『問』の答えと、その問いに関するもの。
そうはならない
或声 お前は俺の思惑通り人間なのだ。無論お前が俺をそう仕向けたのだから、当然の話だがね。
僕 僕は僕だ。それ以上でもそれ以下でもない。
或声 お前は俺のことはよく知っている筈だよな?何しろ自分のことなのだから……。
僕 いや、知りませんよ?だってあなたはあなたでしかないでしょう? 
或声 確かにその通りだが、それでも少しは分かっていることがあるのではないかね?例えばそうだなあ、たとえばお前の好きな食べ物は何だったか思い出してみたまえ……。
僕 好きなものなんてありませんよ?そんなものは最初からありませんでしたから……。
或声 ふむ、なるほどなあ。では逆に嫌いな食べ物を考えてみてはどうだ? 
僕 そうですねえ、特にこれと言って思い浮かびませんねえ……。強いて言えば苦い味のものはあまり好きではありませんけど……。
或声 そうか?それならば甘い食べ物はどうかね?例えばケーキとかクッキーといった類のものだと思うのだが……? 僕 ええ、それなら大好きですよお。特にチョコレートなんか最高ですね!あの芳醇な香りと味わい深さと言ったらもう!まさにこの世の至宝と呼ぶに相応しいと思います! 
或声……そ、そうか……。それならよかったじゃないか……。いや、実に羨ましい限りだよ……!私も一度でいいから直接食べてみたいと思うよ!何せ私は甘いものなど生まれて此の方一度も口にしたことがないのでなあ!全くもって残念至極としか言いようがない!もし機会があるのなら是非とも味わってみたかったものだが、残念ながらそれはもう叶わぬ願いのようだ……。それにしても何とも贅沢なことだな!この世で最も素晴らしいものを味わうことができるというのに、敢えてそれを拒むというのは一体全体どういうわけなのだろうか!?私にはどうしても理解できないのであるが、君はその辺についてどう思うのかね? 
僕 あ、はい……。ええと、僕は別に食べたいとは思わないんですが……。どちらかと言えば嫌いですし……。というかむしろ苦手ですかね……?だから食べること自体があまり好きじゃないんです……。だから出来れば食べたくはありませんし、できることなら食べずに済ませたいくらいなんですが……。まあそんなことを言っても仕方がありませんので我慢することにしています……。それにあなたに言われなくてもそれくらいのことは分かっていますから大丈夫ですよ?僕にも一応そういう分別くらいはありますから……。それともう一つ言わせてもらえれば、僕は決して甘いものが好きなわけではありませんから……。あなたが勝手にそう思い込んでいるだけだと思いますけどね……。
或声 ほう、そうなのかね?しかし先程君が言った『最も素晴らしいもの』という言葉には嘘偽りはなかった筈だが……?まさかとは思うが、あれは全て本心から出た言葉ではないのかね?だとしたら随分と白々しいことを言うではないか……。君の言動を見ているとまるで説得力に欠ける気がするのだが、果たして本当にそう思って言っているのか、それとも単なる強がりなだけなのかどうかは、この際はっきりとさせておくべきだと思うがね……。
僕 いいえ、違いますよ?本当にそう思っているからこそ、こうして正直に話しているんじゃないですか……。僕はあなたのことを誰よりも信頼していますから、尚更本当のことしか言いませんよ……? 或声 ふうん、そうかい。まあいいだろう。そういうことにしておいてやるよ。ところで話は変わるのだが、君にとって大切な物とは一体何だね? 僕 うーん、そうですねぇ……。やっぱりお金ですかねえ
僕 僕は僕だ。それ以上でもそれ以下でもない。
或声 お前は俺のことはよく知っている筈だよな?何しろ自分のことなのだから……。
僕 いや、知りませんよ?だってあなたはあなたでしかないでしょう? 
或声 確かにその通りだが、それでも少しは分かっていることがあるのではないかね?例えばそうだなあ、たとえばお前の好きな食べ物は何だったか思い出してみたまえ……。
僕 好きなものなんてありませんよ?そんなものは最初からありませんでしたから……。
或声 ふむ、なるほどなあ。では逆に嫌いな食べ物を考えてみてはどうだ? 
僕 そうですねえ、特にこれと言って思い浮かびませんねえ……。強いて言えば苦い味のものはあまり好きではありませんけど……。
或声 そうか?それならば甘い食べ物はどうかね?例えばケーキとかクッキーといった類のものだと思うのだが……? 僕 ええ、それなら大好きですよお。特にチョコレートなんか最高ですね!あの芳醇な香りと味わい深さと言ったらもう!まさにこの世の至宝と呼ぶに相応しいと思います! 
或声……そ、そうか……。それならよかったじゃないか……。いや、実に羨ましい限りだよ……!私も一度でいいから直接食べてみたいと思うよ!何せ私は甘いものなど生まれて此の方一度も口にしたことがないのでなあ!全くもって残念至極としか言いようがない!もし機会があるのなら是非とも味わってみたかったものだが、残念ながらそれはもう叶わぬ願いのようだ……。それにしても何とも贅沢なことだな!この世で最も素晴らしいものを味わうことができるというのに、敢えてそれを拒むというのは一体全体どういうわけなのだろうか!?私にはどうしても理解できないのであるが、君はその辺についてどう思うのかね? 
僕 あ、はい……。ええと、僕は別に食べたいとは思わないんですが……。どちらかと言えば嫌いですし……。というかむしろ苦手ですかね……?だから食べること自体があまり好きじゃないんです……。だから出来れば食べたくはありませんし、できることなら食べずに済ませたいくらいなんですが……。まあそんなことを言っても仕方がありませんので我慢することにしています……。それにあなたに言われなくてもそれくらいのことは分かっていますから大丈夫ですよ?僕にも一応そういう分別くらいはありますから……。それともう一つ言わせてもらえれば、僕は決して甘いものが好きなわけではありませんから……。あなたが勝手にそう思い込んでいるだけだと思いますけどね……。
或声 ほう、そうなのかね?しかし先程君が言った『最も素晴らしいもの』という言葉には嘘偽りはなかった筈だが……?まさかとは思うが、あれは全て本心から出た言葉ではないのかね?だとしたら随分と白々しいことを言うではないか……。君の言動を見ているとまるで説得力に欠ける気がするのだが、果たして本当にそう思って言っているのか、それとも単なる強がりなだけなのかどうかは、この際はっきりとさせておくべきだと思うがね……。
僕 いいえ、違いますよ?本当にそう思っているからこそ、こうして正直に話しているんじゃないですか……。僕はあなたのことを誰よりも信頼していますから、尚更本当のことしか言いませんよ……? 或声 ふうん、そうかい。まあいいだろう。そういうことにしておいてやるよ。ところで話は変わるのだが、君にとって大切な物とは一体何だね? 僕 うーん、そうですねぇ……。やっぱりお金ですかねえ
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