王子から婚約破棄を言い渡されたけど、そんなことが通ると思っているのかしら? ~王子も男爵令嬢も取り巻きも、まとめて叩き直してあげるわ~
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完結:3話

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王子から婚約破棄を言い渡されたけど、そんなことが通ると思っているのかしら? ~王子も男爵令嬢も取り巻きも、まとめて叩き直してあげるわ~

  • あらすじ

     「マリエル! お前との婚約を破棄する!」
     
     「……は?」
     
      モシアス王子の言葉に、私はポカンと口を開けてしまった。
      私と彼は、同じ年に王立学園に入学した。
      私たちは入学前から、親同士が決めた婚約者同士だった。
      モシアス王子は、幼い頃からとても大人びていて、私の憧れの存在でもあった。
     
      しかし、私たちが15歳になった年、その関係に変化が訪れた。
      彼が、とある男爵令嬢に恋をしたからだ。
      その男爵令嬢の名前はマーガレットという。
      彼女は、私が今まで見た中で一番美しい女性だった。
      その美しさには、私も一目で虜になってしまったほどだ。
      モシアス王子も、彼女の美貌に心を奪われたのだろう。
      二人はすぐに恋に落ち、仲睦まじい様子を見せつけるようになった。
     
     「聞こえなかったのか? お前はもう用済みだと言っているんだ」
     
      モシアス王子が、私に向かってそう言い放った。
      彼の隣には、マーガレットが寄り添っている。
      彼女は勝ち誇ったような表情で、私の方を見ていた。
     
     「……どうしてですか?」
     
      私は、震える声で彼に尋ねた。
     
     「なぜって……そんなの決まっているだろう」
     
      彼はニヤリと笑うと、こう答えた。
     
     「俺が、マーガレットを愛しているからさ」
     
      それを聞いた瞬間、私の胸の奥から、熱い感情がこみ上げてきた。
      怒りや憎しみといった感情ではない。
      これは、もっと別の何かだ。
     
     「……そんなことが許されるとでも?」
     
     「許されるさ。なぜなら、お前には罪があるからな」
     
      モシアス王子は、まるで正義の味方のような台詞を口にした。
     
     「お前がマーガレットに嫌がらせをしていたことは知っているぞ。そのせいで、彼女がどれだけ苦しんだことか……」
     
     「そのような事実はありませんわ」
     
      私は、彼の言葉を即座に否定したのだった。

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