誰か助けて

小刻みに震えていると気付かれて、ようやくマリアンさんはこちらを向いた。怪しく微笑み、ベロリと頰ほおを舐めたり、キスをしたり、猿轡があるから口には出来ないらしい。

「ヴァレンティン大丈夫よ。怯えないで。私が今から最高の気分にしてあげる♡

私以外に夢中にならないようにしてあげるわ！カトリーナ様やティルダ様より先に私が貰ってあげるわ♡」
とズボンの上からさすられる！
ひいいい！やめて！！

こうなったら能力を使うしかない！必死で首を振るとガシリと顔を固定され、ようやくマリアンさんと目が合う。

いまだー！
僕は能力を使い、目を光らせる。マリアンさんを見つめ操るあやつる事にした。すると動きが止まった。催眠にかかった！！

しかし猿轡では、命令を言う事が出来なくて、僕は困った！！マリアンさんはフラフラしているだけである。困った！！どうしよう！縛られているし声を出せない！催眠が解けたらまた襲われる！！

「……！！」
ジタバタしてみたけど無駄で、ガッチリ縛られた手首はビクともしない！動物にまた変身する！？いやまた3日間、元に戻るまで時間かかるし、服もここに置いていかないといけないから、催眠が解けたらマリアンさんに気付かれてしまう！

ど、どうしたらいいんだ！？誰か！！助けて！！おおお、お嬢様！！！
心の中で精一杯叫んだ。

そしたらガチャガチャとドアノブを回す音がした。しかし鍵がかかっている。
しかし…ガン！
と音がして見ると、小さな斧の刃が扉から貫通して見えて、ガンガンガンガンやっていて、そのうちに騒ぎに気付いた他の使用人しようにんがやってくる音！

「お嬢様！？何を？ここはマリアンの部屋です！」
「お嬢様を抑えろ！」
「マリアン中なかにいるのか？開けて出て来い！」
と使用人達が叫ぶが、出てこないマリアンさんに違和感を感じたのだろうか、誰かが鍵を持ちやって来たきた！！
ガチャリと鍵が開いて、そこにいた一同が、縛られて動けない僕や、フラフラしたマリアンさんを見る。
するとタイミングよく催眠が解けたマリアンさんが、ハッとして扉の方を見て青ざめた。

「マリアン…な、何してるんだ？」
一人の使用人が青ざめて言う。どう見ても襲われそうな僕に。シャツのボタンを開かれて手足を縛られた、異様な光景にいる僕を前にマリアンさんは

「し、診察？」
とすっとぼけて皆から

「「「そんなわけあるかーーー！！！」」」
と突っ込まれて、マリアンさんは旦那様からクビを言い渡されたのであった。