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【コミカライズ】ヴァンパイア執事はお嬢様に心を読まれています

黒月白華

プロローグ

お嬢様の婚約が決まりそうになった。
僕はただショックであった。

いつかはこんな日が来るとは思っていたけど…。ああ!神か悪魔の悪戯いたずらか?悪戯いたずらレベルでは済まされないが…。なんてことだろう!

いっそ連れて逃げてしまおうか?
ただの誘拐になるけど。
でもお嬢様とずっと一緒にいるには、もうこれしかないか?

どうしよう。お嬢様を誰にも渡したくない!
困った!あ、相手の辺境伯のクソジジイの血を吸って殺してやろうか!?

…老いぼれじじいの血は不味そうだが、お嬢様がジジイに可愛がられてる姿なんて、想像しただけで嫌だ!

「ひっっ!!?」
と扉の向こうから引いさな悲鳴が上がる。
相変わらず今日も…お嬢様は部屋から出ては来てきてくれない。

子供の頃から数回程すうかいほど顔を見たことがあるが、いつもいつも僕から逃げるように目を逸らして、部屋に戻って鍵をかけられる。
お嬢様は白髪はくはつで毛先だけ黒く、紫の瞳を持つ、侯爵令嬢だ。
どんな人間でも従順にできる僕は相手の目さえ見つめればじゅつをかける事ができる。

お嬢様が僕に恋をさせる事だってできるはずなのに、お嬢様は何故か絶対目を合わせようとしないのだ。最近では眼鏡をかけ始める始末。

そう僕はお嬢様に恋する一途いちずなヴァンパイアなのだから。なんとかクソジジイに嫁がされる前にお救いしなければ!!

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