現実世界で虐められ続けた最弱の俺は、剣と魔法のファンタジー世界でMP0の生産チートで無双する。落ちこぼれ王女と親に生き方を決められた公爵令嬢との人生逆転物語。
秀人 VS 世界最強
デモンの放つ魔法。【黒い太陽】は、仲間達の頭上に450㎥級の巨大な黒い球を展開していた。 
「ふん。これでチェックメイトだな。」 
それは本当に絶望的だった。そこに集まった110人の仲間は全員が間近に迫る死を予感した。そこに状態異常の絶望の効果も重なり、気絶する者が後を絶たなかった。 ただ、同じ悪魔憑きの陽菜だけは、悪魔デビルの咄嗟の判断で効果を相殺していた。
その威力を知っているユノが、それを見て震えている。心愛が、そんなユノを見て声を掛ける。 
「ユノ、落ち着いて。幸い私達は拘束されなかった。1人でも多くの人を回復させて、あそこから逃がすのよ。私は、悪魔本体をやる。あの魔法の落下速度を落としておくから必ず全員を逃がしてね。」 
心愛は【視界移動】でユノを仲間達がいる場所へと戻す。次に【縮地】の短距離移動で仲間達の輪の中から外れる。 
【業火大壁】 無詠唱で展開した合計10個の火の壁が【黒い太陽】を空中に固定した。だが、【黒い太陽】はその複数の【業火大壁】を飲み込みながらゆっくりと地上に向かって押し込まれていく。 
ユノが全員を回復する。陽菜が近くにいたモーリスを抱えて範囲の外へと走る。黒い太陽の落下までおよそあと1分。 
「駄目。回復が間に合わない。そもそも、この状態異常は解けないわ。」 
【視界移動】次に心愛はデモンの隣に移動すると、デモンに向かって笑みを浮かべる。 
「本当に、いけない子ね。【空間転移】」 
ここは、心愛がその旅で最近訪れた南の大陸。アースガルズ帝国領。そこにデモンを連れてやって来た。 
「くそ餓鬼。やりやがったな。殺してやる。」 
「そんな暇は無いの。【空間転移】」 
【空間転移】で戻って来た心愛はみんなを連れて、安全な場所へ【視界移動】 した。 
【視界移動】 【視界移動】 【視界移動】 【視界移動】 避難が必要なのは残り95人。6人ずつ【視界移動】 を使って運んでも16回の避難が必要で【視界移動】を32回繰り返さなければならない。 
「だめだ、このペースじゃとても間に合わないわ」 
その時、突然、王国騎士団達が倒れている場所に、青い甲冑を来た真貴族騎士団達が現れる。 
「団長のかたきを取りに来たら、これだ。王国騎士団もやはり大した事無いな。」 
真貴族騎士団達が王国騎士団達を抱え、次々に攻撃範囲から急ぎ脱出を開始する。 
そして、そこに一部貴族やその私兵達も現れた。 
「モーリス無事か?」 
モーリスの父ブナパトスが、モーリスを肩を抱く。
「……父さん。」 
貴族達と真貴族騎士団の活躍で、そこにいる全員が難を逃れる事となった。こうして【黒い太陽】が地上を抉るその前に、全員の避難が完了したのだった。 
 
奇しくもキルダークが真貴族騎士団の一部を虐殺した結果が、真貴族会議とユートピア国の王派とを一時的にでも繋げる役割を果たした。そして、王国騎士団並びに、秀人の仲間達を救う上で彼等が一番の活躍を見せる事となった。 
貴族達やその私兵数百人も、ここで、世界最強対秀人の戦いをその目に焼き付ける事となった。それは、今後、世界を巻き込むであろう一大ニュースが世界に拡散する原因となる。 
 
「どうやら間に合ったようね。これは絶望の状態異常が和らぐ薬よ。先日の事件から、こんな事もあろうかと思って作らせておいたの。ユノさん。心愛さん。陽菜さん。倒れている全員にこれを飲ませるのを手伝って頂戴。手の空いている貴族の皆様もお手伝い下さい。」 
「マクレナシル先生。ありがとうございます。」 
 
*** 
 
 
秀人 VS 世界最強  
 
キルダークの数多の魔法を喰らい終わった秀人。 
「じゃあ。そろそろ。俺も反撃させて貰おうかな。」 
秀人のその言葉を受け、キルダークが意味深な笑みを浮かべる。 
「俺の師の一人でありそのリーダーは、お前と同じ天性の『究極生産』だ。つまり鑑定や農民の重要性は十分に理解しているから、俺も上位の鑑定や農民を持っている。そして、俺は師から最高の装備を貰っている。それこそ、今、お前が装備している者より遙かにランクが高い代物だ。俺にお前の攻撃が効くわけないだろ。どれだけのレベル差と装備の差があると思っているんだ。糞雑魚が死ねよ。」  
余裕を見せるキルダークに秀人は『阿修羅・侍』のジョブレベルアップで覚えたスキルを試す。
現在の秀人は、メインのジョブを『様斬侍』に副ジョブをA級ダンジョンで手に入れた『阿修羅・侍』にしている。
「【阿修羅・壱斬】【阿修羅・弐斬】【阿修羅・参斬】」 
「雑魚が、無駄だ。そんな低レベルの攻撃は通用する訳が無いだろうが。ぎゃはははは。」 
「【杖・通常攻撃】【杖・通常攻撃】【杖・通常攻撃】あはははは。苦しそうな顔してるじゃねーか。弱くとも、今度の攻撃はちゃんと効いているようだな。くたばりやがれ。」 
「【黒点】」 
「無駄だ。無駄、無駄。ぎゃはははは。この雑魚野郎がっ。」 
まったく、ダメージを受けないキルダークに対して、僅かではあるが徐々にHPを減らしていく秀人。秀人は一生懸命に考えていた。このピンチを打ち破る打開策を。 
そして、キルダークの何度目かの攻撃の後で、秀人の心の奥底に眠る何かが、少しずつ記憶の欠片を繋ぎ合わせていた。 
 
『……オーラを体……纏……第二段……覆……を武……して攻撃……ろ……その……に……オ……は絶……に必……だ……。』 
 
――なんだ? なんの言葉だ。記憶? 
オーラ?
そういえば、ステータスにオーラという物があった。あれ? 俺は、昔からそれを覚えている気がする。その扱い方。防御では無意識に使っていたんだ。……その力を、俺は攻撃に応用する事が出来る……気がする。いや、今までも無意識で少し使った事がある。それが……たぶんオーラの第二段階 覆―― 
 
「【阿修羅・壱斬】」 
「ぐはっ。」 
突然。秀人の攻撃がキルダークに強烈なダメージを与える。秀人の刀を覆う微かな気がその原因だった。 
「【阿修羅・弐斬】」 
「ぐはっ。……何だ?お前の……その力は。……有り得ないだろ。お前の攻撃力如きで俺にダメージが通るわけが無い。」 
「だが、この力は相手の防御力を通過する。【阿修羅・参斬】」 
「がはっ。何なんだよ。お前。おかしいだろ。……そのレベルで。」 
「【連撃・一層羅睺阿】」 
「ぐ糞がっ。【杖・通常攻撃】【杖・通常攻撃】」 
「【連撃・三層佉羅騫駄阿】」 
「がはっ。げほっ。ふざけるなよ。俺は世界最強。こんな所でこんな雑魚に……負けるわけが。駄目だ。あと、少しなんだ。ここで兵を調達すればアイツ等に手が届……。」  
「キルダークこれでおしまいだ。ユノにはもう二度と関わるな。【黒点】」 
 
キルダークは満身創痍だった。加えて、弱点への最後の攻撃。刀がその一点に突き刺さる瞬間に、秀人はその攻撃を抑えた。これがキルダークと対戦する為の修行による一番の成果ともいえる。絶大過ぎて人には使えない【黒点】。だが、これが秀人の攻撃の中で最も強い攻撃。だから相手に貫通する前にその攻撃を止める。人間相手には、それが当たるだけでも、強烈で十分に効果がある。 そして、キルダークが倒れた。
 
ここで、キルダークは戦闘不能に陥っていた。秀人が究極鑑定でそれを確認する。
「システム操作・【異空間解除】」 
 
貴族、王国騎士団、真貴族騎士団、貴族の私兵達、学園長、秀人の仲間。全ての者が結界の外側からその戦いを見ていた。その全員が、ユートピア国の威信を掛けた戦い。ユートピア国の全兵力 VS 世界最強の戦いになると覚悟をして集まっていた。だが、それは杞憂に終わる。 
 
世界最強 VS 生産適正の魔力0 
 
見事なまでに圧倒的なその戦いに勝利したのは
王立第一魔法学園 SSクラス特待生 秀人 鬼宮 その人である。 
 
そこに集まった全員が、歓喜に包まれ新しい英雄の誕生とその勝利に雄たけびを上げていた。その凄まじい大歓声の圧で地面が揺れているように感じた者もいる。その中からユノが一番最初に秀人に駆け寄り、感動のあまり泣きじゃくりながら、秀人を抱きしめていた。 
「秀人、本当に……本当にありがとう。」 
「気にするな。仲間だろ。」 
「そう言えば、キルダークに私の事を俺の女って言ってたけど。その……付き合ってくれるって事?」 
「あ。……ごめん。あれは心愛がキルダークを諦めさせる為に、そう言えって。」 
「なんだ。そっか。でも、凄く嬉しかった。いつか……本当にそう言ってもらえるように、私頑張るね。」 
 
その集団から離れた所、キルダークの目の前には、真貴族騎士団の中で、最も団長に愛されていた男がいた。その男は剣を振りかぶりキルダークに振り下ろす。 
「団長の敵。お前を殺してやる。」 
しかし、それを陽菜が素手で止めていた。 
「止めなよ。こいつを殺した所で、その人は生き返らない。」 
だが、陽菜がそれを止めずとも、キルダークは死ななかっただろう。 
「【空間転移】」 
なぜなら、その一瞬で姿を消したからだ。 
「くそっ。……団長。すみません。敵を取れませんでした。」 
「ごめんね。私もあなたと同じ事をしようと思ってここに来たの。でも、あなたの事を止めてしまった。ガッシュ先生すみません。敵を取れませんでした。」 
「いや。別に良いよ。死んだわけでもない。痛かったけどな。」 
「ガッシュ先生! 体は大丈夫なんですか?」 
「そりゃあ。たくさんの回復魔法を掛けられたからな。完治だ。俺の自然治癒能力も凄いんだけどね。」 
「良かった。本当に良かったです。」 
 
円卓の騎士 第一席を円卓の騎士以外のそれも天性が戦闘適正でない一般の学生が倒すという大ニュースは、ユートピアの貴族達により全世界に広がって行く事となる。これは、ユートピア国が円卓の騎士を超える戦力を有しているという、外交的な戦略としても真貴族達に利用されていた。同時にランキング協会の円卓の騎士の基準がレベルだけで、当てにはならないものだとの評判が世界中を駆け巡る事になった。 
 
*** 
 
ここは、西の孤島 桃源郷。 ここに住む人種は、世界には干渉せず、己の強さの探求のみに時間を費やす者達。そして、それはこの地を知るデストピアだけが強者を生んだ原因でもある。 
「創具天。頼む。もう一度俺に修行を許してほしい。」  
「この島を一度出た者に、稽古をつけてやる必要があると思うか?」 
「頼む。倒したい奴が増えたんだ。魔導士のままでは奴には絶対に勝てない。」 
「お前の純粋に強くなりたいという意思。それが好きじゃから別に良いんじゃがの。では爆死天の修行は途中で投げ出しておるから、次は斬罪天と殴蹴天に話を付けてやる。死ぬ気でやれよ。キル。もし、それに耐え抜いたら、次は儂が剣の手ほどきをしてやっても良い。」  
「創具天。恩にきる。」 
「ところで、キル。お前のステータスに追加されたAP1とオーラとは何なのじゃ?」
「ふん。これでチェックメイトだな。」 
それは本当に絶望的だった。そこに集まった110人の仲間は全員が間近に迫る死を予感した。そこに状態異常の絶望の効果も重なり、気絶する者が後を絶たなかった。 ただ、同じ悪魔憑きの陽菜だけは、悪魔デビルの咄嗟の判断で効果を相殺していた。
その威力を知っているユノが、それを見て震えている。心愛が、そんなユノを見て声を掛ける。 
「ユノ、落ち着いて。幸い私達は拘束されなかった。1人でも多くの人を回復させて、あそこから逃がすのよ。私は、悪魔本体をやる。あの魔法の落下速度を落としておくから必ず全員を逃がしてね。」 
心愛は【視界移動】でユノを仲間達がいる場所へと戻す。次に【縮地】の短距離移動で仲間達の輪の中から外れる。 
【業火大壁】 無詠唱で展開した合計10個の火の壁が【黒い太陽】を空中に固定した。だが、【黒い太陽】はその複数の【業火大壁】を飲み込みながらゆっくりと地上に向かって押し込まれていく。 
ユノが全員を回復する。陽菜が近くにいたモーリスを抱えて範囲の外へと走る。黒い太陽の落下までおよそあと1分。 
「駄目。回復が間に合わない。そもそも、この状態異常は解けないわ。」 
【視界移動】次に心愛はデモンの隣に移動すると、デモンに向かって笑みを浮かべる。 
「本当に、いけない子ね。【空間転移】」 
ここは、心愛がその旅で最近訪れた南の大陸。アースガルズ帝国領。そこにデモンを連れてやって来た。 
「くそ餓鬼。やりやがったな。殺してやる。」 
「そんな暇は無いの。【空間転移】」 
【空間転移】で戻って来た心愛はみんなを連れて、安全な場所へ【視界移動】 した。 
【視界移動】 【視界移動】 【視界移動】 【視界移動】 避難が必要なのは残り95人。6人ずつ【視界移動】 を使って運んでも16回の避難が必要で【視界移動】を32回繰り返さなければならない。 
「だめだ、このペースじゃとても間に合わないわ」 
その時、突然、王国騎士団達が倒れている場所に、青い甲冑を来た真貴族騎士団達が現れる。 
「団長のかたきを取りに来たら、これだ。王国騎士団もやはり大した事無いな。」 
真貴族騎士団達が王国騎士団達を抱え、次々に攻撃範囲から急ぎ脱出を開始する。 
そして、そこに一部貴族やその私兵達も現れた。 
「モーリス無事か?」 
モーリスの父ブナパトスが、モーリスを肩を抱く。
「……父さん。」 
貴族達と真貴族騎士団の活躍で、そこにいる全員が難を逃れる事となった。こうして【黒い太陽】が地上を抉るその前に、全員の避難が完了したのだった。 
 
奇しくもキルダークが真貴族騎士団の一部を虐殺した結果が、真貴族会議とユートピア国の王派とを一時的にでも繋げる役割を果たした。そして、王国騎士団並びに、秀人の仲間達を救う上で彼等が一番の活躍を見せる事となった。 
貴族達やその私兵数百人も、ここで、世界最強対秀人の戦いをその目に焼き付ける事となった。それは、今後、世界を巻き込むであろう一大ニュースが世界に拡散する原因となる。 
 
「どうやら間に合ったようね。これは絶望の状態異常が和らぐ薬よ。先日の事件から、こんな事もあろうかと思って作らせておいたの。ユノさん。心愛さん。陽菜さん。倒れている全員にこれを飲ませるのを手伝って頂戴。手の空いている貴族の皆様もお手伝い下さい。」 
「マクレナシル先生。ありがとうございます。」 
 
*** 
 
 
秀人 VS 世界最強  
 
キルダークの数多の魔法を喰らい終わった秀人。 
「じゃあ。そろそろ。俺も反撃させて貰おうかな。」 
秀人のその言葉を受け、キルダークが意味深な笑みを浮かべる。 
「俺の師の一人でありそのリーダーは、お前と同じ天性の『究極生産』だ。つまり鑑定や農民の重要性は十分に理解しているから、俺も上位の鑑定や農民を持っている。そして、俺は師から最高の装備を貰っている。それこそ、今、お前が装備している者より遙かにランクが高い代物だ。俺にお前の攻撃が効くわけないだろ。どれだけのレベル差と装備の差があると思っているんだ。糞雑魚が死ねよ。」  
余裕を見せるキルダークに秀人は『阿修羅・侍』のジョブレベルアップで覚えたスキルを試す。
現在の秀人は、メインのジョブを『様斬侍』に副ジョブをA級ダンジョンで手に入れた『阿修羅・侍』にしている。
「【阿修羅・壱斬】【阿修羅・弐斬】【阿修羅・参斬】」 
「雑魚が、無駄だ。そんな低レベルの攻撃は通用する訳が無いだろうが。ぎゃはははは。」 
「【杖・通常攻撃】【杖・通常攻撃】【杖・通常攻撃】あはははは。苦しそうな顔してるじゃねーか。弱くとも、今度の攻撃はちゃんと効いているようだな。くたばりやがれ。」 
「【黒点】」 
「無駄だ。無駄、無駄。ぎゃはははは。この雑魚野郎がっ。」 
まったく、ダメージを受けないキルダークに対して、僅かではあるが徐々にHPを減らしていく秀人。秀人は一生懸命に考えていた。このピンチを打ち破る打開策を。 
そして、キルダークの何度目かの攻撃の後で、秀人の心の奥底に眠る何かが、少しずつ記憶の欠片を繋ぎ合わせていた。 
 
『……オーラを体……纏……第二段……覆……を武……して攻撃……ろ……その……に……オ……は絶……に必……だ……。』 
 
――なんだ? なんの言葉だ。記憶? 
オーラ?
そういえば、ステータスにオーラという物があった。あれ? 俺は、昔からそれを覚えている気がする。その扱い方。防御では無意識に使っていたんだ。……その力を、俺は攻撃に応用する事が出来る……気がする。いや、今までも無意識で少し使った事がある。それが……たぶんオーラの第二段階 覆―― 
 
「【阿修羅・壱斬】」 
「ぐはっ。」 
突然。秀人の攻撃がキルダークに強烈なダメージを与える。秀人の刀を覆う微かな気がその原因だった。 
「【阿修羅・弐斬】」 
「ぐはっ。……何だ?お前の……その力は。……有り得ないだろ。お前の攻撃力如きで俺にダメージが通るわけが無い。」 
「だが、この力は相手の防御力を通過する。【阿修羅・参斬】」 
「がはっ。何なんだよ。お前。おかしいだろ。……そのレベルで。」 
「【連撃・一層羅睺阿】」 
「ぐ糞がっ。【杖・通常攻撃】【杖・通常攻撃】」 
「【連撃・三層佉羅騫駄阿】」 
「がはっ。げほっ。ふざけるなよ。俺は世界最強。こんな所でこんな雑魚に……負けるわけが。駄目だ。あと、少しなんだ。ここで兵を調達すればアイツ等に手が届……。」  
「キルダークこれでおしまいだ。ユノにはもう二度と関わるな。【黒点】」 
 
キルダークは満身創痍だった。加えて、弱点への最後の攻撃。刀がその一点に突き刺さる瞬間に、秀人はその攻撃を抑えた。これがキルダークと対戦する為の修行による一番の成果ともいえる。絶大過ぎて人には使えない【黒点】。だが、これが秀人の攻撃の中で最も強い攻撃。だから相手に貫通する前にその攻撃を止める。人間相手には、それが当たるだけでも、強烈で十分に効果がある。 そして、キルダークが倒れた。
 
ここで、キルダークは戦闘不能に陥っていた。秀人が究極鑑定でそれを確認する。
「システム操作・【異空間解除】」 
 
貴族、王国騎士団、真貴族騎士団、貴族の私兵達、学園長、秀人の仲間。全ての者が結界の外側からその戦いを見ていた。その全員が、ユートピア国の威信を掛けた戦い。ユートピア国の全兵力 VS 世界最強の戦いになると覚悟をして集まっていた。だが、それは杞憂に終わる。 
 
世界最強 VS 生産適正の魔力0 
 
見事なまでに圧倒的なその戦いに勝利したのは
王立第一魔法学園 SSクラス特待生 秀人 鬼宮 その人である。 
 
そこに集まった全員が、歓喜に包まれ新しい英雄の誕生とその勝利に雄たけびを上げていた。その凄まじい大歓声の圧で地面が揺れているように感じた者もいる。その中からユノが一番最初に秀人に駆け寄り、感動のあまり泣きじゃくりながら、秀人を抱きしめていた。 
「秀人、本当に……本当にありがとう。」 
「気にするな。仲間だろ。」 
「そう言えば、キルダークに私の事を俺の女って言ってたけど。その……付き合ってくれるって事?」 
「あ。……ごめん。あれは心愛がキルダークを諦めさせる為に、そう言えって。」 
「なんだ。そっか。でも、凄く嬉しかった。いつか……本当にそう言ってもらえるように、私頑張るね。」 
 
その集団から離れた所、キルダークの目の前には、真貴族騎士団の中で、最も団長に愛されていた男がいた。その男は剣を振りかぶりキルダークに振り下ろす。 
「団長の敵。お前を殺してやる。」 
しかし、それを陽菜が素手で止めていた。 
「止めなよ。こいつを殺した所で、その人は生き返らない。」 
だが、陽菜がそれを止めずとも、キルダークは死ななかっただろう。 
「【空間転移】」 
なぜなら、その一瞬で姿を消したからだ。 
「くそっ。……団長。すみません。敵を取れませんでした。」 
「ごめんね。私もあなたと同じ事をしようと思ってここに来たの。でも、あなたの事を止めてしまった。ガッシュ先生すみません。敵を取れませんでした。」 
「いや。別に良いよ。死んだわけでもない。痛かったけどな。」 
「ガッシュ先生! 体は大丈夫なんですか?」 
「そりゃあ。たくさんの回復魔法を掛けられたからな。完治だ。俺の自然治癒能力も凄いんだけどね。」 
「良かった。本当に良かったです。」 
 
円卓の騎士 第一席を円卓の騎士以外のそれも天性が戦闘適正でない一般の学生が倒すという大ニュースは、ユートピアの貴族達により全世界に広がって行く事となる。これは、ユートピア国が円卓の騎士を超える戦力を有しているという、外交的な戦略としても真貴族達に利用されていた。同時にランキング協会の円卓の騎士の基準がレベルだけで、当てにはならないものだとの評判が世界中を駆け巡る事になった。 
 
*** 
 
ここは、西の孤島 桃源郷。 ここに住む人種は、世界には干渉せず、己の強さの探求のみに時間を費やす者達。そして、それはこの地を知るデストピアだけが強者を生んだ原因でもある。 
「創具天。頼む。もう一度俺に修行を許してほしい。」  
「この島を一度出た者に、稽古をつけてやる必要があると思うか?」 
「頼む。倒したい奴が増えたんだ。魔導士のままでは奴には絶対に勝てない。」 
「お前の純粋に強くなりたいという意思。それが好きじゃから別に良いんじゃがの。では爆死天の修行は途中で投げ出しておるから、次は斬罪天と殴蹴天に話を付けてやる。死ぬ気でやれよ。キル。もし、それに耐え抜いたら、次は儂が剣の手ほどきをしてやっても良い。」  
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