メグルユメ
11.犇めく猛竜
フレアドラゴンが口の中に炎を溜める。何度もキャンセルされたので、炎道がかなり温まっている。すぐに炎の装填が済んでしまう。
すぐさま炎が吐き出される。レイドが楯で何とか炎を逸らす。アシドはその間に砂浜に降り、槍を振るって右の前脚を切り裂く。
フレアドラゴンは前脚を動かし、アシドを蹴り飛ばす。アシドの顔から鼻血や口血が出る。
フレアドラゴンの首から血が噴出する。首裏から何度もナイフが振り下ろされる。シキがいつの間にかドラゴンの群れから離脱していた。
フレアドラゴンはそれを痛がり、何度も首を振る。しかし、そんなことでシキが離れるはずがない。何度もナイフを刺し、傷をいくつもつくると、それを線で結ぶようにナイフを走らせる。すると、フレアドラゴンの首は、頭の重さに合わせてメリメリと千切れていく。
傷口からとんでもない量のオレンジと黒の混じった煙が噴き出し、シキの前髪が僅かに浮いた。
「ふぃ~、終わった?」
濡れた髪を掻き上げながら、アシドはフレアドラゴンの体に触れた。すでに絶命しているからか、炎が体表に出ていない。
「コストイラと合流しないか?」
アストロがフレアドラゴンから視線を切り、崖で挟まれた道を見る。それと同時にドガァンと崖が崩れ、土煙が上がった。その衝撃で地面が揺れた。揺れが大きすぎて立っていられず、アストロとエンドローゼは抱き合い、アレンは転ぶどころか派手に倒れた。
「な、何?」
状況が一切分からず、焦ったような声を出す。アストロの視線の先で、コストイラとともに眼前に広がる煙から巨大な頭が出現する。ブルードラゴンの体を茶系の色にして、巨大にしたような頭。頭だけしか見えないが、体長15mほどはあるだろう。その体の先端、鼻頭にコストイラが引っ付いていた。
シキをフレアドラゴンの方へと送り込んだのは、レッドドラゴン達の方に余裕が見えてきたからだ。
コストイラは一人で対峙する。その絶対的な佇まいに、さしものレッドドラゴン達も萎縮してしまう。コストイラが一歩進むごとにレッドドラゴンもワイバーンも下がる。
勇気を振り絞ったレッドドラゴンがコストイラに噛みつきにかかる。しかし、感覚が研ぎ澄まされているコストイラには、レッドドラゴンの動きがゆっくりに見える。
半歩だけ身を傾け、躱した牙ごと刀で切り落とす。その鮮やかすぎる剣技に、更に萎縮してしまう。このままいけば押しきれる。そう思った時、ドガァンと崖に何かが激突した。
間で押し潰されたレッドドラゴンやワイバーンの肉片が飛び散る。
この時、コストイラは悟った。こいつは一人で相手することができない。
間抜けた面をぶった切りたくなるが、我慢しようとする。間抜けた顔のドラゴンが、予想よりも速い動きで突進してくる。
両側へと避けられる気がしない。後ろへ走るのも、間に合うかどうか微妙だ。
迎え撃つ。それがコストイラの出した結論だった。
すぐさま炎が吐き出される。レイドが楯で何とか炎を逸らす。アシドはその間に砂浜に降り、槍を振るって右の前脚を切り裂く。
フレアドラゴンは前脚を動かし、アシドを蹴り飛ばす。アシドの顔から鼻血や口血が出る。
フレアドラゴンの首から血が噴出する。首裏から何度もナイフが振り下ろされる。シキがいつの間にかドラゴンの群れから離脱していた。
フレアドラゴンはそれを痛がり、何度も首を振る。しかし、そんなことでシキが離れるはずがない。何度もナイフを刺し、傷をいくつもつくると、それを線で結ぶようにナイフを走らせる。すると、フレアドラゴンの首は、頭の重さに合わせてメリメリと千切れていく。
傷口からとんでもない量のオレンジと黒の混じった煙が噴き出し、シキの前髪が僅かに浮いた。
「ふぃ~、終わった?」
濡れた髪を掻き上げながら、アシドはフレアドラゴンの体に触れた。すでに絶命しているからか、炎が体表に出ていない。
「コストイラと合流しないか?」
アストロがフレアドラゴンから視線を切り、崖で挟まれた道を見る。それと同時にドガァンと崖が崩れ、土煙が上がった。その衝撃で地面が揺れた。揺れが大きすぎて立っていられず、アストロとエンドローゼは抱き合い、アレンは転ぶどころか派手に倒れた。
「な、何?」
状況が一切分からず、焦ったような声を出す。アストロの視線の先で、コストイラとともに眼前に広がる煙から巨大な頭が出現する。ブルードラゴンの体を茶系の色にして、巨大にしたような頭。頭だけしか見えないが、体長15mほどはあるだろう。その体の先端、鼻頭にコストイラが引っ付いていた。
シキをフレアドラゴンの方へと送り込んだのは、レッドドラゴン達の方に余裕が見えてきたからだ。
コストイラは一人で対峙する。その絶対的な佇まいに、さしものレッドドラゴン達も萎縮してしまう。コストイラが一歩進むごとにレッドドラゴンもワイバーンも下がる。
勇気を振り絞ったレッドドラゴンがコストイラに噛みつきにかかる。しかし、感覚が研ぎ澄まされているコストイラには、レッドドラゴンの動きがゆっくりに見える。
半歩だけ身を傾け、躱した牙ごと刀で切り落とす。その鮮やかすぎる剣技に、更に萎縮してしまう。このままいけば押しきれる。そう思った時、ドガァンと崖に何かが激突した。
間で押し潰されたレッドドラゴンやワイバーンの肉片が飛び散る。
この時、コストイラは悟った。こいつは一人で相手することができない。
間抜けた面をぶった切りたくなるが、我慢しようとする。間抜けた顔のドラゴンが、予想よりも速い動きで突進してくる。
両側へと避けられる気がしない。後ろへ走るのも、間に合うかどうか微妙だ。
迎え撃つ。それがコストイラの出した結論だった。
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