第3次パワフル転生野球大戦ACE
311 スパイ大作戦報告会①
これまで収集してきたデータからある程度傾向を分析できたということで開催が決まった、インターシップ部隊改め海外情報収集部隊の初めての報告会。
場所はいつもの村山マダーレッドサフフラワーズ球団事務所会議室。
メンバーは前回ある種の結成式を行った時の面々と同じ。
その彼女達には少し前に、バンビーノ・G・ビート選手擁するニューヨーク・ノーザンライツのホームゲームを含む2試合の偵察を行ってきて貰っていたが……。
どうやら、そこでちょっとしたトラブル(?)が起きていたらしい。
その報告を、俺達は開始早々真っ先に受けていた。
「――そうですか。バンビーノ選手がそんなことを……」
ニューヨーク・ノーザンライツ対ボストン・レッドホーザリーズ。
その試合終了後、預かりサービスに預けた荷物を返して貰いに行ったところを半ば強引に呼び出され、意図せず彼と会話をする機会を得るに至った。
そこで交わした会話によると、バンビーノ選手は俺のことを、より正確に言えば俺達のことを思った以上に詳しく把握していたらしい。
まあ、俺がWBW日本代表に選ばれた時点でそうであっても何ら不思議ではなかったけれども、実際に彼自身の口から告げられると色々と思うところも出てくる。
バンビーノ・G・ビート。現世界最強のベースボールプレイヤー。
最強のピッチャーとか最強のバッターとなると議論の余地が出てくるものの、野球選手という括りとなると彼はかけ値なしにそう言うことができる存在だ。
アメリカ人も10人が10人そう答えるだろう。
たとえ推している球団がニューヨーク・ノーザンライツではなくても。
尚且つ俺にとって彼は、前世におけるレジェンド大リーガーの魂を宿す存在だ。
そんなバンビーノ選手が、野球狂神に余りものとして拾い上げられた俺を……。
この気持ちをどう表現していいものか分からない。
色々な感情が入り混じっていて明確に表すのは難しい。
けれども、何となく。
卑屈な部分が結構な割合を占めている感じがしていた。
「そんな、野球を楽しむべきって言われてもな……」
口の中で困惑と共に小さく呟く。
そういった感覚は正直、野球をプレイする中ではほとんど感じたことがない。
たとえあったとしても、基本的に育成ゲームや球団経営シミュレーションゲームでうまくプレイングがはまったみたいなものでしかなかったように思う。
今後どうなっていくかはまだ分からないけれども、少なくとも現時点の俺は根本的な部分で競技者ではないのだろう。
ただ「プロ野球選手野村秀治郎」のイメージを崩さないように、必死にそれっぽい演技をしているだけのようなものだしな。
「もっとも、打倒アメリカを掲げている訳だから必然的に壁になってくれって要望には応えることになるだろうけど」
屁理屈を言うなら。
ものごとは楽しむべきで無条件に楽しめるものじゃないだろう。
勿論、楽しもうとすることはできるかもしれないけれども……。
実際に楽しむことができるかはまた別の話だ。
ほとんどの場合、楽しさというものは自ずと湧き上がってくるものなのだから。
むしろ意識し過ぎてしまったら、楽しむことができる芽が摘まれる気もする。
今は余り、そこに関しては考えない方がいいだろう。
「それよりも、改めて報告をお願いできますか?」
俺がそう促すと、佐藤さんが代表して「はい」と応じてそのまま本題に入った。
「まず大リーグの野球を現地で見て特に印象に残ったのは、世間で言われている以上に守備のシフトが極端に敷かれているということです」
そう彼女が言う横で、仁愛さんがパソコンの操作を始める。
すると、プロジェクタースクリーンに映し出されていた画面が変化し、超リアルな野球ゲームの守備モードのようなものが俯瞰視点で表示された。
綾瀬さん、矢口さん、与田さんのレアキャラ男性陣が制作したプログラムだ。
野球ゲームの応用で、守備シフトを細かく弄ることができるモードのようだ。
既に編集結果は記録して保存されているらしい。
仁愛さんの操作でそれが呼び出され、画面内の選手達の守備シフトが変化する。
「これはボストン・レッドホーザリーズの中核打者、ジョー・テイル選手に対するニューヨーク・ノーザンライツの守備の動きになります」
画面端にボールカウントが記載されており、その試合の該当する打席の実際のカウント推移と同じように変化していく。
それに合わせるように、ニューヨーク・ノーザンライツ選手を模してモデリングされた画面の中の選手達もまた移動していった。
そして最後には、打った時の双方の動きもまた再現される。
「御覧の通り、1球毎、シチュエーション毎に大胆に守備位置を変えているのが分かります。これは当然ながら、全ての選手1人1人に合わせて行われています」
まあ、そのぐらいは前世ならやっているチームはやっていることだ。
今生の日本プロ野球だと少々怪しいけれども、俺としてはそこまで驚きはない。
俺達も村山マダーレッドサフフラワーズもその更に上を目指して座学をしている訳だから、仲間達だってアメリカ大リーグであれば当然だろうと思うはずだ。
「ジョー・テイル選手は特に引っ張り傾向が強い右バッターなので、全体的に3塁寄りですが、更にカウントに応じて数センチ単位で微調整しているようでした」
塁の埋まり方でも細かく位置が決められていることが見て取れる。
とは言え、真骨頂はここからだ。
「それを基本形として、実際のピッチングに合わせて選手が自ら臨機応変に守備位置を再調整しています」
「それは、事前のサインに応じてってことではないですよね?」
「はい。あくまでも実際の状況に応じて、です」
アメリカではピッチコムの使用も許可されており、バッテリー以外3選手までなら他の野手も受信機を身に着けることができる。
この3選手は主に二遊間とセンターが多いようだが、つまるところピッチャーが次に投げる球種やコースは一部野手と共有されている。
シチュエーション毎の守備シフト変更も、ベンチからのブロックサインと組み合わせれば丸暗記に比べれば難易度は高くない。
しかし、ピッチャーが投げる球、その1球に対するバッターのスイングは機械のように常に一定になるとは限らない。
バンビーノ選手レベルならそのピッチングは信頼に値するだろうが、いくら世界最高峰の大リーグとは言え後続のピッチャーまで同等の精度という訳ではない。
コントロールミスだってあるし、意表を突いた奇襲攻撃を受けることもある。
咄嗟の判断で正解を出すには、それこそグラウンドに立つ選手自身がバッターの情報を1から10まで頭にインプットしておかなければならない。
これを当たり前にできるのは、今生ではアメリカぐらいのものだろう。
「ダイナミックな野球に隠れた緻密さ。やっぱり、これがアメリカ野球の正体ね」
「ええ。そこを見誤ると間違った道に進むことになります」
陸玖ちゃん先輩が難しい顔で口にした呟きに、俺も頷きながら言う。
過去実際に誤ってフィジカル偏重で来てしまったのがこの世界の日本だからな。
「秀治郎選手。これに対抗する方法は……やっぱりシフト破りですか?」
「そう、ですね。基本的には」
五月雨さんの問いかけに少し考えるようにしながら答える。
大胆なシフトを敷けば、当然の結果として守備位置が歪となって穴が生じる。
誰がどう見たって、そこを狙えばヒットの確率は高くなるだろう。
「ですが、あちらでは余りシフト破りには積極的ではないようでしたけど……」
「それってあっちの不文律って奴なのかなぁ?」
首を傾げた佐藤さんに同調するように藻峰さんが疑問を口にする。
確かにメリットが大きければシフト破りが横行して然るべきだ。
しかし、実際にはそうなっていない。
そこには何か原因があると考えるのが妥当だろう。
「……不文律、という程のものではないと思います」
前世でもシフト破りは珍しくはあれ、大リーグでも全くない訳ではなかった。
実行したところで別に非難されるような戦術でもなかった。
ただ、何故それが珍しいのかと言えば――。
「単純に合理的な判断です。シフト破りをしようとすると必然的にコンタクト重視のバッティングになる。結果、長打が出にくくなる。得点の期待値が下がる」
人差し指、中指、薬指と指を立てていきながら告げる。
アメリカの考えはシンプルだ。シンプルであるが故に合理的だ。
「シフト破りで打たれたシングルヒット1本は大勢に影響がない。ただ、それだけのことでしかありません」
シフトの穴を狙えばヒットの確率が上がるからと言って、別に100%の確率でヒットにすることができるようになる訳じゃない。
何割とかでもなく、数分のスケールでしかないだろう。
塁打の数で言えば、どれだけ増えても1が2になる訳じゃない。
だったら強い打球を飛ばして長打になった方が得点の期待値は高い。
一応、打率のスタッツは上がるだろうが、それだけだ。
逆にシフトの穴を意識し過ぎてバッティングを崩す恐れだってあるしな。
「じゃあ、シフト破りなんて意味ないじゃん」
「いえ。それはあくまでもアメリカ人だからこその論理です」
「どういうこと?」
「あくまで多少バットの芯から外れたり、タイミングがズレたり、こすったりしたところで長打を打てるフィジカルを前提とした考え方ということです」
強引に打ちに行っても外野の頭を超えられないようなパワーでは成り立たない。
ましてや相対するのはアメリカ最強クラスのピッチャー。
決勝トーナメントで立ち塞がるとすれば、サイクロン・D・ファクト選手かジャイアント・R・クレジット選手だろう。
あるいはバンビーノ選手という可能性もゼロではないが……。
いずれにしても容易に長打を打てるような相手ではない。
「それこそ平均的な日本人野球選手だったら、シフト破りを狙った方が得点できる確率が高くなる可能性もあります」
ただ、ステータスがカンストしていれば長打を狙った方がいいだろうけどな。
俺の想定する日本代表のスターティングオーダーなら狙いはそれでいい。
とは言え、長打を狙うにしてもシフトの影響が全くない訳ではない。
だからこそ――。
「そしてアメリカがそこまで俺達の情報を収集しているのだとすれば、その側面からシフト破りをすることも可能かもしれません」
場所はいつもの村山マダーレッドサフフラワーズ球団事務所会議室。
メンバーは前回ある種の結成式を行った時の面々と同じ。
その彼女達には少し前に、バンビーノ・G・ビート選手擁するニューヨーク・ノーザンライツのホームゲームを含む2試合の偵察を行ってきて貰っていたが……。
どうやら、そこでちょっとしたトラブル(?)が起きていたらしい。
その報告を、俺達は開始早々真っ先に受けていた。
「――そうですか。バンビーノ選手がそんなことを……」
ニューヨーク・ノーザンライツ対ボストン・レッドホーザリーズ。
その試合終了後、預かりサービスに預けた荷物を返して貰いに行ったところを半ば強引に呼び出され、意図せず彼と会話をする機会を得るに至った。
そこで交わした会話によると、バンビーノ選手は俺のことを、より正確に言えば俺達のことを思った以上に詳しく把握していたらしい。
まあ、俺がWBW日本代表に選ばれた時点でそうであっても何ら不思議ではなかったけれども、実際に彼自身の口から告げられると色々と思うところも出てくる。
バンビーノ・G・ビート。現世界最強のベースボールプレイヤー。
最強のピッチャーとか最強のバッターとなると議論の余地が出てくるものの、野球選手という括りとなると彼はかけ値なしにそう言うことができる存在だ。
アメリカ人も10人が10人そう答えるだろう。
たとえ推している球団がニューヨーク・ノーザンライツではなくても。
尚且つ俺にとって彼は、前世におけるレジェンド大リーガーの魂を宿す存在だ。
そんなバンビーノ選手が、野球狂神に余りものとして拾い上げられた俺を……。
この気持ちをどう表現していいものか分からない。
色々な感情が入り混じっていて明確に表すのは難しい。
けれども、何となく。
卑屈な部分が結構な割合を占めている感じがしていた。
「そんな、野球を楽しむべきって言われてもな……」
口の中で困惑と共に小さく呟く。
そういった感覚は正直、野球をプレイする中ではほとんど感じたことがない。
たとえあったとしても、基本的に育成ゲームや球団経営シミュレーションゲームでうまくプレイングがはまったみたいなものでしかなかったように思う。
今後どうなっていくかはまだ分からないけれども、少なくとも現時点の俺は根本的な部分で競技者ではないのだろう。
ただ「プロ野球選手野村秀治郎」のイメージを崩さないように、必死にそれっぽい演技をしているだけのようなものだしな。
「もっとも、打倒アメリカを掲げている訳だから必然的に壁になってくれって要望には応えることになるだろうけど」
屁理屈を言うなら。
ものごとは楽しむべきで無条件に楽しめるものじゃないだろう。
勿論、楽しもうとすることはできるかもしれないけれども……。
実際に楽しむことができるかはまた別の話だ。
ほとんどの場合、楽しさというものは自ずと湧き上がってくるものなのだから。
むしろ意識し過ぎてしまったら、楽しむことができる芽が摘まれる気もする。
今は余り、そこに関しては考えない方がいいだろう。
「それよりも、改めて報告をお願いできますか?」
俺がそう促すと、佐藤さんが代表して「はい」と応じてそのまま本題に入った。
「まず大リーグの野球を現地で見て特に印象に残ったのは、世間で言われている以上に守備のシフトが極端に敷かれているということです」
そう彼女が言う横で、仁愛さんがパソコンの操作を始める。
すると、プロジェクタースクリーンに映し出されていた画面が変化し、超リアルな野球ゲームの守備モードのようなものが俯瞰視点で表示された。
綾瀬さん、矢口さん、与田さんのレアキャラ男性陣が制作したプログラムだ。
野球ゲームの応用で、守備シフトを細かく弄ることができるモードのようだ。
既に編集結果は記録して保存されているらしい。
仁愛さんの操作でそれが呼び出され、画面内の選手達の守備シフトが変化する。
「これはボストン・レッドホーザリーズの中核打者、ジョー・テイル選手に対するニューヨーク・ノーザンライツの守備の動きになります」
画面端にボールカウントが記載されており、その試合の該当する打席の実際のカウント推移と同じように変化していく。
それに合わせるように、ニューヨーク・ノーザンライツ選手を模してモデリングされた画面の中の選手達もまた移動していった。
そして最後には、打った時の双方の動きもまた再現される。
「御覧の通り、1球毎、シチュエーション毎に大胆に守備位置を変えているのが分かります。これは当然ながら、全ての選手1人1人に合わせて行われています」
まあ、そのぐらいは前世ならやっているチームはやっていることだ。
今生の日本プロ野球だと少々怪しいけれども、俺としてはそこまで驚きはない。
俺達も村山マダーレッドサフフラワーズもその更に上を目指して座学をしている訳だから、仲間達だってアメリカ大リーグであれば当然だろうと思うはずだ。
「ジョー・テイル選手は特に引っ張り傾向が強い右バッターなので、全体的に3塁寄りですが、更にカウントに応じて数センチ単位で微調整しているようでした」
塁の埋まり方でも細かく位置が決められていることが見て取れる。
とは言え、真骨頂はここからだ。
「それを基本形として、実際のピッチングに合わせて選手が自ら臨機応変に守備位置を再調整しています」
「それは、事前のサインに応じてってことではないですよね?」
「はい。あくまでも実際の状況に応じて、です」
アメリカではピッチコムの使用も許可されており、バッテリー以外3選手までなら他の野手も受信機を身に着けることができる。
この3選手は主に二遊間とセンターが多いようだが、つまるところピッチャーが次に投げる球種やコースは一部野手と共有されている。
シチュエーション毎の守備シフト変更も、ベンチからのブロックサインと組み合わせれば丸暗記に比べれば難易度は高くない。
しかし、ピッチャーが投げる球、その1球に対するバッターのスイングは機械のように常に一定になるとは限らない。
バンビーノ選手レベルならそのピッチングは信頼に値するだろうが、いくら世界最高峰の大リーグとは言え後続のピッチャーまで同等の精度という訳ではない。
コントロールミスだってあるし、意表を突いた奇襲攻撃を受けることもある。
咄嗟の判断で正解を出すには、それこそグラウンドに立つ選手自身がバッターの情報を1から10まで頭にインプットしておかなければならない。
これを当たり前にできるのは、今生ではアメリカぐらいのものだろう。
「ダイナミックな野球に隠れた緻密さ。やっぱり、これがアメリカ野球の正体ね」
「ええ。そこを見誤ると間違った道に進むことになります」
陸玖ちゃん先輩が難しい顔で口にした呟きに、俺も頷きながら言う。
過去実際に誤ってフィジカル偏重で来てしまったのがこの世界の日本だからな。
「秀治郎選手。これに対抗する方法は……やっぱりシフト破りですか?」
「そう、ですね。基本的には」
五月雨さんの問いかけに少し考えるようにしながら答える。
大胆なシフトを敷けば、当然の結果として守備位置が歪となって穴が生じる。
誰がどう見たって、そこを狙えばヒットの確率は高くなるだろう。
「ですが、あちらでは余りシフト破りには積極的ではないようでしたけど……」
「それってあっちの不文律って奴なのかなぁ?」
首を傾げた佐藤さんに同調するように藻峰さんが疑問を口にする。
確かにメリットが大きければシフト破りが横行して然るべきだ。
しかし、実際にはそうなっていない。
そこには何か原因があると考えるのが妥当だろう。
「……不文律、という程のものではないと思います」
前世でもシフト破りは珍しくはあれ、大リーグでも全くない訳ではなかった。
実行したところで別に非難されるような戦術でもなかった。
ただ、何故それが珍しいのかと言えば――。
「単純に合理的な判断です。シフト破りをしようとすると必然的にコンタクト重視のバッティングになる。結果、長打が出にくくなる。得点の期待値が下がる」
人差し指、中指、薬指と指を立てていきながら告げる。
アメリカの考えはシンプルだ。シンプルであるが故に合理的だ。
「シフト破りで打たれたシングルヒット1本は大勢に影響がない。ただ、それだけのことでしかありません」
シフトの穴を狙えばヒットの確率が上がるからと言って、別に100%の確率でヒットにすることができるようになる訳じゃない。
何割とかでもなく、数分のスケールでしかないだろう。
塁打の数で言えば、どれだけ増えても1が2になる訳じゃない。
だったら強い打球を飛ばして長打になった方が得点の期待値は高い。
一応、打率のスタッツは上がるだろうが、それだけだ。
逆にシフトの穴を意識し過ぎてバッティングを崩す恐れだってあるしな。
「じゃあ、シフト破りなんて意味ないじゃん」
「いえ。それはあくまでもアメリカ人だからこその論理です」
「どういうこと?」
「あくまで多少バットの芯から外れたり、タイミングがズレたり、こすったりしたところで長打を打てるフィジカルを前提とした考え方ということです」
強引に打ちに行っても外野の頭を超えられないようなパワーでは成り立たない。
ましてや相対するのはアメリカ最強クラスのピッチャー。
決勝トーナメントで立ち塞がるとすれば、サイクロン・D・ファクト選手かジャイアント・R・クレジット選手だろう。
あるいはバンビーノ選手という可能性もゼロではないが……。
いずれにしても容易に長打を打てるような相手ではない。
「それこそ平均的な日本人野球選手だったら、シフト破りを狙った方が得点できる確率が高くなる可能性もあります」
ただ、ステータスがカンストしていれば長打を狙った方がいいだろうけどな。
俺の想定する日本代表のスターティングオーダーなら狙いはそれでいい。
とは言え、長打を狙うにしてもシフトの影響が全くない訳ではない。
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