【コミカライズ】ヴァンパイア執事はお嬢様に心を読まれています

黒月白華

今日からこちらで

「初めまして!田舎の伯爵から参りました。ヴァレンティン・クリスティアン・ヘドマンです。今日よりこちらでお世話になります!」
と僕は侯爵の旦那様、ロベルト・ヴィクトル・カッレラ様に頭を下げた。

金髪で赤目の僕は美少年と呼ぶに相応しく、メイド達は可愛らしいとの囁き声が聞こえる。

「頭をあげよ。ヴァレンティン。まだ12だと言うのに奉公に来るくるとは感心だ」
髭を携えた、まだ40そこらの侯爵様に恭しく礼を取る。

「うちは、うえに、あにが3人おりますので、伯爵と言えども、僕は早々に自立したかったのでございます。

兄二人も僕と同じ年に奉公に出ましたし。こちらには叔父の、アッサール・シーグフリッド・ヘドマンから、ご紹介を賜りましたので、喜んで勤めさせていただきたいと思います」

「ああ、彼は君のことをよく話していたね。君の叔父上おじうえらしいね。彼は信頼できるうちの料理長だから私も歓迎しよう」
と侯爵様はあっさり僕を受け入れてくれた。

「部屋に荷物を置いたら、うちの娘達を紹介したい。一番下の娘にはまだ従者をつけてないからね、君に従者となって貰いたい」
と侯爵様が仰られて、僕は了承し、お姉さんメイドさんに連れられて、僕が今日から暮らす部屋に案内された。
個室で特に問題ない部屋だ。カーテンは分厚い。ベッドも普通のもの。

「…ここが僕の部屋かあ」

「気に入った?」
と連れてこられたメイドさん…。かなりの巨乳で歩くとユサユサ揺れる、マリアン・ファンヌ・プローマンさんが言う。まだ18歳くらいの彼女だが、僕の容姿に見惚れているみたいだ。

「流石アッサールの甥っ子ね。可愛いっっ」
叔父さんも美形だからモテるだろうなぁ。

「ありがとうございます。後で叔父さんにも挨拶に参ります」
と言い、荷物を置いて、一旦部屋を出て、また旦那様の元へと向かう途中、マリアンさんが屋敷のあちこちを紹介して回った。

「侯爵様には娘さんが三人いらっしゃるのですね」

「ええ…。上に二人の姉、長女カトリーナ様16歳と次女ティルダ様14歳がいらっしゃるわ。二人とも美少女だからね!三女はパウラ様よ」
とウィンクするマリアンさん。

「パウラ様はどんなかたですか?」
と言うと顔を曇らせた。

「パウラ様…ね…。ちょっと…。ちょっと変わってらっしゃるのよね。お部屋に引きこもっている事が多いのよ。人嫌いなのよ。家族以外とは会話すら、ままならなくて、いつも扉の下から筆談してるのよ。

普通なら女性の使用人達しようにんたちが身の回りの世話をするけど、パウラ様だけはそれも自分でするって言って聞かなくて、部屋の扉を閉ざしたままなの」

「人嫌いですか。パウラ様も美少女なのですか?」

「……じつはパウラ様は養女なのよ。元々は孤児院にいたのよね。本当の親に虐待されているのを教会が保護して、それで人嫌いになったのだと思うけど、哀れに思った旦那様と奥様が養女に迎え入れたのよ。去年のことね。

でもそれから旦那様と奥様くらいしか会話をした事がなくてね。上の二人の姉達は正直パウラ様には冷たいわ」

「そうなんですね」

「パウラ様は大人しいおとなしい娘様で人見知りと人嫌い、声が小さく、容姿は白髪はくはつに毛先は黒く、アメジストのような紫の瞳をしていて、雪のように真っ白なお肌をしているわ。顔はそこまで悪くもないみたいだけど、顔にじつの両親から付けられた傷があり、片目は見えないの。

だから貴方あなたもあまり傷のことには、ふれないであげて?確認は奥様と女のお医者様がされていて、身体からだにも無数の傷跡が残り、今も毎月に一度は、お医者様が診察に来られるこられる時だけ部屋を開けるのよ」

「虐待なんて可哀想ですね…。酷い親もいるんですね」

「まぁ、あまりふれないであげて。その話は」

「わかりました」
と言い、旦那様の待つ部屋へと向かった。

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