【コミカライズ】ヴァンパイア執事はお嬢様に心を読まれています
新月の晩(パウラ)
「おい…。今日は新月なのか?お前の吸血衝動が強くなる日だったか…」
と言うと
「聞こえちゃいますよね。
そうです。新月です。
この日は子孫の僕等は、普通の食事が出来なくなるんです。
いつもは、
叔父さんと一緒に、大人しく豚の血と薔薇の花から生気をいただいて、静かに過ごします。
でも今は、
薔薇や豚の血を持ってないんですよぉ!」
「そうしたら、どうなるんだお前?バケモノになり私の血を吸うのか?」
「い、いや、何か代わりの動物を捕まえて、血を飲むしか無くて…。
あ、いやお嬢様の血が飲みたいとかは絶対ダメですから!」
《でも…お嬢様の血が僕の身体の中に入ったら……!
い、いや、ダメだ!!やっぱり新月の影響が!!》
「うわっ、ちょっと考えたなお前!このバケモノめ!」
金髪の心の声なんか丸聞こえだからな!!
「ち、違います!お嬢様が怪我をして、足を擦りむいて、血が……、血の匂いが!!甘美で美味しそうなどと!
ああ!ヤバイ!違うんですよ!今日は新月だからやっぱりちょっとだけおかしいんで僕!クソっ!」
と金髪は何度も落ち着けと自分に命じていた。こんなに焦っている金髪は初めて見た。
いつも新月の晩は金髪は私の近くにいないから、こんなになるとは思ってなかった。
すると運悪く天候が悪化して雨が降ってきて、私達は金髪が目ざとく見つけた洞窟に避難した。
「お嬢様大丈夫ですか?そうだ、今のうちに包帯を取り替えましょう!」
と鞄から包帯と、塗り薬を手にして止まった。
ジッと私の膝を見た。暗闇の中、赤い目が光っている。
《……血…。赤い…。
お嬢様の血が…、飲み………、
あれ?変な気分…。
赤い…、血が…、
ちょっとだけ…少しだけ…》
私はまずいと思って、思い切り金髪を平手打ちすると、雨に濡れた色気ある金髪は目を覚ました。いや、正気に戻った。
「………あれ…?」
《僕は……今…、何を!?》
「お前ちょっと変になっていたぞ?」
と言うと、頭を押さえて立ち上がった。
《出なければ…!ここを!!》
「すみませんお嬢様!僕は少し離れます。鞄に携帯食料が!
お、おかしくなってお嬢様を襲う前に少しだけ離れます!すみません!!」
《お嬢様、ごめんなさい!一晩だけ待っててください!!》
と雨の中、洞窟を出て行く!!
ええええ!?
それから私は、一人洞窟内で夜を明かした。
いつの間にか雨は上がり、暗い夜空が見えた。新月の晩は月は無く、ひたすら暗い。雲間からチラチラ光る星が見える。
私は鞄から、携帯食料を取り出してモソモソ食べ始めた。この所、金髪と食事を取ったりしていたからな。一人はもちろん慣れたものだけど……。
金髪は今頃、動物を捕まえて、血を吸っているのだろうか?たった一人で吸血衝動を抑えるために…。
あの瞳を更に赤くして。
「……眠ろう…」
鞄から毛布を取り出してスッポリ被って私は眠った。
夜が明けた頃、やっと金髪が戻ってきたと思ったら、ボロボロで泣いていた。
「どうしたお前っ!?」
と共に、昨日の金髪の記憶が頭に入ってきた。
可愛いらしい猪の子供が歩いていて…、だけども吸血衝動に襲われて、無残に可愛い瓜坊の血を吸い殺した。
我を忘れたように、夢中で啜り、止めたいのに止められない衝動で…更に咲いていた綺麗な花の生気も吸いとり、ようやく我に返って…、一晩中自分が恐ろしくて、膝を抱えて震えて眠れなかった光景が見えた。
《いつもはこんなになることはなかった。家族と一緒に用意された血を静かに飲むだけで、平気だったのに…。
外に出て、こんな風に自分が変わるなんて…!お嬢様をもし傷つけたら、僕は生きていけない》
金髪は胸を抑えて泣いた。
「うわぁあああ!!…お嬢様……ぼ、僕は…、は!僕はやっぱり…!!バケモノだあああああ!!」
そして金髪は…、フラッとして倒れた!
「!?おい!金髪!?」
心の声も途絶えた。
そろりと近寄ると金髪は少し熱かった。
「こいつも風邪を引くのか…」
私は毛布を金髪にかけてやり、頭を私の膝に乗せてやった。なんか苦しそうだったし、仕方なくだ!
金髪の爪の間には土が入り汚れていた。いつも綺麗な手をしているのに。
私も壁によりかかり少し眠った。
と言うと
「聞こえちゃいますよね。
そうです。新月です。
この日は子孫の僕等は、普通の食事が出来なくなるんです。
いつもは、
叔父さんと一緒に、大人しく豚の血と薔薇の花から生気をいただいて、静かに過ごします。
でも今は、
薔薇や豚の血を持ってないんですよぉ!」
「そうしたら、どうなるんだお前?バケモノになり私の血を吸うのか?」
「い、いや、何か代わりの動物を捕まえて、血を飲むしか無くて…。
あ、いやお嬢様の血が飲みたいとかは絶対ダメですから!」
《でも…お嬢様の血が僕の身体の中に入ったら……!
い、いや、ダメだ!!やっぱり新月の影響が!!》
「うわっ、ちょっと考えたなお前!このバケモノめ!」
金髪の心の声なんか丸聞こえだからな!!
「ち、違います!お嬢様が怪我をして、足を擦りむいて、血が……、血の匂いが!!甘美で美味しそうなどと!
ああ!ヤバイ!違うんですよ!今日は新月だからやっぱりちょっとだけおかしいんで僕!クソっ!」
と金髪は何度も落ち着けと自分に命じていた。こんなに焦っている金髪は初めて見た。
いつも新月の晩は金髪は私の近くにいないから、こんなになるとは思ってなかった。
すると運悪く天候が悪化して雨が降ってきて、私達は金髪が目ざとく見つけた洞窟に避難した。
「お嬢様大丈夫ですか?そうだ、今のうちに包帯を取り替えましょう!」
と鞄から包帯と、塗り薬を手にして止まった。
ジッと私の膝を見た。暗闇の中、赤い目が光っている。
《……血…。赤い…。
お嬢様の血が…、飲み………、
あれ?変な気分…。
赤い…、血が…、
ちょっとだけ…少しだけ…》
私はまずいと思って、思い切り金髪を平手打ちすると、雨に濡れた色気ある金髪は目を覚ました。いや、正気に戻った。
「………あれ…?」
《僕は……今…、何を!?》
「お前ちょっと変になっていたぞ?」
と言うと、頭を押さえて立ち上がった。
《出なければ…!ここを!!》
「すみませんお嬢様!僕は少し離れます。鞄に携帯食料が!
お、おかしくなってお嬢様を襲う前に少しだけ離れます!すみません!!」
《お嬢様、ごめんなさい!一晩だけ待っててください!!》
と雨の中、洞窟を出て行く!!
ええええ!?
それから私は、一人洞窟内で夜を明かした。
いつの間にか雨は上がり、暗い夜空が見えた。新月の晩は月は無く、ひたすら暗い。雲間からチラチラ光る星が見える。
私は鞄から、携帯食料を取り出してモソモソ食べ始めた。この所、金髪と食事を取ったりしていたからな。一人はもちろん慣れたものだけど……。
金髪は今頃、動物を捕まえて、血を吸っているのだろうか?たった一人で吸血衝動を抑えるために…。
あの瞳を更に赤くして。
「……眠ろう…」
鞄から毛布を取り出してスッポリ被って私は眠った。
夜が明けた頃、やっと金髪が戻ってきたと思ったら、ボロボロで泣いていた。
「どうしたお前っ!?」
と共に、昨日の金髪の記憶が頭に入ってきた。
可愛いらしい猪の子供が歩いていて…、だけども吸血衝動に襲われて、無残に可愛い瓜坊の血を吸い殺した。
我を忘れたように、夢中で啜り、止めたいのに止められない衝動で…更に咲いていた綺麗な花の生気も吸いとり、ようやく我に返って…、一晩中自分が恐ろしくて、膝を抱えて震えて眠れなかった光景が見えた。
《いつもはこんなになることはなかった。家族と一緒に用意された血を静かに飲むだけで、平気だったのに…。
外に出て、こんな風に自分が変わるなんて…!お嬢様をもし傷つけたら、僕は生きていけない》
金髪は胸を抑えて泣いた。
「うわぁあああ!!…お嬢様……ぼ、僕は…、は!僕はやっぱり…!!バケモノだあああああ!!」
そして金髪は…、フラッとして倒れた!
「!?おい!金髪!?」
心の声も途絶えた。
そろりと近寄ると金髪は少し熱かった。
「こいつも風邪を引くのか…」
私は毛布を金髪にかけてやり、頭を私の膝に乗せてやった。なんか苦しそうだったし、仕方なくだ!
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