現実世界で虐められ続けた最弱の俺は、剣と魔法のファンタジー世界でMP0の生産チートで無双する。落ちこぼれ王女と親に生き方を決められた公爵令嬢との人生逆転物語。
中央大陸交流戦②
セバスチャン達がいなくなると、続いてユノ達の方にサイバース国のドワーフが現れる。近づく少女を見てユノが声を掛ける。 
「ミユル王女ですね。サイバースの試合は明日なのでは?」 
「今日はあんたと話に来たの。今のあなたはユートピア国の皇太女よね。最近ユートピア国では、サイバース制の武器や防具が全然売れないんだけどその理由を知っているかしら?」 
「それは単純にもっと質の良い物が、市場に出回っているからですよ。」 
「何ですって? 何で人族の国でそのような物が? それって北の大陸のエルフかしら?」 
「違います。エルフは生産職に適正がないですよね。紛れもなく人間です。今ユートピア国内には、鬼宮商会の職人さんが制作した、とても良質な装備品が流通しています。鬼宮商会は各領地に支店を出していますから、良い商品の基準がかなり上がっていますよ。」 
「う。頭が痛いわ。帰ったら報告しないと。っ? ちょっと、……あなたの装備、いったい何なの。鬼宮商会とやらはそれほどの装備品を流通させているの?」 
「これは、私達仲間にだけ配っている特別製です。ですが、このクオリティーに準ずる物を販売する事も、今は検討されていますよ。」 
「……。そんな事をされたら、サイバース国はたまったもんじゃない。私達の国は装備品の輸出だけで成り立っているのよ。それなら世界中がユートピア国と装備の取り引きをする為に押し寄せる。もう試合なんてもうどうでも良いわ。早く兄上に知らせないと。じゃあね。ユノ皇太女。」 
立ち去るミユルとそれを見ているユートピアの選手達。たまらず、陽菜が口を開いた。
「ユノ。あの子相当強いわね。鑑定がまったく効果なかった。ガッシュ先生や学園長クラスなんじゃないかな?」 
「たぶんね。あんな化け物が試合に出て来てたら、大変な事になっていたわ。また、秀人に感謝しないと。」 
 
***
その頃、デストピアの街では、灰色のフードと白い仮面を被ったとても大柄な2人組が歩いていた。一見するととても怪しい。だが、彼等は街で視線を集めない為の魔道具を身に着けている。
「ベオ。この王都が一番多いね。本当に反吐が出るよ。俺はもう我慢できないかな。」 
「ジャン。何事も辛抱が大切だぞ。暴れまわったら戦争になる。いくら俺達でもたった二人で数の暴力に抗えるか?」 
「そうだね。それにしても、なんか街がお祭りみたいに盛り上がってるけど、何かあるのかな?」 
「俺は知らん。……コロシアムに垂れ幕があるぞ。中央大陸の交流戦だって? ちょっと、気晴らしに観戦してみるか?」 
「それは是非とも見てみたいね。」  
 
***
交流戦会場コロシアム。スーパープレミアムルームA。 騎士団数名とその真ん中に座す中年男性。その部屋の扉を開け、入口から高価な衣装に身を包まれた老人が現れる。
「なぜ、こんなに早くにきたんじゃ? カラキアの試合は明日じゃろう。」 
「何を言う。お主が教えてくれたんじゃろう。我が息子ミノスの事を。して、どの選手がミノスなんじゃ?」 
「ユノの隣に短剣を装備した子がいるじゃろ? あの若者がミノスじゃ。」 
「……ぅう。我が息子ミノス。あんなに立派な姿になって……。本当に……生きていてくれてありがとう。」 
「しかし、本当に会わなくて良いのか?」 
「カラキアは、宰相達が政治を行う国。戻って来ても余の力ではミノスを守れないんじゃ。だから、生きていてくれているだけで、余は満足。それにしても、息子の勇姿を目の前で見る事が出来るとは……。死んだ王妃にも見せてやりたかった。」 
「カラキア王よ。お前さんの悲しみは余にはわからぬが、ミノスの事は貴族としてユートピアに迎えている。そして、うちの皇太女の友達じゃ。余がお前の代わりに大切にするから心配はいらぬぞ。」 
「ユートピア王。本当にありがたい事じゃ。もし、余に何かあったら、ミノスに愛していると伝えてはくれぬか? 危険な目に遭わせるわけにはいかん。だから、余が生きているうちは、その言葉をミノスに伝えてやれんのじゃ。」 
「縁起でもない事を言うな。いつか、お前が本当の意味で王になれば良いでは無いか。余もある男のおかげで権力を取り戻す事が出来た。その男はミノスの友達でもある。案外、協力してくれるかも知れんぞ。」 
「息子を守れなかったものが、その息子の力を借りる事など絶対に出来ん。でもそうじゃな。余も少しは足掻いてみるかのぉ。ミノスの為に。」 
 
***
 
コロシアム観戦ブースの一角。鬼宮商会の王都に店舗を構える5店舗。その中の希望者、数十人が先程、心愛の【空間転移】にて、一緒にデストピアを訪れていた。そして、今、秀人達と共に試合が始まるのを待っていた。試合開始まであと30分。秀人の隣に座るカインは、デストピア国に来た事で、昔の記憶を鮮明に呼び覚ましている。 
「秀にぃ。まだ、だいぶ時間が余っているようだから、僕達の過去を今、話す事にするよ。秀にぃは俺達を解放してくれた恩人だ。だから、これは話さなければいけないと思う。」 
「カイン。分かった。聞こうか。」 
「それは、この国がまだラヴュレスだった時の話。」 
「ミユル王女ですね。サイバースの試合は明日なのでは?」 
「今日はあんたと話に来たの。今のあなたはユートピア国の皇太女よね。最近ユートピア国では、サイバース制の武器や防具が全然売れないんだけどその理由を知っているかしら?」 
「それは単純にもっと質の良い物が、市場に出回っているからですよ。」 
「何ですって? 何で人族の国でそのような物が? それって北の大陸のエルフかしら?」 
「違います。エルフは生産職に適正がないですよね。紛れもなく人間です。今ユートピア国内には、鬼宮商会の職人さんが制作した、とても良質な装備品が流通しています。鬼宮商会は各領地に支店を出していますから、良い商品の基準がかなり上がっていますよ。」 
「う。頭が痛いわ。帰ったら報告しないと。っ? ちょっと、……あなたの装備、いったい何なの。鬼宮商会とやらはそれほどの装備品を流通させているの?」 
「これは、私達仲間にだけ配っている特別製です。ですが、このクオリティーに準ずる物を販売する事も、今は検討されていますよ。」 
「……。そんな事をされたら、サイバース国はたまったもんじゃない。私達の国は装備品の輸出だけで成り立っているのよ。それなら世界中がユートピア国と装備の取り引きをする為に押し寄せる。もう試合なんてもうどうでも良いわ。早く兄上に知らせないと。じゃあね。ユノ皇太女。」 
立ち去るミユルとそれを見ているユートピアの選手達。たまらず、陽菜が口を開いた。
「ユノ。あの子相当強いわね。鑑定がまったく効果なかった。ガッシュ先生や学園長クラスなんじゃないかな?」 
「たぶんね。あんな化け物が試合に出て来てたら、大変な事になっていたわ。また、秀人に感謝しないと。」 
 
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「ベオ。この王都が一番多いね。本当に反吐が出るよ。俺はもう我慢できないかな。」 
「ジャン。何事も辛抱が大切だぞ。暴れまわったら戦争になる。いくら俺達でもたった二人で数の暴力に抗えるか?」 
「そうだね。それにしても、なんか街がお祭りみたいに盛り上がってるけど、何かあるのかな?」 
「俺は知らん。……コロシアムに垂れ幕があるぞ。中央大陸の交流戦だって? ちょっと、気晴らしに観戦してみるか?」 
「それは是非とも見てみたいね。」  
 
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「何を言う。お主が教えてくれたんじゃろう。我が息子ミノスの事を。して、どの選手がミノスなんじゃ?」 
「ユノの隣に短剣を装備した子がいるじゃろ? あの若者がミノスじゃ。」 
「……ぅう。我が息子ミノス。あんなに立派な姿になって……。本当に……生きていてくれてありがとう。」 
「しかし、本当に会わなくて良いのか?」 
「カラキアは、宰相達が政治を行う国。戻って来ても余の力ではミノスを守れないんじゃ。だから、生きていてくれているだけで、余は満足。それにしても、息子の勇姿を目の前で見る事が出来るとは……。死んだ王妃にも見せてやりたかった。」 
「カラキア王よ。お前さんの悲しみは余にはわからぬが、ミノスの事は貴族としてユートピアに迎えている。そして、うちの皇太女の友達じゃ。余がお前の代わりに大切にするから心配はいらぬぞ。」 
「ユートピア王。本当にありがたい事じゃ。もし、余に何かあったら、ミノスに愛していると伝えてはくれぬか? 危険な目に遭わせるわけにはいかん。だから、余が生きているうちは、その言葉をミノスに伝えてやれんのじゃ。」 
「縁起でもない事を言うな。いつか、お前が本当の意味で王になれば良いでは無いか。余もある男のおかげで権力を取り戻す事が出来た。その男はミノスの友達でもある。案外、協力してくれるかも知れんぞ。」 
「息子を守れなかったものが、その息子の力を借りる事など絶対に出来ん。でもそうじゃな。余も少しは足掻いてみるかのぉ。ミノスの為に。」 
 
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