メグルユメ
6.生に蝕まれた森
彼岸に存在する大地には生きている魔物が少ない。ほとんどが死霊系統の魔物であるため、生きているといいづらい。
太陽の塔があるため、火の魔物も集まってくる。
しかし、魔物がどんどんと集まってくる。死霊の木々を覆うように生を持った魔物が溢れかえった。その生の一部であるグリフォンが立ちはだかった。コストイラが刀を抜き相対する。
そもそもアレン達は食べられそうな木の実を見つけたので、この地で野営しようとしていたのだ。しかし、そこはグリフォンの縄張りだったのだ。グリフォンは自分のものを盗られたと、護るために襲ってきたのだ。
欲するなら奪え。それが自然の摂理である。
グリフォンが鋭い爪を振り上げて、目の前のシキを切り裂こうとする。シキは咄嗟に魔力を纏わせる前の魔剣を合わせる。
グリフォンが鋭い牙で噛みつこうとする。シキは魔剣ではないナイフを抜き、口元に押し付ける。
易々とグリフォンの口が開いていく。筋肉が失われたため、下顎が閉じない。魔剣ではないナイフも、切れ味抜群だ。
シキはナイフを振り抜き、魔剣と競り合う腕を半ばまで斬る。右の普通のナイフを突き出し、上顎を刺す。
ナイフは短く、脳までは達さなかったが、脳にとって重要な血管を傷つけ、神経を裂いた。グリフォンはドウと倒れ、絶命した。シキはナイフについた血を拭い取った。
「これって、肉が増えたってことか?」
「木の実と野菜だけで味気なかったけど。よくやったわ、シキ」
「ん」
コストイラは無言ジェスチャーでアレンに解体用ナイフを要求する。アストロが親指を立てると、シキが首肯で返す。アレンがコストイラに解体用ナイフを渡すと、嬉々としてグリフォンを捌きだす。
アレンとしては確かに肉を食べたいが、この森の中で火を使っていいのかどうかで揺れている。そもそも解体用ナイフを渡した段階で共犯なのだが。
目の前で肉が焼かれていく。生の木の実を食みながら、いい具合になるまで待っておく。生の木の実は虫が食っている危険性があるので、気を付けなければいけないのだが、関係なしに食べている。
アシドが早速肉を取る。まだ焼き始めて数十秒しか経っておらず、ほとんど生だ。
「早くね?」
「いや、あっち」
肉から目を離さず、視界の端からアシドの肉が消えたことでアシドを心配する。しかし、アシドの指先ではシキがすでに肉を食べていた。
表面が少しだけ温まっており、むしろ生の方が多い。ていうか、ほぼ生? お腹壊さないのだろうか?
レイドとアストロが同時に齧り付く。中はまだピンク色だが、ジューシーで肉汁溢れ出てくる。あのレイドでさえ相好を崩している。
コストイラとエンドローゼも同時に肉を火から離した。レイドとアストロの焼き具合より少し焼かれている状態であり、まだ柔らかさが残るジューシーさだ。
一番最後に取ったのはアレンだ。中身は薄いピンク色を残しているが、ほとんど焼けている。ジューシーさを残しているが硬さも持っている。アレンはミディアムウェルが一番好きだ。シキのブルーなど信じられない。
「グリフォンの肉って美味いよな」
コストイラが肉を刺していた細い木の枝や自分の指を舐めていた。おそらく物足りないのだろう。食べるためにグリフォンを狩りに行きたいところだが、危険を冒すのは止めておこう。
アレンは最後の一口を収めると、就寝の準備をすることにした。
太陽の塔があるため、火の魔物も集まってくる。
しかし、魔物がどんどんと集まってくる。死霊の木々を覆うように生を持った魔物が溢れかえった。その生の一部であるグリフォンが立ちはだかった。コストイラが刀を抜き相対する。
そもそもアレン達は食べられそうな木の実を見つけたので、この地で野営しようとしていたのだ。しかし、そこはグリフォンの縄張りだったのだ。グリフォンは自分のものを盗られたと、護るために襲ってきたのだ。
欲するなら奪え。それが自然の摂理である。
グリフォンが鋭い爪を振り上げて、目の前のシキを切り裂こうとする。シキは咄嗟に魔力を纏わせる前の魔剣を合わせる。
グリフォンが鋭い牙で噛みつこうとする。シキは魔剣ではないナイフを抜き、口元に押し付ける。
易々とグリフォンの口が開いていく。筋肉が失われたため、下顎が閉じない。魔剣ではないナイフも、切れ味抜群だ。
シキはナイフを振り抜き、魔剣と競り合う腕を半ばまで斬る。右の普通のナイフを突き出し、上顎を刺す。
ナイフは短く、脳までは達さなかったが、脳にとって重要な血管を傷つけ、神経を裂いた。グリフォンはドウと倒れ、絶命した。シキはナイフについた血を拭い取った。
「これって、肉が増えたってことか?」
「木の実と野菜だけで味気なかったけど。よくやったわ、シキ」
「ん」
コストイラは無言ジェスチャーでアレンに解体用ナイフを要求する。アストロが親指を立てると、シキが首肯で返す。アレンがコストイラに解体用ナイフを渡すと、嬉々としてグリフォンを捌きだす。
アレンとしては確かに肉を食べたいが、この森の中で火を使っていいのかどうかで揺れている。そもそも解体用ナイフを渡した段階で共犯なのだが。
目の前で肉が焼かれていく。生の木の実を食みながら、いい具合になるまで待っておく。生の木の実は虫が食っている危険性があるので、気を付けなければいけないのだが、関係なしに食べている。
アシドが早速肉を取る。まだ焼き始めて数十秒しか経っておらず、ほとんど生だ。
「早くね?」
「いや、あっち」
肉から目を離さず、視界の端からアシドの肉が消えたことでアシドを心配する。しかし、アシドの指先ではシキがすでに肉を食べていた。
表面が少しだけ温まっており、むしろ生の方が多い。ていうか、ほぼ生? お腹壊さないのだろうか?
レイドとアストロが同時に齧り付く。中はまだピンク色だが、ジューシーで肉汁溢れ出てくる。あのレイドでさえ相好を崩している。
コストイラとエンドローゼも同時に肉を火から離した。レイドとアストロの焼き具合より少し焼かれている状態であり、まだ柔らかさが残るジューシーさだ。
一番最後に取ったのはアレンだ。中身は薄いピンク色を残しているが、ほとんど焼けている。ジューシーさを残しているが硬さも持っている。アレンはミディアムウェルが一番好きだ。シキのブルーなど信じられない。
「グリフォンの肉って美味いよな」
コストイラが肉を刺していた細い木の枝や自分の指を舐めていた。おそらく物足りないのだろう。食べるためにグリフォンを狩りに行きたいところだが、危険を冒すのは止めておこう。
アレンは最後の一口を収めると、就寝の準備をすることにした。
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