メグルユメ
2.荒野の猛竜
目を覚ますと、見たことのない風景だ。
黄や茶、赤茶色の砂で溢れた荒野。砂漠かと思ったが、雑草がかなり生えている。
砂漠に行ったことがあるが、そこよりは息がしやすい。
「アレン、起きたか」
コストイラがアレンの側で、ポケットに手を突っ込んだ状態で立っていた。アレンは片手を頭に添えて、少し振った。
「ここはどこですか?」
「さぁな。オレ達も分からない」
アシド達は遠くを見ているが、何かが見えているわけではない。
「さっきのドラゴンは何だったのでしょう」
「さぁなぁ。オレも分かんねぇよ。ま、分かんねぇことをいつまでも考えても仕方がねェ。それより、歩こうぜ。ここにいても何にも始まんねぇ」
「そうですね」
アレンが立ち上がり、砂を払う。
「何かあったか?」
コストイラが聞くと、アシドが首を振った。
「何もねェ。何かあるとしたら、オレの側じゃなくて、アストロの方だな」
アシドが反対側で何かを探すアストロの方を顎で指した。
アストロは汗を拭きながら岩に腰を下ろしている。その岩に背を凭れさせて、エンドローゼが休んでいる。
「アストロ、何かあったか?」
「水場」
アストロはぶっきらぼうに後ろを指した。コストイラが手で笠を作りながら、水場を探す。
「あそこで休みたいけど、魔物が寄ってきそうだよな」
「水飲み場として活用していそうよね。わかるわかる」
「むしろ、何か水棲生物の縄張り」
「「あ~~」」
レイドの一言に2人が納得した。ありそう。
「ま、どっちにしろ行くんだけどね」
「水欲しいしね」
今の茶番は何だったのか。ニヤニヤしながら歩き出すコストイラとアストロの後を追う。
砂で足が取られると思ったが、案外砂地ではなかったようだ。しっかりと土の地面が下にあった。歩きやすくて助かる。
「下」
次の1歩を踏み出そうとした時、シキが襟を引いてきた。一瞬息が詰まり、咳き込みそうになる。
目の前で地割れが起きた。
地の下からグレートドラゴンが現れた。衝撃で足を滑らせて転んでしまう。
グレートドラゴンの体が崩壊した足場に乗っかるはずもなく、このまま地下に消える。何だったのか、とか、バカジャネーノ、とか思いたかった。
しかし、足場の崩落は伝播する。それは砂の城が崩れるような崩落ではなかった。棒アイスが熱で溶け、地面に落ちるような崩落だった。
シキやコストイラ、アシドならば崩落の外に脱出できただろう。
しかし、エンドローゼもアレンもそんなことできない。今からでも担いでもらえればいいのだが、エンドローゼはすでに落ちてしまっている。
シキは持っていたアレンを置き去りに、斜めになる地面を蹴った。シキから動くのは珍しい、シキはエンドローゼを捕まえると、そのまま下に落ちていった。
追うか追わないかを考える前に、アレンの体は下に落ちていた。
「しゃ~ねぇ~な、追うぞ」
コストイラがアストロを背負い、下に落ちていった。追従するようにアシド、レイドも落ちていく。
着地した直後、シキはすぐさまエンドローゼを下ろす。
「あ、あう~~。ご、ご、ごめんなさい」
「構わない。それより、魔物」
「は、はい」
泣きそうな顔を決意の顔に変化させ、魔物と対峙した。
ここで注意しなければならないことがある。目の前にグレートドラゴンのレベルが100なのに対して、シキはレベル120を超えている。水晶に表示される限界が120なだけで、もちろん、それより上がある。シキはすでに伝説の領域に足を踏み入れている。
レベル1個の開きは、レベルが高ければ高いほど広くなる。レベル1つ上げるのに必要な経験値が大きくなっていくからだ。レベル1から2に上がるときに1の経験値が必要とするならば、レベル9から10に上がるときには256の経験値が必要になる。
つまり、レベルが20も離れていると、経験値の量も段違いなのだ。
高速でグレートドラゴンの懐に入り込むと、移動よりも速いスピードでナイフを振った。
グレートドラゴンの首下を切り、ドバドバと血液が降ってきた。シキは血に触れる前に離脱した。
あれ? 私、これいる?
エンドローゼは、そんな感想を得たのだった。
黄や茶、赤茶色の砂で溢れた荒野。砂漠かと思ったが、雑草がかなり生えている。
砂漠に行ったことがあるが、そこよりは息がしやすい。
「アレン、起きたか」
コストイラがアレンの側で、ポケットに手を突っ込んだ状態で立っていた。アレンは片手を頭に添えて、少し振った。
「ここはどこですか?」
「さぁな。オレ達も分からない」
アシド達は遠くを見ているが、何かが見えているわけではない。
「さっきのドラゴンは何だったのでしょう」
「さぁなぁ。オレも分かんねぇよ。ま、分かんねぇことをいつまでも考えても仕方がねェ。それより、歩こうぜ。ここにいても何にも始まんねぇ」
「そうですね」
アレンが立ち上がり、砂を払う。
「何かあったか?」
コストイラが聞くと、アシドが首を振った。
「何もねェ。何かあるとしたら、オレの側じゃなくて、アストロの方だな」
アシドが反対側で何かを探すアストロの方を顎で指した。
アストロは汗を拭きながら岩に腰を下ろしている。その岩に背を凭れさせて、エンドローゼが休んでいる。
「アストロ、何かあったか?」
「水場」
アストロはぶっきらぼうに後ろを指した。コストイラが手で笠を作りながら、水場を探す。
「あそこで休みたいけど、魔物が寄ってきそうだよな」
「水飲み場として活用していそうよね。わかるわかる」
「むしろ、何か水棲生物の縄張り」
「「あ~~」」
レイドの一言に2人が納得した。ありそう。
「ま、どっちにしろ行くんだけどね」
「水欲しいしね」
今の茶番は何だったのか。ニヤニヤしながら歩き出すコストイラとアストロの後を追う。
砂で足が取られると思ったが、案外砂地ではなかったようだ。しっかりと土の地面が下にあった。歩きやすくて助かる。
「下」
次の1歩を踏み出そうとした時、シキが襟を引いてきた。一瞬息が詰まり、咳き込みそうになる。
目の前で地割れが起きた。
地の下からグレートドラゴンが現れた。衝撃で足を滑らせて転んでしまう。
グレートドラゴンの体が崩壊した足場に乗っかるはずもなく、このまま地下に消える。何だったのか、とか、バカジャネーノ、とか思いたかった。
しかし、足場の崩落は伝播する。それは砂の城が崩れるような崩落ではなかった。棒アイスが熱で溶け、地面に落ちるような崩落だった。
シキやコストイラ、アシドならば崩落の外に脱出できただろう。
しかし、エンドローゼもアレンもそんなことできない。今からでも担いでもらえればいいのだが、エンドローゼはすでに落ちてしまっている。
シキは持っていたアレンを置き去りに、斜めになる地面を蹴った。シキから動くのは珍しい、シキはエンドローゼを捕まえると、そのまま下に落ちていった。
追うか追わないかを考える前に、アレンの体は下に落ちていた。
「しゃ~ねぇ~な、追うぞ」
コストイラがアストロを背負い、下に落ちていった。追従するようにアシド、レイドも落ちていく。
着地した直後、シキはすぐさまエンドローゼを下ろす。
「あ、あう~~。ご、ご、ごめんなさい」
「構わない。それより、魔物」
「は、はい」
泣きそうな顔を決意の顔に変化させ、魔物と対峙した。
ここで注意しなければならないことがある。目の前にグレートドラゴンのレベルが100なのに対して、シキはレベル120を超えている。水晶に表示される限界が120なだけで、もちろん、それより上がある。シキはすでに伝説の領域に足を踏み入れている。
レベル1個の開きは、レベルが高ければ高いほど広くなる。レベル1つ上げるのに必要な経験値が大きくなっていくからだ。レベル1から2に上がるときに1の経験値が必要とするならば、レベル9から10に上がるときには256の経験値が必要になる。
つまり、レベルが20も離れていると、経験値の量も段違いなのだ。
高速でグレートドラゴンの懐に入り込むと、移動よりも速いスピードでナイフを振った。
グレートドラゴンの首下を切り、ドバドバと血液が降ってきた。シキは血に触れる前に離脱した。
あれ? 私、これいる?
エンドローゼは、そんな感想を得たのだった。
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