現実世界で虐められ続けた最弱の俺は、剣と魔法のファンタジー世界でMP0の生産チートで無双する。落ちこぼれ王女と親に生き方を決められた公爵令嬢との人生逆転物語。
『ジョブマスター』
その日、ユートピア国、王立第一魔法学園は、荒れていた。入学の時期を逸脱した前代未聞の新入生の話を聞きつけた2人の教師が職員達を巻き込んで猛反発していたのだ。
騒ぎを大きくしたくない学園長は、二人の教師によるあくまでも極秘の臨時試験を提案する事になった。
通称真貴族と呼ばれるユートピア国内を陰で牛耳る支配者達の階級。その派閥の中にいるヒートアイル侯爵は、ザムガトルス学園長を監視する為に部下を二人潜入させる役割を担っていた。
そして、ヒートアイル侯爵の独自の野望により暴走した潜入教師アムドとマーズは、学園長とユノ王女に推薦者の責任を追及していた。
「学園長とユノ王女には、この国最高の教育機関である王立第一魔法学園を私物化しようとする意図が感じられます。万が一それが天武の才を持つ者を迎え育成する為であれば問題はない。ですが、もし、凡才か普通に優秀な部類の生徒であれば大問題だと言っているのです。臨時試験の結果、後者だと判断した場合、必然的に学園を私物化しようとした学園長とユノ王女にも責任を取って辞めて頂きたい。その覚悟はおありか?」
「まったくその通りです。ザムガトルス学園長はこの国の侯爵です。それなのに、国の政治にはまったく関与しない。もしかすると、その絶大な力で国を乗っ取るおつもりですか? 話は反れましたが、学園を私物化するなど、そのような他意があるとしか思えません。」
ヒートアイル侯爵の指示により学園長とユノ王女にも消えて欲しい2人は、必死に抗議した。だが学園長の真実はそんなに簡単ではない。この国の戦力という意味で学園長がいなくなったユートピア国は、世界中から標的にされるだろう。その事は学園長本人と一部の強者が理解している。真貴族会議でヒートアイル侯爵のこの愚行が表沙汰になれば、排除されるのは学園長ではなくヒートアイル侯爵の方だった。
だが、ヒートアイルやアムド達は、そんな事は知らないので、まったく気にしていなかった。一石三鳥で邪魔者を全て排除すれば良いのだ。
「いいじゃろう。臨時試験を通過しなかった場合、儂とユノ君が学園から去る。じゃが。これで儂の意見に反対するお前等は何を掛けるんじゃ? リスク無しだというならば、試験云々の前に儂がお前等を捻り潰すのじゃがのお。」
「おー怖い。良いでしょう。生産職の少年に、臨時試験が受かるわけ無いですが、もし、受かったら私達の方が学園を去りましょう。」
こうして秀人にも極秘で行われた臨時試験という名のギャンブル。
学園長とユノは秀人の入学にベット。教師アムドとロッテは、臨時試験の不合格にベットした。
ザムガトルス学園長がこの臨時試験を了承したのは、真貴族のスパイをここで退場させる目的があった。だからこそ、ユノが話を持ち掛けた時点で、潜入者が食いつくように種をまき泳がせていたのだ。
学園長とは違い、秀人の入学だけを心配しているユノは、極秘で行われるであろう臨時試験の前に秀人をダンジョンに連れて行こうと考える。せめてこの4日間に少しでもレベルを上げさせようと考えたのだ。
――秀人は、部屋で自分の持ついろいろな生産系ジョブを閲覧していた。
中でも一番興味が湧いたのは、ジョブを変更する為の職業だ。
Bランク『転職神官』 
Aランク『ジョブマスター』。
その二つの中でも、自分の職業だけを変更出来る『ジョブマスター』の方の取得を陽菜と心愛にもして欲しいと考えていた。
秀人は異世界に転移した段階から、全ての生産系ジョブを満月で取得していた。他者のジョブを変更する『転職神官』も、自分のジョブを変更する『ジョブマスター』もすでに持っている。 
だが陽菜と心愛にはそれが無い。
陽菜と心愛の転職出来る職業は、街中で鑑定した一般の人よりもかなり多い。
しかし、仮にそれらのジョブに転職したとしても、スキルや魔法は、ジョブをセットした状態でないと発動しないものが多すぎる。
それを解決するのが生産職の『ジョブマスター』なのだ。
そしてそれは他者のジョブを変更する『転職神官』よりもランクが高い。その理由は、半月までに覚えるパッシブスキルの有用性にあった。 
『ジョブマスター』をジョブLv50半月まで覚えると
【副職業】×1
『拡張スロット1』×3
『スキルスロット』×5
のパッシブスキルが手に入る。
簡単に言うとメインのジョブ以外に4つのクラスかジョブをセット出来て、それとは別にスキルスロットに登録した5つの魔法やスキルが使えるのだ。
きっと生産職では、スキルの使いまわしが必要不可欠の為にこのジョブがあるのだろう。だが、それを戦闘職に置き換えた時の、戦術の幅は圧倒的に広がる事になる。
しかし、このジョブを取得するまでには、たくさんの生産職を覚えなければならない。
まずは、生産職 Eランク全アルチザン半月まで全取得する。
次に満月
Dランクからは『探検家』『鑑定人』『運搬人』
Cランクジョブ『アイテムマスター』
Bランクジョブ 『探究者』
ここまでを覚えてやっと Aランクジョブの【ジョブマスター】が獲得出来る。 
 
と、いう事で、秀人が真農業のジョブをセットした状態で、陽菜と心愛にはこれらのジョブを取得させようと考えていた。秀人がそれを考えていると、部屋をノックする音が聞こえて来る。
「ん? どうぞ。」
部屋に入って来たのは秀人の臨時試験が心配でやって来たユノだった。
「秀人さん。レベルを上げたいので一緒にダンジョンに行きませんか?」
ユノのその問いに秀人は笑顔になる。このタイミングはまったく丁度良い。異世界での初めての友達ユノ。彼女の境遇に少しだけ心配をしていた秀人は、今回のレベルアップにユノも参加させようと考えた。
「ユノさん。丁度良いですね。それなら、ダンジョン以外で一緒にレベルを上げませんか? 序盤のレベル上げならきっと効率が良いですよ。」
「へ? ダンジョン以外?」
「ええ。農業です。俺の場合は農作業でLv27まで上がりました。」
「ええええええええええええー!? この前Lv1だったのに、もうLv28ですって!? ……え? 本当だとしたら凄すぎます。」
「じゃあ。さっそくやりましょう。俺の友達も紹介しますよ。」
ユノは気持ちを落ち着かせる。だが落ち着いたところでまたもや驚愕の事実に気付いてしまった。
「ええええっ!? 秀人さん。なんだか凄く痩せました?」
「ええ。それも農業です。急激にレベルが上がりましたからね。」
「レベルの上昇で痩せるなんて聞いた事ありませんよ。……でも、もし急激に上がった影響だと考えたらあり得るのかも知れませんね。普通はそんなに早くレベルが上がりませんから、解明されていない事です。」
秀人は別室に待機している陽菜と心愛の元を訪れ、4人で農地へと向かった。
この日一日を掛けて、ギルドから貰った種と前回の収穫で取れた種を使い野菜を育てる事になる。今度の秀人は収穫をしながら全員のクラスを確認し半月に達したものから順番に操作していく。前回の農民クラスでは最後に確認したので、だいぶ獲得職業経験値の損をしていた。ユノだけ最初は農民クラスをマスターさせた。収穫を始めてから三分の一くらいの事だった。
「ユノさん。農民クラスのスキルポイントが取れたので、好きな初期値にポイントを振って下さい。」
「ポイント? なんの事ですか?」
「農民クラスをマスターすると初期値に振れるポイントが手に入るんです。それをステータス画面から振って下さい。」
「ぎゃ~~~。もう農民クラスをマスターしたのですか? 本当だ。……信じられない。」
ユノは画面に現れたステータスポイント振り分けの項目にショックを受け倒れる。だが、すぐに起き上がっていた。
「すいません。取り乱しました。私の初期値に振り分けました。」
「うんうん。では、作業に戻りましょう。」
時刻は夕方になる。全ての農作業を終え、全員のレベルが34にまで上昇した。ただLv30を超えてからの上昇は明らかに少なくなっていた。
ただし職業経験値だけは変わらず高く、全員が『ジョブマスター』を半月の所まで覚えていた。
「これで、今日の目標は達成しました。みんな、ステータス画面を見て貰えますか? 鑑定スキルの画面から自分のジョブを変更する項目があると思います。そこから【副職業】【拡張スロット】に自分でジョブをセットして下さいね。』」
「あわわわわ。なんて事なの!! とても信じられない!! Lv33にまで上がっています。しかもそのステータスの数値が私が教わってきたものより少し高いです。」
「そうでしょうね。ユノさんの場合は、ちゃんと注意していたのでLv16から初期値にポイントを振り分けています。Lv33なら一般の上昇値よりも170くらいは高いはずです。」
「レベルだけでも学園の卒業生の平均レベルを大幅に超えています。まさか王族なだけでSSクラスに入ったこの私が、本当に優秀な生徒の仲間入りを果たすだなんて思ってもみませんでした。ぅう……う。」
ユノの瞳からは涙が零れていた。それはとうの昔に諦めていた夢。理不尽に才能を押さえつけられ生きて来た自分との決別を意味する。
だが、秀人と出会った事でユノの成長は今後、更に加速していく事になる。
ユノは秀人の異常を体験し、ザムガトルス学園長と同じく、臨時試験を静観する事に決めていた。秀人を信じて学園で待つ事にしたのだ。
「秀人さん。本当に……本当にありがとうございます。」
「何を泣いているんですか。友達なんですから、一緒に成長していきましょう。」
「は……はいっ。」
秀人の笑顔にユノの心臓が締め付けられる。秀人は最初の出逢いから、どこまでも自分を救ってくれた。その気持ちに、その恩にどうやって報いれば良いのか。いくら考えてもわからない。だが、少なくとも自分が出来る精一杯でそれに応えようと考えていた。そう思い涙を拭いた。
陽菜がそれを見て秀人達に近づいて来た。陽菜は秀人の頭を叩く。
「ちょっと、秀人。なんで女の子を泣かせてるの? むっ。とっても不愉快だわ。」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇   
※ここからは後書きです。興味の無い場合は読み飛ばして下さい。 
『ジョブマスター』Lv50半月までに覚えるスキル
ジョブLv5『スキルスロット』マスターしていないアクティブスキルや魔法を1つセットして、どの職でも使える。 
ジョブLv10 アクティブスキル【職業選択】常時、自分の職業を変更する事が出来る。 転職神官の転職スキルの自分版。 
Lv15 パッシブスキル『スキルスロット』 
Lv20 パッシブスキル【副職業】設定したジョブはメインと同じ分の経験値が貰える。戦闘職のジョブであれば、各ステータスの上方修正効果50%と全てのスキルを使える。(クラスはステータス補正は無い)  
Lv25 パッシブスキル『スキルスロット』 
ジョブLv30『拡張スロット1』拡張スロットに設定したクラスやジョブのアクティブスキルをいつでも使用出来る。 
Lv35 パッシブスキル『スキルスロット』 
ジョブLv40パッシブスキル 『拡張スロット2』 
Lv45パッシブスキル 『スキルスロット』 
ジョブLv50『拡張スロット3』
騒ぎを大きくしたくない学園長は、二人の教師によるあくまでも極秘の臨時試験を提案する事になった。
通称真貴族と呼ばれるユートピア国内を陰で牛耳る支配者達の階級。その派閥の中にいるヒートアイル侯爵は、ザムガトルス学園長を監視する為に部下を二人潜入させる役割を担っていた。
そして、ヒートアイル侯爵の独自の野望により暴走した潜入教師アムドとマーズは、学園長とユノ王女に推薦者の責任を追及していた。
「学園長とユノ王女には、この国最高の教育機関である王立第一魔法学園を私物化しようとする意図が感じられます。万が一それが天武の才を持つ者を迎え育成する為であれば問題はない。ですが、もし、凡才か普通に優秀な部類の生徒であれば大問題だと言っているのです。臨時試験の結果、後者だと判断した場合、必然的に学園を私物化しようとした学園長とユノ王女にも責任を取って辞めて頂きたい。その覚悟はおありか?」
「まったくその通りです。ザムガトルス学園長はこの国の侯爵です。それなのに、国の政治にはまったく関与しない。もしかすると、その絶大な力で国を乗っ取るおつもりですか? 話は反れましたが、学園を私物化するなど、そのような他意があるとしか思えません。」
ヒートアイル侯爵の指示により学園長とユノ王女にも消えて欲しい2人は、必死に抗議した。だが学園長の真実はそんなに簡単ではない。この国の戦力という意味で学園長がいなくなったユートピア国は、世界中から標的にされるだろう。その事は学園長本人と一部の強者が理解している。真貴族会議でヒートアイル侯爵のこの愚行が表沙汰になれば、排除されるのは学園長ではなくヒートアイル侯爵の方だった。
だが、ヒートアイルやアムド達は、そんな事は知らないので、まったく気にしていなかった。一石三鳥で邪魔者を全て排除すれば良いのだ。
「いいじゃろう。臨時試験を通過しなかった場合、儂とユノ君が学園から去る。じゃが。これで儂の意見に反対するお前等は何を掛けるんじゃ? リスク無しだというならば、試験云々の前に儂がお前等を捻り潰すのじゃがのお。」
「おー怖い。良いでしょう。生産職の少年に、臨時試験が受かるわけ無いですが、もし、受かったら私達の方が学園を去りましょう。」
こうして秀人にも極秘で行われた臨時試験という名のギャンブル。
学園長とユノは秀人の入学にベット。教師アムドとロッテは、臨時試験の不合格にベットした。
ザムガトルス学園長がこの臨時試験を了承したのは、真貴族のスパイをここで退場させる目的があった。だからこそ、ユノが話を持ち掛けた時点で、潜入者が食いつくように種をまき泳がせていたのだ。
学園長とは違い、秀人の入学だけを心配しているユノは、極秘で行われるであろう臨時試験の前に秀人をダンジョンに連れて行こうと考える。せめてこの4日間に少しでもレベルを上げさせようと考えたのだ。
――秀人は、部屋で自分の持ついろいろな生産系ジョブを閲覧していた。
中でも一番興味が湧いたのは、ジョブを変更する為の職業だ。
Bランク『転職神官』 
Aランク『ジョブマスター』。
その二つの中でも、自分の職業だけを変更出来る『ジョブマスター』の方の取得を陽菜と心愛にもして欲しいと考えていた。
秀人は異世界に転移した段階から、全ての生産系ジョブを満月で取得していた。他者のジョブを変更する『転職神官』も、自分のジョブを変更する『ジョブマスター』もすでに持っている。 
だが陽菜と心愛にはそれが無い。
陽菜と心愛の転職出来る職業は、街中で鑑定した一般の人よりもかなり多い。
しかし、仮にそれらのジョブに転職したとしても、スキルや魔法は、ジョブをセットした状態でないと発動しないものが多すぎる。
それを解決するのが生産職の『ジョブマスター』なのだ。
そしてそれは他者のジョブを変更する『転職神官』よりもランクが高い。その理由は、半月までに覚えるパッシブスキルの有用性にあった。 
『ジョブマスター』をジョブLv50半月まで覚えると
【副職業】×1
『拡張スロット1』×3
『スキルスロット』×5
のパッシブスキルが手に入る。
簡単に言うとメインのジョブ以外に4つのクラスかジョブをセット出来て、それとは別にスキルスロットに登録した5つの魔法やスキルが使えるのだ。
きっと生産職では、スキルの使いまわしが必要不可欠の為にこのジョブがあるのだろう。だが、それを戦闘職に置き換えた時の、戦術の幅は圧倒的に広がる事になる。
しかし、このジョブを取得するまでには、たくさんの生産職を覚えなければならない。
まずは、生産職 Eランク全アルチザン半月まで全取得する。
次に満月
Dランクからは『探検家』『鑑定人』『運搬人』
Cランクジョブ『アイテムマスター』
Bランクジョブ 『探究者』
ここまでを覚えてやっと Aランクジョブの【ジョブマスター】が獲得出来る。 
 
と、いう事で、秀人が真農業のジョブをセットした状態で、陽菜と心愛にはこれらのジョブを取得させようと考えていた。秀人がそれを考えていると、部屋をノックする音が聞こえて来る。
「ん? どうぞ。」
部屋に入って来たのは秀人の臨時試験が心配でやって来たユノだった。
「秀人さん。レベルを上げたいので一緒にダンジョンに行きませんか?」
ユノのその問いに秀人は笑顔になる。このタイミングはまったく丁度良い。異世界での初めての友達ユノ。彼女の境遇に少しだけ心配をしていた秀人は、今回のレベルアップにユノも参加させようと考えた。
「ユノさん。丁度良いですね。それなら、ダンジョン以外で一緒にレベルを上げませんか? 序盤のレベル上げならきっと効率が良いですよ。」
「へ? ダンジョン以外?」
「ええ。農業です。俺の場合は農作業でLv27まで上がりました。」
「ええええええええええええー!? この前Lv1だったのに、もうLv28ですって!? ……え? 本当だとしたら凄すぎます。」
「じゃあ。さっそくやりましょう。俺の友達も紹介しますよ。」
ユノは気持ちを落ち着かせる。だが落ち着いたところでまたもや驚愕の事実に気付いてしまった。
「ええええっ!? 秀人さん。なんだか凄く痩せました?」
「ええ。それも農業です。急激にレベルが上がりましたからね。」
「レベルの上昇で痩せるなんて聞いた事ありませんよ。……でも、もし急激に上がった影響だと考えたらあり得るのかも知れませんね。普通はそんなに早くレベルが上がりませんから、解明されていない事です。」
秀人は別室に待機している陽菜と心愛の元を訪れ、4人で農地へと向かった。
この日一日を掛けて、ギルドから貰った種と前回の収穫で取れた種を使い野菜を育てる事になる。今度の秀人は収穫をしながら全員のクラスを確認し半月に達したものから順番に操作していく。前回の農民クラスでは最後に確認したので、だいぶ獲得職業経験値の損をしていた。ユノだけ最初は農民クラスをマスターさせた。収穫を始めてから三分の一くらいの事だった。
「ユノさん。農民クラスのスキルポイントが取れたので、好きな初期値にポイントを振って下さい。」
「ポイント? なんの事ですか?」
「農民クラスをマスターすると初期値に振れるポイントが手に入るんです。それをステータス画面から振って下さい。」
「ぎゃ~~~。もう農民クラスをマスターしたのですか? 本当だ。……信じられない。」
ユノは画面に現れたステータスポイント振り分けの項目にショックを受け倒れる。だが、すぐに起き上がっていた。
「すいません。取り乱しました。私の初期値に振り分けました。」
「うんうん。では、作業に戻りましょう。」
時刻は夕方になる。全ての農作業を終え、全員のレベルが34にまで上昇した。ただLv30を超えてからの上昇は明らかに少なくなっていた。
ただし職業経験値だけは変わらず高く、全員が『ジョブマスター』を半月の所まで覚えていた。
「これで、今日の目標は達成しました。みんな、ステータス画面を見て貰えますか? 鑑定スキルの画面から自分のジョブを変更する項目があると思います。そこから【副職業】【拡張スロット】に自分でジョブをセットして下さいね。』」
「あわわわわ。なんて事なの!! とても信じられない!! Lv33にまで上がっています。しかもそのステータスの数値が私が教わってきたものより少し高いです。」
「そうでしょうね。ユノさんの場合は、ちゃんと注意していたのでLv16から初期値にポイントを振り分けています。Lv33なら一般の上昇値よりも170くらいは高いはずです。」
「レベルだけでも学園の卒業生の平均レベルを大幅に超えています。まさか王族なだけでSSクラスに入ったこの私が、本当に優秀な生徒の仲間入りを果たすだなんて思ってもみませんでした。ぅう……う。」
ユノの瞳からは涙が零れていた。それはとうの昔に諦めていた夢。理不尽に才能を押さえつけられ生きて来た自分との決別を意味する。
だが、秀人と出会った事でユノの成長は今後、更に加速していく事になる。
ユノは秀人の異常を体験し、ザムガトルス学園長と同じく、臨時試験を静観する事に決めていた。秀人を信じて学園で待つ事にしたのだ。
「秀人さん。本当に……本当にありがとうございます。」
「何を泣いているんですか。友達なんですから、一緒に成長していきましょう。」
「は……はいっ。」
秀人の笑顔にユノの心臓が締め付けられる。秀人は最初の出逢いから、どこまでも自分を救ってくれた。その気持ちに、その恩にどうやって報いれば良いのか。いくら考えてもわからない。だが、少なくとも自分が出来る精一杯でそれに応えようと考えていた。そう思い涙を拭いた。
陽菜がそれを見て秀人達に近づいて来た。陽菜は秀人の頭を叩く。
「ちょっと、秀人。なんで女の子を泣かせてるの? むっ。とっても不愉快だわ。」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇   
※ここからは後書きです。興味の無い場合は読み飛ばして下さい。 
『ジョブマスター』Lv50半月までに覚えるスキル
ジョブLv5『スキルスロット』マスターしていないアクティブスキルや魔法を1つセットして、どの職でも使える。 
ジョブLv10 アクティブスキル【職業選択】常時、自分の職業を変更する事が出来る。 転職神官の転職スキルの自分版。 
Lv15 パッシブスキル『スキルスロット』 
Lv20 パッシブスキル【副職業】設定したジョブはメインと同じ分の経験値が貰える。戦闘職のジョブであれば、各ステータスの上方修正効果50%と全てのスキルを使える。(クラスはステータス補正は無い)  
Lv25 パッシブスキル『スキルスロット』 
ジョブLv30『拡張スロット1』拡張スロットに設定したクラスやジョブのアクティブスキルをいつでも使用出来る。 
Lv35 パッシブスキル『スキルスロット』 
ジョブLv40パッシブスキル 『拡張スロット2』 
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ジョブLv50『拡張スロット3』
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