現実世界で虐められ続けた最弱の俺は、剣と魔法のファンタジー世界でMP0の生産チートで無双する。落ちこぼれ王女と親に生き方を決められた公爵令嬢との人生逆転物語。
魚心あれば水心②
ユートピア国現国王。アルツシュタイン ゴア ルナバルド ユートピアは最大限の威嚇、大きな椅子に座りながら、腰にある剣を握った状態で秀人の事を睨みつけていた。秀人は王宮の入口で武器を取り上げられ所持していないので護衛もいない部屋の中で王とたった二人きりにされている。
そして、王は先程の騎士団長よりはやや劣るが、一般の学生とは比べられないくらいに強い。普通ならばその一睨みで気圧されているはずだ。だが、秀人は涼しい顔を貫いていた。これも、剣崎や玄一に毎日暴力を振るわれていたおかげである。例え、死ぬ寸前まで痛めつけられたとしても、それが秀人の日常だったのだ。
「ふん。無礼者めが。まあ良い。王子達にあれほどの手傷を負わせたのだから、無礼である事はある程度予想していた。だが、余は王であるが故に国内で対等に話せるものが無くそれに退屈もしていた。態度はそれでもかまわぬのだが、お前の交渉内容次第では王子達の一件、それをお前とその仲間の責任として罰する事も覚悟をしておけよ。」 
一人なら怖くは無いのだが、仲間を引き合いに出されるのは秀人には堪えがたい。まずは、この世界での秀人の立ち位置と要求を伝える事にした。王が仲間への罰を持ち出して来た以上、神託の情報を開示する事で自分達を襲うであろうリスクを抑えようと考えたからだ。
「俺はアルテミスから世界を救う事を託された者。神託を受けた者だ。だが、それは俺が世界を知るまでは秘密にして欲しい。干渉するならこの国を出ていく覚悟だ。そして、俺の要求はユノの復権と俺達の行動には干渉しないで欲しいと言う事。王子達をこっぴどく痛めつけたのだから良くも悪くも俺達は目立ってしまった。これがどんどんエスカレートして王族とか貴族とか、暴力で俺達を支配しようする連中が現れた時には、それがこの国に関わる人物であればそれを止めて欲しいんだ。」 
すると、王は目を見開き驚いていたが、その後で深いため息を漏らした。王は本当に秀人を苦しめたり罰を与えようとしていた。そして、それが不可能である事に気付きため息をついたのだ。
「オリハルコンの剣の製作者は神託の勇者様だったのか。尋常ならざる才能も神託の勇者であれば納得がいく話だな。だが、聞いてしまった以上、国としてこれを支援しなければならないのだが、余はお前が大嫌いだ。はて、どうしようかのう。知らぬふりをしてお前を殺す事も出来るぞ。ははは、そんな事をしたら余の方が大罪人じゃな。ムカつくが罪は着せぬ。支援もしよう。」
これで秀人にはなんとか交渉の余地が生まれた。ここからは秀人の筋書きをそのまま実行した。むしろそれは秀人の独壇場となった。 
「特に支援をして欲しいとは思わないよ。俺達が秘密にしているのだから、支援をしなくても問題は無いのでは? それと、交渉の為に此方は武器と防具50セットと効力結晶を400個用意している。全部これと同等の品なので確認してくれ。おそらく、これだけで王様の勢力は格段に向上するかと思うよ。むしろこれは此方の切り札だ。俺達神託を受けた者とも同等になると言えるね。」 
秀人は王様に鎧を持って王様に近づき更にアイテムボックスから装備一式を取り出す。B級のダンジョンで手に入れた素材を使い作った50セットの武器と防具。制作時にランクが1つ上がっているので、A級ダンジョン以上の武器と防具が『至高品質』(5倍以上の攻撃力と耐久力の最高の品質に仕上げた装備)そこに効力(エフェクト)結晶を嵌め込むスロットが4つ。秀人は事前に街でいろいろな武器と防具を見て来たが、これと同等の品はこの国に出回っていない事を知っている。むしろユノが用意したミスリルにも匹敵する装備なのだから、世界的に貴重な品ではないかと思う程だ。 
「どうでしょうか?」  
「なんと素晴らしい事か。そして、なんと恐ろしい男だ。余の直下、王国騎士団はこれだけでこの国の最高の戦力となるだろう。だがお前の要求を拒み、国がお前を手放せば最大の脅威ともなる。お前は嫌いだが、余の選択肢は一つしかあるまい。お前やユノに対してこの国の者は手を出してはいけないと国民全員に通達する。どうせ余の発言力が上がる事を見越しての要求だろう。貴族の息子やその末端など制御が難しい者が確実に手を出させないと約束は出来ないが、真貴族達もその対象とし、何人たりとも秀人の仲間やユノに危害を加えぬ法律をすぐにでも作る。そしてこれを大々的に公表しよう。ユノに関しても、要求通り普通の王族の待遇に戻してやる。」  
「ありがとうございます。では王国騎士団分の50セット、と、これはそのおまけで王国魔法師団分の装備50セット、と効力結晶400個です。」 
ここで秀人は王を再度究極鑑定してみる。実は入室時に一度王を鑑定をしていた。そして、今まで王に掛けられていた洗脳の状態がここでやっと完全に解けていた。事前にユノからの話を聞いていたので、秀人はもしかすると王のユノに対する行動は全て精神攻撃の類では無いかと疑っていた。一度目の鑑定でそれが確定したので、装備品を出した時に錬金スキルで作った精神に干渉する魔法を解く効果のあるアイテムを王に振りかけていた。喜びなどプラスの心の変化で王に使ったアイテムの効果が倍増する。小出しにアイテムを渡したのは、喜びの気持ちでこの洗脳が解かれるのを待っていたのだ。もし、これで解けなければ次回、別の対策をと思っていたので大成功で安心していた。 
 「魔法師団の分までじゃと! 本当に秀人殿にはなんとお礼を言ったら良いのか。なのに余は終始秀人殿を挑発する様な態度で、大嫌いだとも言ってしまった。前言撤回させて貰う。すまぬ。余が間違っておった。それと今まで冷遇してしまっていたユノ王女を継承権第一位の皇太女とし、それが今後覆る事の無いように全世界に公表する事とする。ユノ共々これからは丁重に扱う故、今までの余の態度を許してはくれぬか? 本当にすまなかった。褒美もこれ程の物ゆえ対価とまではいかぬが期待していてくれ。」 
「恐悦至極にございます。対価は先程言質を頂きましたので、それで十分です。」 
王様が態度を改めた事で、秀人もこの国に於ける王に対する礼儀を再び尊重する事にした。 
「秀人殿、本当に感謝するぞ。それではユノを呼んで来て貰えるか?」 
「はい。それでは、私は失礼します。」 
 秀人は部屋を出て、それを待っていたユノに王の呼び出しを伝える。
「ユノ。王様が呼んでいるよ。」 
 ユノは王様から新たに皇太女として迎える事を伝えられる。ユノは秀人が自分にしてくれた事がとても嬉しかった。そして、ますます、その愛情が募っていった。だが皇太女になれた事が嬉しい訳では無い。愛する秀人が自分の為に行動してくれている事が嬉しいのだ。
自分の寿命はどんなに長くても20才まで、その事を知っているから大抵の事では喜べない。でも唯一秀人に関する事だけはとても嬉しかった。短い人生の最後の締めくくりに秀人に出逢えた事だけで自分が幸せだとも感じられていた。だが、この思いは決して届くことは無かった。
ユノは先日、秀人にあっさりと振られていた。それでも、そこで振られて良かったと思いなおす。ユノに残された時間はあと数年しか無い。受け入れられても秀人に辛い思いをさせてしまう事だろう。ならば、せめて秀人に対して一途に変わらぬ愛を貫いたまま自分の中で終わりにしたかった。
ユノは王様のいる部屋を後にして、そこで待っていた秀人の肘に手を絡ませ、至福の表情を浮かべていた。腕を放そうとしてくる秀人に向かってユノは笑顔で一言。
「友達としてならそばにいて良いんでしょ? 私に残された時間は少ないのだから、せめて、秀人と思い出に残る事がたくさんしたいの。」
秀人は照れながらも、それが友情を表す行為だとしたら拒否が出来ない。笑顔の中に涙を浮かべるユノの頭を優しく撫でてあげた。ユノは秀人の胸に顔を埋めて零れ落ちる涙が見えない様にした。喜びと切なさがユノの心を締め付けていた。
そして、王は先程の騎士団長よりはやや劣るが、一般の学生とは比べられないくらいに強い。普通ならばその一睨みで気圧されているはずだ。だが、秀人は涼しい顔を貫いていた。これも、剣崎や玄一に毎日暴力を振るわれていたおかげである。例え、死ぬ寸前まで痛めつけられたとしても、それが秀人の日常だったのだ。
「ふん。無礼者めが。まあ良い。王子達にあれほどの手傷を負わせたのだから、無礼である事はある程度予想していた。だが、余は王であるが故に国内で対等に話せるものが無くそれに退屈もしていた。態度はそれでもかまわぬのだが、お前の交渉内容次第では王子達の一件、それをお前とその仲間の責任として罰する事も覚悟をしておけよ。」 
一人なら怖くは無いのだが、仲間を引き合いに出されるのは秀人には堪えがたい。まずは、この世界での秀人の立ち位置と要求を伝える事にした。王が仲間への罰を持ち出して来た以上、神託の情報を開示する事で自分達を襲うであろうリスクを抑えようと考えたからだ。
「俺はアルテミスから世界を救う事を託された者。神託を受けた者だ。だが、それは俺が世界を知るまでは秘密にして欲しい。干渉するならこの国を出ていく覚悟だ。そして、俺の要求はユノの復権と俺達の行動には干渉しないで欲しいと言う事。王子達をこっぴどく痛めつけたのだから良くも悪くも俺達は目立ってしまった。これがどんどんエスカレートして王族とか貴族とか、暴力で俺達を支配しようする連中が現れた時には、それがこの国に関わる人物であればそれを止めて欲しいんだ。」 
すると、王は目を見開き驚いていたが、その後で深いため息を漏らした。王は本当に秀人を苦しめたり罰を与えようとしていた。そして、それが不可能である事に気付きため息をついたのだ。
「オリハルコンの剣の製作者は神託の勇者様だったのか。尋常ならざる才能も神託の勇者であれば納得がいく話だな。だが、聞いてしまった以上、国としてこれを支援しなければならないのだが、余はお前が大嫌いだ。はて、どうしようかのう。知らぬふりをしてお前を殺す事も出来るぞ。ははは、そんな事をしたら余の方が大罪人じゃな。ムカつくが罪は着せぬ。支援もしよう。」
これで秀人にはなんとか交渉の余地が生まれた。ここからは秀人の筋書きをそのまま実行した。むしろそれは秀人の独壇場となった。 
「特に支援をして欲しいとは思わないよ。俺達が秘密にしているのだから、支援をしなくても問題は無いのでは? それと、交渉の為に此方は武器と防具50セットと効力結晶を400個用意している。全部これと同等の品なので確認してくれ。おそらく、これだけで王様の勢力は格段に向上するかと思うよ。むしろこれは此方の切り札だ。俺達神託を受けた者とも同等になると言えるね。」 
秀人は王様に鎧を持って王様に近づき更にアイテムボックスから装備一式を取り出す。B級のダンジョンで手に入れた素材を使い作った50セットの武器と防具。制作時にランクが1つ上がっているので、A級ダンジョン以上の武器と防具が『至高品質』(5倍以上の攻撃力と耐久力の最高の品質に仕上げた装備)そこに効力(エフェクト)結晶を嵌め込むスロットが4つ。秀人は事前に街でいろいろな武器と防具を見て来たが、これと同等の品はこの国に出回っていない事を知っている。むしろユノが用意したミスリルにも匹敵する装備なのだから、世界的に貴重な品ではないかと思う程だ。 
「どうでしょうか?」  
「なんと素晴らしい事か。そして、なんと恐ろしい男だ。余の直下、王国騎士団はこれだけでこの国の最高の戦力となるだろう。だがお前の要求を拒み、国がお前を手放せば最大の脅威ともなる。お前は嫌いだが、余の選択肢は一つしかあるまい。お前やユノに対してこの国の者は手を出してはいけないと国民全員に通達する。どうせ余の発言力が上がる事を見越しての要求だろう。貴族の息子やその末端など制御が難しい者が確実に手を出させないと約束は出来ないが、真貴族達もその対象とし、何人たりとも秀人の仲間やユノに危害を加えぬ法律をすぐにでも作る。そしてこれを大々的に公表しよう。ユノに関しても、要求通り普通の王族の待遇に戻してやる。」  
「ありがとうございます。では王国騎士団分の50セット、と、これはそのおまけで王国魔法師団分の装備50セット、と効力結晶400個です。」 
ここで秀人は王を再度究極鑑定してみる。実は入室時に一度王を鑑定をしていた。そして、今まで王に掛けられていた洗脳の状態がここでやっと完全に解けていた。事前にユノからの話を聞いていたので、秀人はもしかすると王のユノに対する行動は全て精神攻撃の類では無いかと疑っていた。一度目の鑑定でそれが確定したので、装備品を出した時に錬金スキルで作った精神に干渉する魔法を解く効果のあるアイテムを王に振りかけていた。喜びなどプラスの心の変化で王に使ったアイテムの効果が倍増する。小出しにアイテムを渡したのは、喜びの気持ちでこの洗脳が解かれるのを待っていたのだ。もし、これで解けなければ次回、別の対策をと思っていたので大成功で安心していた。 
 「魔法師団の分までじゃと! 本当に秀人殿にはなんとお礼を言ったら良いのか。なのに余は終始秀人殿を挑発する様な態度で、大嫌いだとも言ってしまった。前言撤回させて貰う。すまぬ。余が間違っておった。それと今まで冷遇してしまっていたユノ王女を継承権第一位の皇太女とし、それが今後覆る事の無いように全世界に公表する事とする。ユノ共々これからは丁重に扱う故、今までの余の態度を許してはくれぬか? 本当にすまなかった。褒美もこれ程の物ゆえ対価とまではいかぬが期待していてくれ。」 
「恐悦至極にございます。対価は先程言質を頂きましたので、それで十分です。」 
王様が態度を改めた事で、秀人もこの国に於ける王に対する礼儀を再び尊重する事にした。 
「秀人殿、本当に感謝するぞ。それではユノを呼んで来て貰えるか?」 
「はい。それでは、私は失礼します。」 
 秀人は部屋を出て、それを待っていたユノに王の呼び出しを伝える。
「ユノ。王様が呼んでいるよ。」 
 ユノは王様から新たに皇太女として迎える事を伝えられる。ユノは秀人が自分にしてくれた事がとても嬉しかった。そして、ますます、その愛情が募っていった。だが皇太女になれた事が嬉しい訳では無い。愛する秀人が自分の為に行動してくれている事が嬉しいのだ。
自分の寿命はどんなに長くても20才まで、その事を知っているから大抵の事では喜べない。でも唯一秀人に関する事だけはとても嬉しかった。短い人生の最後の締めくくりに秀人に出逢えた事だけで自分が幸せだとも感じられていた。だが、この思いは決して届くことは無かった。
ユノは先日、秀人にあっさりと振られていた。それでも、そこで振られて良かったと思いなおす。ユノに残された時間はあと数年しか無い。受け入れられても秀人に辛い思いをさせてしまう事だろう。ならば、せめて秀人に対して一途に変わらぬ愛を貫いたまま自分の中で終わりにしたかった。
ユノは王様のいる部屋を後にして、そこで待っていた秀人の肘に手を絡ませ、至福の表情を浮かべていた。腕を放そうとしてくる秀人に向かってユノは笑顔で一言。
「友達としてならそばにいて良いんでしょ? 私に残された時間は少ないのだから、せめて、秀人と思い出に残る事がたくさんしたいの。」
秀人は照れながらも、それが友情を表す行為だとしたら拒否が出来ない。笑顔の中に涙を浮かべるユノの頭を優しく撫でてあげた。ユノは秀人の胸に顔を埋めて零れ落ちる涙が見えない様にした。喜びと切なさがユノの心を締め付けていた。
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