト部隊だ。
ヴァルキリーは幾何かの安堵を得た。それは警戒を怠ることに繋がった。
上からレイドが落ちてきていることに気付かなかった。処刑場の断頭台のように、刃が振り下ろされた。
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