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【コミカライズ】ヴァンパイア執事はお嬢様に心を読まれています

黒月白華

魅惑の双子ハンター

路地裏で対峙した、一見して胸のデカい双子のシスター…。

彼女達は明らかにバケモノを前にして、一歩も引かなかった。一人は大きな十字架じゅうじかを持っているし。

「お姉ちゃん達、いい肉付きしてるな?今日は素晴らしいディナーの日だ!ヒヒヒ!」
と醜い真性ヴァンパイアが舌舐めずりしたなめずりをしている。

「私達はゲオルギアス教の使徒であり、悪鬼を狩る聖なるヴァンパイアハンターよ!」

「悪いバケモノは許さないんだからっ!」
となんか腰に手を当てて、決めポーズを取る二人に、一瞬その場が凍りつく。

「寒いぃ!!」
と真性ヴァンパイアが突っ込みを入れる程だったが…

「取り敢えずー?

ココはあっちの下級ヴァンパイア6匹を殺して?

ミアはあのボスヴァンパイアを殺すから」
とミアと言う、セクシーなシスターハンターが、ウィンクしながら言う。双子でもココという方は、どこか自由奔放な子供みたいな感じがした。
一方でミアと言う方は、どこか大人びていて、頭が良さそうで、シスター服もスリットが入って足がチラ見えして……。

おっと、危ない!僕にはパウラお嬢様がいると言うのに!!

しかしさっきのミアが言っていたことを、思い出した。

待て?ヴァンパイア6匹?

「ちょっと待ってください!僕も含まれてる!?しかも匹って…。小動物しょうどうぶつみたいな数えかた、やめてくださいよ!」

「わああ!!ミア!こいつ喋ったああ!

うあ!よく見るとめっちゃ美形だ!!
意識もあるみたい!」

「あら本当!暗がりでよく見えなかったけど、よく見たら、すっごい美形じゃない!もしかしてこっちがこいつらのボス?

だってめっちゃ美形だし!!美形!!」
と言われて、真性ヴァンパイアの男が突っ込んだ!

「おいいいい!!!違うし!俺様がそっちの5人のご主人様だ!!

そこの金髪の兄ちゃんは、どっかの気狂いのヴァンパイアと人間との間にできた、子孫のダンピールだ!バカ!!」
と丁寧に解説を入れてくれたから助かります。敵だけど。

「あら?なら半分ハーフちゃんってことおお?

ハーフちゃん。確かにちょっと人間ね!耳も尖ってない美形だし!」

「うん!美形だもんね!」
とココもうなづいた。
いやあ……。
そんなに美形だと言われると、ちょっと嬉しいかも。

「いや!美形関係ねぇだろぉ!てか!俺様の方がカッコいいっての!!」
とまた真性ヴァンパイアが突っ込みをかますが全員

「「「いや、それだけはない!!!」」」
と言い切った。

「がーん!!

ちちち、畜生!!

お前ら!!あいつらを捕らえろおおお!!

血をカラカラに吸いつくしてやる!!」
と男が命じ、手下の下級ヴァンパイア達が襲いかかってきた!!

「ココ!そっちは頼んだわよ!!」

「任せて!!」
とココは向かってくる5人の手下に、大きな十字架じゅうじかを盾にして、鞄から何かを取り出して投げつけた!!

それは小袋の様で、地面に当たるとはじけてボンと辺りに霧散した!!

途端に刺激臭が充満して、思わず僕は鼻を摘んだ。更に吐き気が襲った。宿にいた時と同じ様な感じだ。

あれはもしかしたら特殊なヴァンパイア退治用の物なのかもしれない!?

それでも僕にはその程度だったけど、下級ヴァンパイア達には、よく効いたみたいで…

「ぎえええええええ!!」
「ぎゃあああ!!」
と手下達が蹲る。

そこへココは、悠々と銀の剣を持ち、蹲った手下に容赦なく剣を刺していく。
刺したところから青い炎が上がって、手下がみるみると灰になっていく!!

「くそっ!ハンター共め!

俺の可愛い手下達てしたたちをよくもおおおお!!」
と真性ヴァンパイアの男は牙を見せ威嚇し、また例の奇声を発した。

「キイイイイアアアイイイイイキイイイイ!!」

相変わらずの酷い声!!クラクラしてきて、双子達の心臓の音や血が欲しくなり…、僕はなんとか抵抗して自分自身に「落ち着け」と言い聞かせる。

するとまた、どこからかフラフラと手下が現れた!!

「ちっ!まだ仲間が潜んでいたのね?

……まぁいいわ!金髪の美形さん!貴方あなたも、あの醜いヴァンパイアのこと嫌いきらいなら手伝ってくれない?」
とミアに言われて僕は

「わ…わかりました…!協力して奴を倒しましょう!」
と同意した。

「そう来なくちゃね!これだから美形は好きよ!終わったら結婚して?」
と何故かいきなり求婚してくるので、一気に吸血衝動がヒュンと引っ込んだ。
絶対嫌である。

「すみません!

僕には、

心に決めた愛する人がいるので
お断りします!!」
と言うと、ミアはガーンとなって

「くっ!!ふ、振られた!?この私が!!??」
とショックを受けていた。

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