メグルユメ
5.凍結している月面
「よし、出口だ!」
コストイラが洞窟の出口を見つけ、はしゃぎだす。声には出していないが、エンドローゼもはしゃいでいる。
アストロは走り出す2人に目を細めている。あんなにはしゃいだら怪我するかもしれないと思っていると、コストイラの姿が消えた。
「え?」
アストロ達が出口に辿り着くと、エンドローゼがおたおたしていた。
崖の下にコストイラがいた。
「大丈夫ですか?」
アレンが覗き込もうとした時、足を滑らせた。
「だぶっ!?」
アレンが顔面から着地した。鼻や歯茎もだが、首も痛い。首裏を押さえながら、鼻や口から出る血を手で押さえる。
「分かる。足、滑るよな」
コストイラが足首を手で無理矢理回しながら発言する。
「コストイラさえ滑らせたんですか?」
「おう。これ、地面凍ってんぞ」
コストイラが拳を岩に叩きつけると、表面が薄く割れた。アレンが手を取ると、それは、氷だった。
「いつの間にか息が白くなっているしな」
コストイラが脆く擦りながら、わざとらしく息を吐いた。その息は確かに白い。アレンはぶるりと身を震わせて、自身の腕を擦った。ここまで寒いのは、日が当たっていないからだろう。
「大丈夫なの?」
アストロ達も下りきったようだ。コストイラが立ち上がろうとすると、パタパタとエンドローゼが走ってきた。そして、いつものようにエンドローゼは足を滑らせて転んで、するすると滑ってきた。
「貴女、特に気を付けなさいって言わなかったっけ?」
「ひょ、ひょ、ひょへんああい」
「謝らないでよ。私が悪いみたいじゃない」
「ふぁい」
アストロがエンドローゼの頬を引っ張りながら叱る。エンドローゼはアストロの手を借りて立ち上がり、自身の膝を叩くと、丁寧に腰を折った。
「地面が凍っているのね。ていうか、硬くない?」
アストロがコツコツと靴で地面を叩く。そして、暗によく無事だったな、と言っている。コストイラは自分の頭に作られた瘤を触りながら、震える声でそうだな、と答えた。
エンドローゼは布で鼻血を止め、アレンの頭から出ている血に目を向けた。
「無事じゃないわね」
「か、かか、回復しなきゃ!」
「貴女もね」
自分のことを後回しにしがちなエンドローゼに釘を刺しておく。エンドローゼは分かっているのかいないのか、アレンの頭を回復させていった。
ディーノイはアレン達から視線を切り、手で笠を作って先を見た。
『月の中枢まであと少し……、いや、まだあるな。1週間はかかるかもしれない。私を基準にしてはいけないな。前にもやらかしたからな』
ディーノイはかつての雪の進軍事件を思い返しながら、目を細める。
ディーノイの目にはよくわからない、珍しい服を着ている女が映っていた。その服はあのマレビトと同じ服だ。
『また殺さなくてはいけないかな』
ディーノイは自身の剣の柄をトントンと叩いて、考えを続けた。
コストイラが洞窟の出口を見つけ、はしゃぎだす。声には出していないが、エンドローゼもはしゃいでいる。
アストロは走り出す2人に目を細めている。あんなにはしゃいだら怪我するかもしれないと思っていると、コストイラの姿が消えた。
「え?」
アストロ達が出口に辿り着くと、エンドローゼがおたおたしていた。
崖の下にコストイラがいた。
「大丈夫ですか?」
アレンが覗き込もうとした時、足を滑らせた。
「だぶっ!?」
アレンが顔面から着地した。鼻や歯茎もだが、首も痛い。首裏を押さえながら、鼻や口から出る血を手で押さえる。
「分かる。足、滑るよな」
コストイラが足首を手で無理矢理回しながら発言する。
「コストイラさえ滑らせたんですか?」
「おう。これ、地面凍ってんぞ」
コストイラが拳を岩に叩きつけると、表面が薄く割れた。アレンが手を取ると、それは、氷だった。
「いつの間にか息が白くなっているしな」
コストイラが脆く擦りながら、わざとらしく息を吐いた。その息は確かに白い。アレンはぶるりと身を震わせて、自身の腕を擦った。ここまで寒いのは、日が当たっていないからだろう。
「大丈夫なの?」
アストロ達も下りきったようだ。コストイラが立ち上がろうとすると、パタパタとエンドローゼが走ってきた。そして、いつものようにエンドローゼは足を滑らせて転んで、するすると滑ってきた。
「貴女、特に気を付けなさいって言わなかったっけ?」
「ひょ、ひょ、ひょへんああい」
「謝らないでよ。私が悪いみたいじゃない」
「ふぁい」
アストロがエンドローゼの頬を引っ張りながら叱る。エンドローゼはアストロの手を借りて立ち上がり、自身の膝を叩くと、丁寧に腰を折った。
「地面が凍っているのね。ていうか、硬くない?」
アストロがコツコツと靴で地面を叩く。そして、暗によく無事だったな、と言っている。コストイラは自分の頭に作られた瘤を触りながら、震える声でそうだな、と答えた。
エンドローゼは布で鼻血を止め、アレンの頭から出ている血に目を向けた。
「無事じゃないわね」
「か、かか、回復しなきゃ!」
「貴女もね」
自分のことを後回しにしがちなエンドローゼに釘を刺しておく。エンドローゼは分かっているのかいないのか、アレンの頭を回復させていった。
ディーノイはアレン達から視線を切り、手で笠を作って先を見た。
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ディーノイの目にはよくわからない、珍しい服を着ている女が映っていた。その服はあのマレビトと同じ服だ。
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ディーノイは自身の剣の柄をトントンと叩いて、考えを続けた。
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