メグルユメ
21.門をも焦がす煉獄
喉が爆発して、足は切り刻まれ、喉が半ばまで斬れている。しかし、サラマンドラは死んでいない。
ゴボゴボと喉から血の泡が出ている。片目だけ瞳が裏返っている。すでに死にかけだ。
サラマンドラが近くにいるコストイラに噛みつこうとする。コストイラはその顎を切り落としてやろうとするが、上から血塊が降ってきた。
「は?」
バシャンとコストイラが血塊を浴びる。目を開けたままだったので、白目が赤く染まる。
サラマンドラの口が閉じる。
サラマンドラの下顎がバシャリと倒れた。コストイラの姿が見えた。サラマンドラの唾液や血液塗れであり、あまり近寄りたくない。シキがサラマンドラの背を切りながら走って登る。頭まで辿り着くと、半ばまで斬れている首を斬り落とす。
その瞬間、喉に溜まっていた火が破裂した。炎はトルネードスピンしながらアレン達を襲う。アレンとエンドローゼが全力で頭を抱えてやり過ごす。エンドローゼの上にアストロが覆い被さり、更にその上からレイドが被さった。アレンの上には誰も何もない。悲しくなっちゃう。
炎が上を通り抜ける。炎は鉄の門に当たり焼失した。
「大丈夫か!?」
コストイラが走り寄ってくる。レイドとアストロが上体を起こす。
「平気よ。ほら、起きなさい」
アストロが髪の前を掻き分けて、エンドローゼの背を擦る。エンドローゼは俯せになったまま反応しない。
「エンドローゼ?」
「~~~~~っ!!」
エンドローゼが手足をバタつかせ始めた。エンドローゼの奇行にアストロが眉根を寄せた。
「え? どうしたの?」
「むぅ」
エンドローゼが頬を膨れさせながら、すっくと立ち上がる。アストロはきっと自身の胸のことだろうと断定し、無視することにした。
アストロはアレンの脇腹を蹴る。
「起きなさいよ、アレン。誰にも助けてもらえなかったからって、いつものことじゃない」
「そんな形式、形骸化してしまえばいいのに」
アレンが文句を言いながら立ち上がる。完全に不貞腐れている。面倒なのでシキを送り込んでおこう。
「シキィ」
「何?」
小声で呼ぶとすぐに来た。
「アレンに正面から抱き着いて」
「私の体は房中術に向かない。父からしても無駄だからするなと言われた」
「いや、房中術じゃないから」
アレンが鉄の扉に手を伸ばす。アレンの手が鉄の扉に触れた瞬間、ジュッと鳴った。右手が痛みを発する前に離れようとするが、扉がそれを拒んだ。手を離そうとするが、皮膚が溶けてくっついている。必死に手を引くと、ぺりぺりと皮膚が剥がれていった。
「ぃ、ぁ、熱ッ!?」
サラマンドラの影響で熱々になっている扉を睨みながら、火傷して皮がはげた指をくわえた。
「なっ、ななな、なっ、治します!?」
唐突なことで、焦りながらエンドローゼが近づく。
「貴方、不用心に何でもかんでも触ると死ぬわよ」
「善処します」
アストロがエンドローゼの怒りを代弁する。アレンは何も言い返せず、目を閉じて顔を逸らした。
扉は熱々だ。さて、どうやって開けようか。中途半端な知性を持つアレンが悩んでいると、学舎の主席という裏付けされた知性を持つアストロが前に出た。
何か策が、と思ったところ、アストロは魔術をぶっ放した。怒涛の水流が扉に当たり、無理矢理こじ開けた。
「え、力技?」
「下手に策を弄するより簡単よ?」
なぜか左手にエンドローゼの手を握りながら、ふてぶてしく言ったのだった。
ゴボゴボと喉から血の泡が出ている。片目だけ瞳が裏返っている。すでに死にかけだ。
サラマンドラが近くにいるコストイラに噛みつこうとする。コストイラはその顎を切り落としてやろうとするが、上から血塊が降ってきた。
「は?」
バシャンとコストイラが血塊を浴びる。目を開けたままだったので、白目が赤く染まる。
サラマンドラの口が閉じる。
サラマンドラの下顎がバシャリと倒れた。コストイラの姿が見えた。サラマンドラの唾液や血液塗れであり、あまり近寄りたくない。シキがサラマンドラの背を切りながら走って登る。頭まで辿り着くと、半ばまで斬れている首を斬り落とす。
その瞬間、喉に溜まっていた火が破裂した。炎はトルネードスピンしながらアレン達を襲う。アレンとエンドローゼが全力で頭を抱えてやり過ごす。エンドローゼの上にアストロが覆い被さり、更にその上からレイドが被さった。アレンの上には誰も何もない。悲しくなっちゃう。
炎が上を通り抜ける。炎は鉄の門に当たり焼失した。
「大丈夫か!?」
コストイラが走り寄ってくる。レイドとアストロが上体を起こす。
「平気よ。ほら、起きなさい」
アストロが髪の前を掻き分けて、エンドローゼの背を擦る。エンドローゼは俯せになったまま反応しない。
「エンドローゼ?」
「~~~~~っ!!」
エンドローゼが手足をバタつかせ始めた。エンドローゼの奇行にアストロが眉根を寄せた。
「え? どうしたの?」
「むぅ」
エンドローゼが頬を膨れさせながら、すっくと立ち上がる。アストロはきっと自身の胸のことだろうと断定し、無視することにした。
アストロはアレンの脇腹を蹴る。
「起きなさいよ、アレン。誰にも助けてもらえなかったからって、いつものことじゃない」
「そんな形式、形骸化してしまえばいいのに」
アレンが文句を言いながら立ち上がる。完全に不貞腐れている。面倒なのでシキを送り込んでおこう。
「シキィ」
「何?」
小声で呼ぶとすぐに来た。
「アレンに正面から抱き着いて」
「私の体は房中術に向かない。父からしても無駄だからするなと言われた」
「いや、房中術じゃないから」
アレンが鉄の扉に手を伸ばす。アレンの手が鉄の扉に触れた瞬間、ジュッと鳴った。右手が痛みを発する前に離れようとするが、扉がそれを拒んだ。手を離そうとするが、皮膚が溶けてくっついている。必死に手を引くと、ぺりぺりと皮膚が剥がれていった。
「ぃ、ぁ、熱ッ!?」
サラマンドラの影響で熱々になっている扉を睨みながら、火傷して皮がはげた指をくわえた。
「なっ、ななな、なっ、治します!?」
唐突なことで、焦りながらエンドローゼが近づく。
「貴方、不用心に何でもかんでも触ると死ぬわよ」
「善処します」
アストロがエンドローゼの怒りを代弁する。アレンは何も言い返せず、目を閉じて顔を逸らした。
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