【コミカライズ】ヴァンパイア執事はお嬢様に心を読まれています
鷹に追いかけられる鴉
ミアは血の付いた拳を握り締め、悔しそうに地下への入り口を睨んでいた。
流石に追って行けないだろう……。
ココもまだ、カチカチと歯を鳴らしたまま、心身喪失した状態から動けない。
しかしお嬢様は
「金髪……。動けるか?
ここから逃げよう。人が来るぞ。
お前達も……、捕まりたくないなら動け!」
と言う。
僕は全身の痛みを耐えて、何とか起き上がる。
「お、おい、お前大丈夫か?」
「は、はい……。体中痛いけど……」
お嬢様が支えてくれる。歩く度に頭がグラつくが、我慢する。ダンピールだから1日立てば何とか治るが。
「もういい、お前は猫にでも変身しろ」
とお嬢様が言う。
僕は従い、何とか黒猫に変身するが、やはり歩けない。
お嬢様がヒョイと僕を抱えた。
そうか、この為に変身させたのか。
3日戻らないけど……。
ミアもハッとして
「ま、待ちなさい!!
ココ!何してるの!?ココ!」
と揺さぶり、ココはようやく
「あれ?ミア?あれ?」
「とにかく、ここから離れるわよ!」
と鞄を持ち、僕達の後に続いた。
従業員達が、さっきまでいた暗い廊下に集まってくる音が聞こえた。
僕達は隙を見て裏口から抜け出して、元来たように梯子を使い、塀を乗り越えて、とりあえず空き家に逃げ込んだ。
うう、痛い……。気を失いそうだ。
「しっかりしろ!金髪!!」
《お嬢様……。明日には完治します。
何とか耐えます……》
と必死で心の中で応える。
「……わかってる。少し眠った方がいい……」
ね、眠ったら死にそう……。
しかし、痛みで気を失い、少し経った時、何かの言い争いの声で目が覚めた。
「この役立たず!!」
ミアの怒鳴り声だ。
目を開けると、ココは泣いていて、ミアに叩かれたのか、頰が腫れている。
一体どんな状況!?
「うう……、ごめんココ!こ、怖くて!思い出して……!動けなくて……!」
「私達はハンターでしょ!?あの男が憎いのに、何であんたは動けなかったのよ!!
普段は動けたのに!肝心なところで!!
あのまま死ぬところだったのよ!?」
とミアはココに対して、先程の戦闘で動けなかったのを責めていた。
「やめろ、見苦しい!」
とお嬢様が言うと、ミアはキッとして
「よく言うわよ!この!大嘘つき女!!
あんた……、サトリですって!?
人の心の中の声が読める!?どうりで勘が良すぎると思っていたのよ!!
このバケモノ!!」
とミアが言い、お嬢様はビクッとした。
や、やめろ、お嬢様をいじめるな!!
しかし、猫になった今、か細い声で鳴く事しかできない。
「あんたも殺しておく必要があるわ!あの男の妻になられちゃ困るし!」
「なっ!私があんな男の妻になるわけないだろ!!お義父様とお義母様を殺したんだぞ!?」
「知らないわよ!!私だって、村の人達全員殺された!!その仇が標的としている女よ!
隷属になる前に殺してあげるわよ!!」
とミアが銀の剣を抜いた時だった!!
ガシャンと黒い物体が窓を割り、転がりこんできた!!
「な、何!?」
物体は傷付いた鴉だった!!
そして今度は……、バサバサと鷹が入ってきた!!
「あっ!ジュリアン!?」
ココが気付いた。
「ココ!!その鷹を大人しくする様に命令しろ!!早く!!」
とお嬢様が傷付いた鴉の前に立つ!
危ない!つつかれたら!!
しかし猫の僕はまだ少しくらいしか動けずだ。
「……ジュリアン!!おいで!!」
とココが命じると、
ジュリアンは
「ヂッ!」
と短く警戒した声を出して、ココの元へ行く。
「一体何なの!?ジュリアンが餌を獲ってきたの!?
全く、鴉なんて醜い鳥、さっさと追い出してよ!!
黒猫に鴉なんて不吉勢揃いだわ!!」
とミアが酷いことを言う。
「……こいつは鴉じゃないよ…。エレンの叔父だ」
と言う。
は!?
僕は驚いて猫の姿で鴉を見た!!
んん!?
心なしか鴉もこちらに助けを求める様に見ていて、ヨタヨタとこちらに来る。
お、叔父さん!?アッサール叔父さんなの!!?
「料理長だろ?」
とお嬢様が言うと鴉は
「カァー……」
と鳴き、首を縦に振る。こんな返事する鴉見たことない!やっぱり叔父さんだ!!
感動の再会だが、お互い鴉と猫という姿だし、どうにも言葉も通じないし通訳にお嬢様が割って入るという異常事態だ。
そこでミアが
「は!?叔父!?どう言うことよ!?
その鴉もダンピールなの!?」
「ダンピールに決まってんだろ?昼間も灰にならず飛び回ってんだから。ハンターって頭悪いな」
とお嬢様が馬鹿にした様にミアに言う。
と言うかもう、演技はやめた様だ。
「はああーー!?
あんた、口悪いわね!
それがあんたの素なのね!?
か弱そうに演技してたのね!?とんだバケモノだわ!!」
「ふん、何とでも呼べば!?言っとくけど、あんた達の心の声なんか私には丸聞こえだからね!」
「勝手に人の心の声、聞いてんじゃないわよ!!バケモノ!バケモノ!!」
「勝手に聞こえてくるんだから仕方ない!ああ、うるさい!人の悪口ばっか言って!」
と2人はまたバチバチと火花を散らしていた。
僕は叔父さんを見て、叔父さんも何だかポカンとしていたが、とりあえず静かに僕の横に来て羽を休めた。
流石に追って行けないだろう……。
ココもまだ、カチカチと歯を鳴らしたまま、心身喪失した状態から動けない。
しかしお嬢様は
「金髪……。動けるか?
ここから逃げよう。人が来るぞ。
お前達も……、捕まりたくないなら動け!」
と言う。
僕は全身の痛みを耐えて、何とか起き上がる。
「お、おい、お前大丈夫か?」
「は、はい……。体中痛いけど……」
お嬢様が支えてくれる。歩く度に頭がグラつくが、我慢する。ダンピールだから1日立てば何とか治るが。
「もういい、お前は猫にでも変身しろ」
とお嬢様が言う。
僕は従い、何とか黒猫に変身するが、やはり歩けない。
お嬢様がヒョイと僕を抱えた。
そうか、この為に変身させたのか。
3日戻らないけど……。
ミアもハッとして
「ま、待ちなさい!!
ココ!何してるの!?ココ!」
と揺さぶり、ココはようやく
「あれ?ミア?あれ?」
「とにかく、ここから離れるわよ!」
と鞄を持ち、僕達の後に続いた。
従業員達が、さっきまでいた暗い廊下に集まってくる音が聞こえた。
僕達は隙を見て裏口から抜け出して、元来たように梯子を使い、塀を乗り越えて、とりあえず空き家に逃げ込んだ。
うう、痛い……。気を失いそうだ。
「しっかりしろ!金髪!!」
《お嬢様……。明日には完治します。
何とか耐えます……》
と必死で心の中で応える。
「……わかってる。少し眠った方がいい……」
ね、眠ったら死にそう……。
しかし、痛みで気を失い、少し経った時、何かの言い争いの声で目が覚めた。
「この役立たず!!」
ミアの怒鳴り声だ。
目を開けると、ココは泣いていて、ミアに叩かれたのか、頰が腫れている。
一体どんな状況!?
「うう……、ごめんココ!こ、怖くて!思い出して……!動けなくて……!」
「私達はハンターでしょ!?あの男が憎いのに、何であんたは動けなかったのよ!!
普段は動けたのに!肝心なところで!!
あのまま死ぬところだったのよ!?」
とミアはココに対して、先程の戦闘で動けなかったのを責めていた。
「やめろ、見苦しい!」
とお嬢様が言うと、ミアはキッとして
「よく言うわよ!この!大嘘つき女!!
あんた……、サトリですって!?
人の心の中の声が読める!?どうりで勘が良すぎると思っていたのよ!!
このバケモノ!!」
とミアが言い、お嬢様はビクッとした。
や、やめろ、お嬢様をいじめるな!!
しかし、猫になった今、か細い声で鳴く事しかできない。
「あんたも殺しておく必要があるわ!あの男の妻になられちゃ困るし!」
「なっ!私があんな男の妻になるわけないだろ!!お義父様とお義母様を殺したんだぞ!?」
「知らないわよ!!私だって、村の人達全員殺された!!その仇が標的としている女よ!
隷属になる前に殺してあげるわよ!!」
とミアが銀の剣を抜いた時だった!!
ガシャンと黒い物体が窓を割り、転がりこんできた!!
「な、何!?」
物体は傷付いた鴉だった!!
そして今度は……、バサバサと鷹が入ってきた!!
「あっ!ジュリアン!?」
ココが気付いた。
「ココ!!その鷹を大人しくする様に命令しろ!!早く!!」
とお嬢様が傷付いた鴉の前に立つ!
危ない!つつかれたら!!
しかし猫の僕はまだ少しくらいしか動けずだ。
「……ジュリアン!!おいで!!」
とココが命じると、
ジュリアンは
「ヂッ!」
と短く警戒した声を出して、ココの元へ行く。
「一体何なの!?ジュリアンが餌を獲ってきたの!?
全く、鴉なんて醜い鳥、さっさと追い出してよ!!
黒猫に鴉なんて不吉勢揃いだわ!!」
とミアが酷いことを言う。
「……こいつは鴉じゃないよ…。エレンの叔父だ」
と言う。
は!?
僕は驚いて猫の姿で鴉を見た!!
んん!?
心なしか鴉もこちらに助けを求める様に見ていて、ヨタヨタとこちらに来る。
お、叔父さん!?アッサール叔父さんなの!!?
「料理長だろ?」
とお嬢様が言うと鴉は
「カァー……」
と鳴き、首を縦に振る。こんな返事する鴉見たことない!やっぱり叔父さんだ!!
感動の再会だが、お互い鴉と猫という姿だし、どうにも言葉も通じないし通訳にお嬢様が割って入るという異常事態だ。
そこでミアが
「は!?叔父!?どう言うことよ!?
その鴉もダンピールなの!?」
「ダンピールに決まってんだろ?昼間も灰にならず飛び回ってんだから。ハンターって頭悪いな」
とお嬢様が馬鹿にした様にミアに言う。
と言うかもう、演技はやめた様だ。
「はああーー!?
あんた、口悪いわね!
それがあんたの素なのね!?
か弱そうに演技してたのね!?とんだバケモノだわ!!」
「ふん、何とでも呼べば!?言っとくけど、あんた達の心の声なんか私には丸聞こえだからね!」
「勝手に人の心の声、聞いてんじゃないわよ!!バケモノ!バケモノ!!」
「勝手に聞こえてくるんだから仕方ない!ああ、うるさい!人の悪口ばっか言って!」
と2人はまたバチバチと火花を散らしていた。
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