メグルユメ
4.未知なる月の裏側
石や土埃が洞窟内を舞う。爆発に巻き込まれたのか、グリーンジャイアントの上半身が宙を泳いでいた。
アレンは自身の経験値を奪ったのは誰かを見ようとする。
後半が地面に埋まったまま、体の前半だけをこちらに出して向けている。見えているだけで5mはある。岩場を泳ぐ蛇だ。
蛇が口を開けると、口内の円周上すべてに牙が生えていた。
「うひゃ!?」
ビビったアレンが思わず手を引っ込めた。矢が放たれ、サンドウォームの口の中に入っていった。
ダメージが入ったように見えない。地獄の街で補充した矢が無駄になりそうなので、次の矢は番えない。
『オオオオオオ!!』
サンドウォームは上体を岩に突っ込み、下へと潜っていった。
逃げたかと思ったが、シキがバク転した。1秒後、シキがいた場所からサンドウォームが現れた。
コストイラが刀を振るう。華麗に切ることができたが、どこかぶよぶよした感触が残った。あまり切りたくない感触だが、切らねばならないのなら切ろう。
コストイラの後ろの地面に潜ろうとするサンドウォームの口端に、刀を入れる。勢いに持っていかれないように両手で耐える。地面に潜るサンドウォームは自分から傷を増やしていった。
上から降ってきた血がコストイラを染める。
穴の縁には、贓物が引っ掛かっている。サンドウォームはもう長くないだろう。
「オレの勝ち! あ、アレン」
自分達の勝ちにガッツポーズをするが、アレンのレベル上げに失敗したことに動きを止める。
今回は戦闘センス抜群の2人だったが、これが後衛組だったらどうなっていたことか。
『今回は運がよかったな。サンドウォームはすぐに地面に潜るし、出現場所もランダムときた。いつも死者や欠損者を出すからな』
ディーノイが頬を掻く。
『姿を見せるタイミングを失ったか? 私』
「これ、美味しい~~~♪」
カレトワが左手を頬に当て、飛び切りの笑顔を見せる。
「本当ですね」
アスミンも目を輝かせながら、口を動かしている。
現在カレトワ達の目の前には豪勢な食事が並べられていた。コウガイはかなり豪勢な食事であるため、お礼であると予想している。
ここに訪れる前に助けた2人は、どうやらこの温泉宿のスタッフだったらしい。助けてくれたお礼ということが、食事に反映されているようだ。
「で、どうすんの?」
カレトワがフォークで一切れのステーキを刺しながら、何気なく口に出す。それに対して、ロッドはステーキを切り分けながら答える。
「伝承通りに行くなら、サズティホユーに向かうべきだよな」
「そのサズティホユーはどこなの?」
伝承で言い伝えられているグレイソレアの住む国、サズティホユー。ほとんどの子供でさえ知っている国の名前。だというのに、それがどこにあるのか、地図にすら載っていない。その為、ロッドも何も言えない。
コウガイは肉を堪能しながら、眼球に魔力を集中させる。世界にオレンジ色のヴェールがかかる。明らかに誘っている濃さがある。おそらくグレイソレアだろう。
コウガイは目を閉じて、水を口に含んだ。
アレンは自身の経験値を奪ったのは誰かを見ようとする。
後半が地面に埋まったまま、体の前半だけをこちらに出して向けている。見えているだけで5mはある。岩場を泳ぐ蛇だ。
蛇が口を開けると、口内の円周上すべてに牙が生えていた。
「うひゃ!?」
ビビったアレンが思わず手を引っ込めた。矢が放たれ、サンドウォームの口の中に入っていった。
ダメージが入ったように見えない。地獄の街で補充した矢が無駄になりそうなので、次の矢は番えない。
『オオオオオオ!!』
サンドウォームは上体を岩に突っ込み、下へと潜っていった。
逃げたかと思ったが、シキがバク転した。1秒後、シキがいた場所からサンドウォームが現れた。
コストイラが刀を振るう。華麗に切ることができたが、どこかぶよぶよした感触が残った。あまり切りたくない感触だが、切らねばならないのなら切ろう。
コストイラの後ろの地面に潜ろうとするサンドウォームの口端に、刀を入れる。勢いに持っていかれないように両手で耐える。地面に潜るサンドウォームは自分から傷を増やしていった。
上から降ってきた血がコストイラを染める。
穴の縁には、贓物が引っ掛かっている。サンドウォームはもう長くないだろう。
「オレの勝ち! あ、アレン」
自分達の勝ちにガッツポーズをするが、アレンのレベル上げに失敗したことに動きを止める。
今回は戦闘センス抜群の2人だったが、これが後衛組だったらどうなっていたことか。
『今回は運がよかったな。サンドウォームはすぐに地面に潜るし、出現場所もランダムときた。いつも死者や欠損者を出すからな』
ディーノイが頬を掻く。
『姿を見せるタイミングを失ったか? 私』
「これ、美味しい~~~♪」
カレトワが左手を頬に当て、飛び切りの笑顔を見せる。
「本当ですね」
アスミンも目を輝かせながら、口を動かしている。
現在カレトワ達の目の前には豪勢な食事が並べられていた。コウガイはかなり豪勢な食事であるため、お礼であると予想している。
ここに訪れる前に助けた2人は、どうやらこの温泉宿のスタッフだったらしい。助けてくれたお礼ということが、食事に反映されているようだ。
「で、どうすんの?」
カレトワがフォークで一切れのステーキを刺しながら、何気なく口に出す。それに対して、ロッドはステーキを切り分けながら答える。
「伝承通りに行くなら、サズティホユーに向かうべきだよな」
「そのサズティホユーはどこなの?」
伝承で言い伝えられているグレイソレアの住む国、サズティホユー。ほとんどの子供でさえ知っている国の名前。だというのに、それがどこにあるのか、地図にすら載っていない。その為、ロッドも何も言えない。
コウガイは肉を堪能しながら、眼球に魔力を集中させる。世界にオレンジ色のヴェールがかかる。明らかに誘っている濃さがある。おそらくグレイソレアだろう。
コウガイは目を閉じて、水を口に含んだ。
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