【コミカライズ】ヴァンパイア執事はお嬢様に心を読まれています

黒月白華

黒髪のヴァンパイアの正体1

ミアはその男を見て、驚いた様に口を開く。

「その姿……、声……!ふふふ!
まさか!!こんな所で会えるとはね?

子供の頃に会った時とまるで同じ!!なんにも変わってないわ!!

さすが不死のヴァンパイアね!!」
とミアが笑う。

ココは痛さも忘れて言葉を失い、男を見つめた。

「どうやら、あの真性ヴァンパイア……。ミア達の村を襲った奴みたいだな」
とお嬢様が言う。

なるほど。
男から異常なほど血の匂いや、なんだかわからないほどの狂気とも言える恐ろしさを感じた。

昨日のあの隷属の男とは、別格の本物のバケモノだと感じた。

「はあ、眠い…。
とりあえずお嬢さん達、地下で良ければ話をしようか?」
と入り口へ招く男。

「は、私達を地下へ?冗談でしょ?あんたはここで殺すのよ!!」
とミアが銃を撃った!!

しかし男は、銃弾が当たった肩の部分だけ、霧にして避けたよけた

なにやら怒っているが?美しいお嬢さん達?もしやどこかでお会いしましたか?

こんなに美しい人を忘れるはずはないのに」

と言う黒髪の男に、ミアは

「このクソ野郎!!私達の親を殺して村の人も全員、噛み殺した癖に!!

お前だけは許せない!!」
ミアは聖水を取り出そうとしたが、男は蝙蝠こうもりになり霧散していく!

そして蝙蝠こうもりから戻り、廊下の暗がりに立ち、

「んん?村?小さな村はたくさん餌場えさばにしてきたから、どれがどうとはあまり覚えていませんね。昔の事ですし?

お腹が空いたらすいたら、つまみ食いで旅人たびびとを襲ったケースもあるし……。ふーむ、どれだろうなあ!?」
と言う男に、今度はお嬢様が震え出しクロスボウを向けた。

「お、お嬢様!?」

「金髪……。こいつ、こいつ!!」
カタカタとクロスボウを持ち、震えてお嬢様は涙を流した!!

「こいつ……!!
お義父様おとうさまお義母様おかあさまを……!
殺して……、崖から突き落とした!!」
とお嬢様が言う!!

なっ!!

「怖がるお義母様おかあさまお義父様おとうさまは庇った!!お義母様おかあさまは最後まで……、私のドレスを離さなかった!!
血を吸われても……」

嘘だろ?目の前のこのヴァンパイアが……ミア達の村を襲い、旦那様と奥様を殺した!!?

男は赤い目を光らせる。

「んん?そちらのお嬢さん?一体何者かね?

今、私の考えている事を読んだ??
そういえば、旅人たびびとを襲っている時のことをちょうど考えていたんですよ…。

あの人たちの血は美味しくて、カラカラに飲んでしまいましたが……。

娘さんは、あの時いなかったはずです。まるで見ていた様に知っているのですね?

それはもう私の心を読んだと言うしかあるまい!?」
と男は、お嬢様を見ようとして……、お嬢様は咄嗟に手で傷のない方の目を隠した!!

「おや!!これはこれは!!操って喋らせようとしたのに!!先を読まれた!!

やはりやはりやはり!あなたは私の心の声が聞こえるのですね!!見えるのですね!?素晴らしい!!」
と男は嬉しそうに言った。

ミアは男に銃を放つが、銃弾を避けよけ男は霧になり消えた、ミアは聖水を自分にかけて

「ココ!!聖水を!!」
と叫ぶが、ココはカチカチと歯を鳴らし動けない。そこへ男が霧から元に戻り、ココの後ろに立ち、首筋に近づいた。

「ココ!」
ミアが叫ぶ。
しかしそれにお嬢様がクロスボウを撃った!

男はまたも霧になり、矢は床に落ちる。
僕はココの手を引き、とりあえずお嬢様とココを後ろに守る様にした。

ミアと僕達の間から、男は霧からまた人に戻る。

「また読まれた。厄介なお嬢さんだな。だが面白い。欲しい、私の隷属にならないかな?」

と男は、

お嬢様にそう言った。

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