【コミカライズ】ヴァンパイア執事はお嬢様に心を読まれています
あの日の出来事(ミア)
許せない…。
許せない…。
私達の小さな村を襲った、あの恐ろしいバケモノの男!!
*
恐ろしく綺麗な顔に、漆黒の髪を持つ、その男は……、夜に訪ねてきた。
「こんばんわ…。旅の者です。
一晩、寝床を提供して貰えませんかな?」
と見た目はどこかの貴族みたいな格好だったので、両親と幼かった私とココは、完全にその男に騙されて家の中へ招き入れた。
平民には貴族の宿泊を断る術はない。
夕飯は食べてきたらしくて、ご飯は要らないと男は断り、夕飯後には、私達に絵本を読んで、にこやかに接してくれた。
私達はそれから眠った。
しかし、外から悲鳴が聞こえたので、目が覚めた。
「な、何?」
「ミア……!ココ怖いよ…」
とココが怯えて私に抱きつく。
窓を見ると、幾つも悲鳴が上がり、黒い煙や、数匹の蝙蝠の群れがいたりして、異様な光景だった。
私達は両親の元へと向かった。
一階にいるはずの両親の元へと行き、部屋の扉を開けると……、私達は信じられないものを見た。
「お…お父さん?」
「お母さん??」
二人とも折り重なるように、首筋の二つの穴から血を流して、既に死んでいたのだ。
「うわあああああんんん!!」
とココは取り乱して泣き出した。
私も震えつつも、他の大人の人を呼びに何とか外へ出た。
しかし、逃げ惑う村人達の悲鳴がたくさんあり、そこかしこら火が上がっていた。
「だれ…誰か助けて!!お父さんとお母さんが!!」
と私は叫んだ。近所のおばさんの家の戸を叩いたら…、
黒い蝙蝠が中から出てきて飛び去った!!
蝙蝠は人の形になり、私たちが招いた綺麗な男の人になった!!
しかしその口元は真っ赤な血に、真っ赤な目であり、私は恐ろしさで声を出すことが出来なくなった。
「……これはこれは、小さなレディ。
今お食事中でしてね。ふふふ、私を招いてくれた恩で君たち双子だけは助けてあげようね。
可愛い可愛い、家畜よ」
とその男の人はにこりと笑った。
ゾッとした。
ココが泣きながら
「ミアー!お母さん動かないよぉおお!」
と家から出てきた!
「ココ…」
ココもぎくりとして男の人の異様な血やらを見て怯えた。
「ひ……」
と震えてココは気絶してしまった。
「おやおや、可哀想に。余程怖がらせてしまったね!!くくく、愉快だ」
いつの間にか悲鳴が止んで、いくつかの家の火が燃える音しかしなくなった。
「ふふふ、もう君たち以外に動いてる人はいないかなあ?小さな村だったから吸い尽くしてしまった。ああ、ご両親はもしかしたら蘇るかもしれないよ?
バケモノになってね!!
ハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
と男が笑い、
「お嬢ちゃん?よく聞くんだ。
ご両親や枯れて死んでない村人達は、明日の夜、私と同じようにバケモノになって、生き物の血を求めてくるだろうね。
君達も殺されたくなかったら…!昼間のうちに村人達の心臓に杭を刺して回るか、火をつけて焼き殺して灰にしておくといいよ?
それでは…。良い血の夕食をありがとう!!さらばだ!!」
と男はにこやかにハンカチで口の血を拭い、コウモリに化けて夜空へと消えていった!!
私は暫く動くことができず、失神した。
そして朝になり目が覚めて、ココもボーッとしていたが…。寝室で死んでいる両親を見て夢ではないことを悟る。
ココはまた、泣き出して中々止まらない。
「ココ…泣かないで…。お父さんとお母さんが夜になってバケモノにならないように…
家に火を付けよう。必要な物、運び出して!」
「え……ミア!?」
ココは信じられないと言った目で見たけど私は何とか動いて荷造りを始めた。
「何してるのココ…。手伝ってよ」
「ミア……だって…お父さんとお母さん……」
「村の人の分もやらないといけないの。バケモノになっちゃうから!!」
「お、お母さん達を焼くの!?」
「………」
「何とか言ってよ!!」
とココが叫ぶ。
「お母さん達がバケモノになってもいいの!?昨日のあの男みたいな!!
あの男が…皆を殺したんだよ!!わ、私たちが家に入れたせいで!!」
それにココはビクっとした。
そしてまたも泣き始めた。私も我慢できなくて泣いた!!
そこへ……
「おやおや……生きている子供がいた」
と誰かが入ってきた。
「ひっ!!?」
とココと抱きついて震える!
しかし、その男の人は銀髪で顔が良くて優しそうな顔をしていた。
「私はゲオルギアス教の者です。お嬢さん達……大丈夫かな??」
とにっこり笑った。
お父さんとお母さんを見て
「可哀想に……襲われたんだね?人ではないバケモノに」
と鋭い顔になる。
「お母さんや村の人の為にも……祈りを捧げてちゃんと丁寧に葬ってあげようね?」
とその人は私達を抱きしめてくれた。
「ローラント様!!村の者達を教会に集めました!!」
と外から誰かの声がした。
何人かバタバタと足音がした。
「こちらの家で最後ですが……あっ!!?こ、子供!?
噛まれていますか!?」
「ひっ!!?」
と怯えると銀髪のお兄さんはにこりとして
「大丈夫。この子達はどこも異常がない。どうやら見逃したみたいだ」
「ご両親は…」
「ダメだね。奥で死んでいる。教会に運んでくれ」
すると数人でお父さんとお母さんを箱に入れて運び出した。
「お父さん!お母さん!!」
とココが泣きながらついていく。
「ごめんね。教会に行こう」
とお兄さんが私達の手を取り、村の教会に向かう。
そこには村の皆が箱に入れられて死んでいたのだ。やはり生きてるのは私達以外いなかった。
ローラントと呼ばれた人は祈りを唱えた。
「悪き者に尊い命を奪われた善良なる人々に、神からの安らかな眠りを与えたまえ……。
清き魂は浄化の炎と共に神の元へと旅立たん……」
ローラントさんは涙を流し敬礼した。
それから私達の頭を撫でた。
「では……これから皆に火をつけるね…。お父さん達に最後のお別れを」
と言い、箱の蓋を開ける。
「ううっ!!お父さん…お母さん…」
ココは泣いてすがる。もう喋らなくなって冷たくなった両親に私も泣いてすがる。
そしてお別れはきた。
教会に丸ごと火をつけ…、何人かの人たちは祈りを捧げて死者の魂は天へと昇った。
*
それから私達はゲオルギアス教でヴァンパイアハンターとなるべく修行を重ねて、一人前になるとココと旅立ち、各地に潜んでいるヴァンパイア達を見つけ出して殺した。
神話レベルと言われていたヴァンパイアがネズミの様に生き残って人を密かに襲い続けてる…。
ココも成長して、今ではほとんど泣かなくなり、ヴァンパイアを見つけるとまるで狩を楽しむ様に殺した。
私も殺した。奴らを殺しても何とも思わない。
今思えば私達は、既にどこか壊れかけていたのかもしれない……。
でもこの決意だけは変わらない!
私達はいつかあの男を殺す!!絶対に許せない!あの黒髪のヴァンパイアの男を!!
私達を生かしたことを!後悔させてやると決めた。
許せない…。
私達の小さな村を襲った、あの恐ろしいバケモノの男!!
*
恐ろしく綺麗な顔に、漆黒の髪を持つ、その男は……、夜に訪ねてきた。
「こんばんわ…。旅の者です。
一晩、寝床を提供して貰えませんかな?」
と見た目はどこかの貴族みたいな格好だったので、両親と幼かった私とココは、完全にその男に騙されて家の中へ招き入れた。
平民には貴族の宿泊を断る術はない。
夕飯は食べてきたらしくて、ご飯は要らないと男は断り、夕飯後には、私達に絵本を読んで、にこやかに接してくれた。
私達はそれから眠った。
しかし、外から悲鳴が聞こえたので、目が覚めた。
「な、何?」
「ミア……!ココ怖いよ…」
とココが怯えて私に抱きつく。
窓を見ると、幾つも悲鳴が上がり、黒い煙や、数匹の蝙蝠の群れがいたりして、異様な光景だった。
私達は両親の元へと向かった。
一階にいるはずの両親の元へと行き、部屋の扉を開けると……、私達は信じられないものを見た。
「お…お父さん?」
「お母さん??」
二人とも折り重なるように、首筋の二つの穴から血を流して、既に死んでいたのだ。
「うわあああああんんん!!」
とココは取り乱して泣き出した。
私も震えつつも、他の大人の人を呼びに何とか外へ出た。
しかし、逃げ惑う村人達の悲鳴がたくさんあり、そこかしこら火が上がっていた。
「だれ…誰か助けて!!お父さんとお母さんが!!」
と私は叫んだ。近所のおばさんの家の戸を叩いたら…、
黒い蝙蝠が中から出てきて飛び去った!!
蝙蝠は人の形になり、私たちが招いた綺麗な男の人になった!!
しかしその口元は真っ赤な血に、真っ赤な目であり、私は恐ろしさで声を出すことが出来なくなった。
「……これはこれは、小さなレディ。
今お食事中でしてね。ふふふ、私を招いてくれた恩で君たち双子だけは助けてあげようね。
可愛い可愛い、家畜よ」
とその男の人はにこりと笑った。
ゾッとした。
ココが泣きながら
「ミアー!お母さん動かないよぉおお!」
と家から出てきた!
「ココ…」
ココもぎくりとして男の人の異様な血やらを見て怯えた。
「ひ……」
と震えてココは気絶してしまった。
「おやおや、可哀想に。余程怖がらせてしまったね!!くくく、愉快だ」
いつの間にか悲鳴が止んで、いくつかの家の火が燃える音しかしなくなった。
「ふふふ、もう君たち以外に動いてる人はいないかなあ?小さな村だったから吸い尽くしてしまった。ああ、ご両親はもしかしたら蘇るかもしれないよ?
バケモノになってね!!
ハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
と男が笑い、
「お嬢ちゃん?よく聞くんだ。
ご両親や枯れて死んでない村人達は、明日の夜、私と同じようにバケモノになって、生き物の血を求めてくるだろうね。
君達も殺されたくなかったら…!昼間のうちに村人達の心臓に杭を刺して回るか、火をつけて焼き殺して灰にしておくといいよ?
それでは…。良い血の夕食をありがとう!!さらばだ!!」
と男はにこやかにハンカチで口の血を拭い、コウモリに化けて夜空へと消えていった!!
私は暫く動くことができず、失神した。
そして朝になり目が覚めて、ココもボーッとしていたが…。寝室で死んでいる両親を見て夢ではないことを悟る。
ココはまた、泣き出して中々止まらない。
「ココ…泣かないで…。お父さんとお母さんが夜になってバケモノにならないように…
家に火を付けよう。必要な物、運び出して!」
「え……ミア!?」
ココは信じられないと言った目で見たけど私は何とか動いて荷造りを始めた。
「何してるのココ…。手伝ってよ」
「ミア……だって…お父さんとお母さん……」
「村の人の分もやらないといけないの。バケモノになっちゃうから!!」
「お、お母さん達を焼くの!?」
「………」
「何とか言ってよ!!」
とココが叫ぶ。
「お母さん達がバケモノになってもいいの!?昨日のあの男みたいな!!
あの男が…皆を殺したんだよ!!わ、私たちが家に入れたせいで!!」
それにココはビクっとした。
そしてまたも泣き始めた。私も我慢できなくて泣いた!!
そこへ……
「おやおや……生きている子供がいた」
と誰かが入ってきた。
「ひっ!!?」
とココと抱きついて震える!
しかし、その男の人は銀髪で顔が良くて優しそうな顔をしていた。
「私はゲオルギアス教の者です。お嬢さん達……大丈夫かな??」
とにっこり笑った。
お父さんとお母さんを見て
「可哀想に……襲われたんだね?人ではないバケモノに」
と鋭い顔になる。
「お母さんや村の人の為にも……祈りを捧げてちゃんと丁寧に葬ってあげようね?」
とその人は私達を抱きしめてくれた。
「ローラント様!!村の者達を教会に集めました!!」
と外から誰かの声がした。
何人かバタバタと足音がした。
「こちらの家で最後ですが……あっ!!?こ、子供!?
噛まれていますか!?」
「ひっ!!?」
と怯えると銀髪のお兄さんはにこりとして
「大丈夫。この子達はどこも異常がない。どうやら見逃したみたいだ」
「ご両親は…」
「ダメだね。奥で死んでいる。教会に運んでくれ」
すると数人でお父さんとお母さんを箱に入れて運び出した。
「お父さん!お母さん!!」
とココが泣きながらついていく。
「ごめんね。教会に行こう」
とお兄さんが私達の手を取り、村の教会に向かう。
そこには村の皆が箱に入れられて死んでいたのだ。やはり生きてるのは私達以外いなかった。
ローラントと呼ばれた人は祈りを唱えた。
「悪き者に尊い命を奪われた善良なる人々に、神からの安らかな眠りを与えたまえ……。
清き魂は浄化の炎と共に神の元へと旅立たん……」
ローラントさんは涙を流し敬礼した。
それから私達の頭を撫でた。
「では……これから皆に火をつけるね…。お父さん達に最後のお別れを」
と言い、箱の蓋を開ける。
「ううっ!!お父さん…お母さん…」
ココは泣いてすがる。もう喋らなくなって冷たくなった両親に私も泣いてすがる。
そしてお別れはきた。
教会に丸ごと火をつけ…、何人かの人たちは祈りを捧げて死者の魂は天へと昇った。
*
それから私達はゲオルギアス教でヴァンパイアハンターとなるべく修行を重ねて、一人前になるとココと旅立ち、各地に潜んでいるヴァンパイア達を見つけ出して殺した。
神話レベルと言われていたヴァンパイアがネズミの様に生き残って人を密かに襲い続けてる…。
ココも成長して、今ではほとんど泣かなくなり、ヴァンパイアを見つけるとまるで狩を楽しむ様に殺した。
私も殺した。奴らを殺しても何とも思わない。
今思えば私達は、既にどこか壊れかけていたのかもしれない……。
でもこの決意だけは変わらない!
私達はいつかあの男を殺す!!絶対に許せない!あの黒髪のヴァンパイアの男を!!
私達を生かしたことを!後悔させてやると決めた。
「【コミカライズ】ヴァンパイア執事はお嬢様に心を読まれています」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
-
3万
-
4.9万
-
-
40
-
13
-
-
1,256
-
945
-
-
31
-
48
-
-
9,691
-
1.6万
-
-
5,170
-
2.6万
-
-
1.2万
-
4.8万
-
-
8,170
-
5.5万
-
-
9,390
-
2.4万
-
-
2.1万
-
7万
-
-
59
-
87
-
-
81
-
138
-
-
202
-
161
-
-
6,647
-
2.9万
-
-
610
-
221
-
-
2,493
-
6,724
-
-
611
-
1,139
-
-
442
-
726
-
-
58
-
89
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
179
-
157
-
-
986
-
1,509
-
-
359
-
1,684
-
-
6,175
-
2.6万
-
-
12
-
6
-
-
195
-
926
-
-
1,289
-
8,764
-
-
87
-
30
-
-
23
-
2
コメント