【コミカライズ】ヴァンパイア執事はお嬢様に心を読まれています

黒月白華

久しぶりの料理

空き家に戻ると、ココが

「やっと戻ってきた!!早くココ達を自由にしてよ!!」

「叔父様…。お願い!
胸が苦しくて堪らないわ!解いてほどいてくださらない?」
とミアは相変わらず色目を使ってくる。

「ふふふ、ハニートラップには慣れているんだ。それよりも話をしよう。

おっと!その前にご飯を作ろう。あの竈門はまだ使えると思うしね。

エレン手伝ってくれ」
と叔父さんは腕を捲る。

「叔父さんの料理を手伝うのは久しぶりです!

あ、お嬢様は座っていてくださいね!」
とにこっとすると

「お前…。私が不器用だからって……」
不貞腐れるふてくされるお嬢様も可愛い!
しかし大人しく座って待つ事にしたお嬢様。


しばらくして叔父さんと料理を作り、テーブルに買ってきた綺麗な布をかけ、買ってきた木製もくせいの、お皿とナイフやフォークスプーンも丁寧に並べた。僕のおかねだけどね!!(泣)

お嬢様の座る椅子を僕は引いて、久しぶりに執事として振る舞う。

ぐううううとココのお腹が鳴った。

「何!?このとてつもなくいい匂い!!お腹減ったよおおお!!」
と暴れるココに叔父さんは

「ハッハッハ!お手!」
と犬を躾けるように手を出す。

「キー!!ココ、いぬじゃないもん!!」
とココは怒るがミアは

「ハアハア!!ワン!!ワン!!」
と恍惚になる。因みに縛られているから手は出せないし…。
お嬢様は、もはや冷めた目で見ていた。

「さて、食事にしようか。お嬢様、鴨肉の香草ステーキに、体の温まる 鶏肉とりにくとトマトとレンズ豆の特製スープをご用意しました。

温野菜サラダはこちらの特製のソースをつけて、どうぞ召し上がりください!豊富な栄養素が揃っております!

こちらのホクホク芋は塩バターを付けると美味しいですよ」

「う、うむ…。料理長の料理は久しぶりだな……」
ゴクリとお嬢様が唾を飲む。

「本格的な厨房ではないから、軽いものしか作れなくてすみませんな」

「……僕もいつかお嬢様の胃袋を掴みたい!!」
と悔しがるとお嬢様は

「エレンには無理だろう。料理長の腕にはまだまだだな」

「エレン残念だったな、料理では私に敵わないよ」
と叔父さんが笑うが

「ちょっとーー!!私にも食べさせろーー!!」
とココがお腹を鳴らす。
叔父さんは

「マナーの悪い娘さんだな。私達にした事を忘れたのかい?黙ってそこで、私達の食事が終わるまで待っていなさい」
と叔父さんは厳しくココに言うと

「ふん!」
とココはほおを膨らませ、ミアは

「叔父様ー!?ミアは大人しく待っておりますわ!叔父様の指から直接食べさせて貰いたいですわ!」
とこっちはこっちで気持ち悪いくらいだ。

「い、いただきます」
とお嬢様が手を合わせる。
僕達は待っていたが、お嬢様が気付いて

「何をしてるんだ?お前達も食べろよ?」
と言う。

「私達は……。主人様より先に食べてはいけないと言う……」
と言うと、お嬢様は

「おい、ここは侯爵ではないし、こんな空き家で何言ってるんだ。さっさと食べろ!

そ、それに誰かとこうしてテーブルで食事をするのも久しぶりなんだ……」

「「お嬢様」」
僕と叔父さんは慌てて席に着いた。

「お嬢様と同じテーブルでお食事できるなんて感激です!!」

「今回は特例とします!!」

と僕は久しぶりに叔父さんの料理を口にする。

んーーー!!口に広がるジューシーな鶏肉の味がした。
焼き加減も絶妙だ!!の味がした。ハーブで味付けしているから更に美味しく纏っている!
焼き加減も絶妙だ!!

「美味しい!!やっぱり叔父さんの料理は美味しいね!!」

「ハハ!そうだろう?今度実家に帰ったら、家族達にも振る舞うよ!久しぶりにな!!」

みんなとても喜ぶよ!!」
母さんや父さん、兄さん達も叔父さんの料理好きだし!!

「………」
お嬢様も美味すぎて無言だし!
しかしお嬢様はガタンと立ち上がり、ミア達の前に立つ。

「さっきからお前達の記憶が流れ込んでくるんだよ!!

子供の頃のことなんか思い出しやがって!!」
とココとミアを見ると彼女達は涙を流していた。

「うるさいわね!バケモノ!人の心に勝手に入ってこないでよ!!」

「ココ達もお父さんとお母さんと一緒に楽しく食べてたもん!

お母さんの料理が1番美味しかった!!」
とココは泣く。

「抵抗しないなら外してやる」
とお嬢様が言う。

「逃げようとしても私にはわかるし、金髪達が催眠にかける!」
とお嬢様が言うと

「逃げないよ……。ごめんなさい……」
とココは誤った。ミアも

「何だかバカらしくなったわ……。懐かしい光景を思い出したわ…」
と言う。お嬢様は2人の心を読み、

「逃げる気は無いみたいだ。変な事をしようとしたら私が先に知らせる」
と言うと叔父さんは2人を少し睨み、

「…わかりました。お嬢様に免じて、この数日のことは多めに見ましょう。2度と食べ物を粗末にしない様に!」
と注意して2人の拘束を解き、テーブルに付かせた。

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