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【コミカライズ】ヴァンパイア執事はお嬢様に心を読まれています

黒月白華

観念するお嬢様

「殺害計画とおっしゃいましたか!?」

「そう言った。いつだったか、お義姉様達おねえさまたちが、部屋の前で憎まれ口を叩いていた時に心の声を聞いた。

『そうやって、閉じこもっていられるのも、時間の問題よ!

あのハゲとの縁談が無くなった今、あんたは邪魔でしかない!だから近いうちに、暗殺者を雇って殺してくれる!』

ってさ。だから…、とりあえず窓の方に棚を移動させたりして塞いだふさいだ
見ると、確かに人が侵入できないように、棚が移動している。この細腕での移動は辛かったろう。

「辛くない!!筋肉痛になったけど!」

「ああ!そんな!!お可哀想におかわいそうに!」
と自然にお嬢様を捕まえて腕を摩るさする

「ひっ!やめろ!無意識が一番怖い!」
と言われた。

「えっ?」
また真っ赤になって可愛い!思わずチュッとひたいにキスすると

「んぎゃっ!」
と言われて、離れようとするからまたギュッと抱きしめる。

「ひいいい!離せ!こら!!」

「嫌です!まだお嬢様の8年が足りませんん!お嬢様を補給させてくださいいいい!」
と懇願した。

「くうううう!やめろおお!」

「嫌です!旦那様と奥様の代わりに8年分抱きしめます!!」

「やめろー!も、もう充分だからやめろー!」
とジタバタするお嬢様。

旦那様と奥様も、きっと本当の娘みたいに愛していた。少なくとも僕の前ではそう語った。

8年も経ったけど…。お二人が嬉しそうに出かけて行った姿を思い出すと、今でも僕は泣きそうになるんだ。二人共お嬢様を思っていたし、僕も想っている。

お二人とは少し違って恋愛感情が強いけど……。世界中でお嬢様が孤独になる事なんてない!僕がいつもそばにいますから!!

と強く思うと、お嬢様はついに観念して暴れなくなった。

「くっ…この女ったらし金髪め!!よくもそんな臭くて恥ずかしい事を考えるもんだね!」

「では、今度こそ実際に口にしましょうか?」
と言うと

「やめろ!このキザ金髪め!」
と赤くなり、僕の口を手で押さえる。
その手を取り、僕は手の甲にキスをした。途端に、お嬢様は真っ赤になり、とても可愛い!!

「くっ!!わ、私は…!
可愛くなんてない…。醜い傷もたくさんあるし…」
とちょっと俯くお嬢様。

「僕はそんなこと気にしませんし、

お嫁に行けないなら、

僕が貰います!!」
と微笑むと、また赤くなりため息を吐いた。

「ちっ!もうお手上げだ!お前にはなにを言っても無駄なようだ!!

好きにしたらいい!あ、変なことはするなよ!身体からだに触っていいとかの話じゃないから!!

「駆け落ち」もどきの話だ!駆け落ちじゃないけど…!と、とりあえず、殺されそうな私が逃げる手伝いをしろ!」
と言われて、嬉しくてまたギュッとした!!

「ぎゃあ!だから!!くっ付くな!バカ金髪!!」

「あああ!お嬢様の身体からだ柔らかい!好き過ぎる!いい匂い!わかりました!逃げましょう!どこまでも!2人で!

そして行き着いた先で結婚して可愛い子供も作りましょうね♡」
と言うと頭を叩かれて

「こここ、この変態が!お前の想像してる通りには行かないから!!国境超えたら、お別れだから!!バカ金髪め!」

「幸せになりましょうね!パウラ様♡」
と微笑む。

「ダメだこいつ、完全に頭がピンクだ。人の話ほぼ聞こえてない!!殴りつけたいけど、殴っても喜ぶしな、こいつ……!」
と頭を悩ませ、観念したお嬢様、最高に可愛い!

「いや、してねぇよ!?」
と突っ込まれた。
それにしてもカトリーヌ様達…お嬢様の追い出しに失敗したからって、殺害しようと計画してるなんて信じられない!ますますこんな所にお嬢様を置いておけない!

僕も覚悟を決めなきゃ!

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