現実世界で虐められ続けた最弱の俺は、剣と魔法のファンタジー世界でMP0の生産チートで無双する。落ちこぼれ王女と親に生き方を決められた公爵令嬢との人生逆転物語。
モンスター討伐は簡単だった①
異世界生活の1日目は、3人で街を散策しショッピングを楽しんだ後、適当な食堂で異世界の食事を楽しんだ。
秀人は陽菜と心愛の想定以上にはしゃぐ姿に笑いが絶えなかった。本当に久しぶりに心の底から笑っていた。特に心愛が異世界のけもみみに興奮し、体を摺り寄せてサインを求めている所が秀人のツボだった。
秀人は事前に2人の鑑定をしたが、陽菜は元々空手が強いだけに、『暗黒格闘家』というジョブを持ち、心愛は頭が良いのが幸いしたのか『爆炎の大賢者』というジョブだった。
陽菜は街で気に入った籠手を、心愛はファンタジーらしい魔法用の杖を購入する。
「やっぱり私は異世界に来ても格闘技よね。」
「魔法使いなんて、とってもワクワクです。」
それに引き換え、秀人が戦闘職で解放されているのは基本のクラス16種のみ。クラスはジョブの下位に位置するもの。ジョブがより専門的な職業特性であるのに対し、クラスは武器特性をスキルとして覚える。神殿で転職さえすれば誰でもチェンジ出来る職業なのだ。しかしMPが0である秀人にとって、魔法職などはありえない。それを加味すると戦闘職は更に限定され9つのクラスだけになる。秀人はそこで最も身近に感じていた剣を選んだ。
「良いな。魔法が使えるってずるいです。俺って生産職特化みたいだから、足を引っ張ったらごめんなさい。」
 
陽菜と心愛の究極鑑定の結果を説明し、3人で自分達が今後出来そうな事を考える。
そして、一旦 現実世界に帰り、陽菜は1体、秀人と心愛は3体の分身を作り出した。
これから異世界で行動しても、自分達の代理が現実世界で生活をする為だ。特に秀人と心愛の分身は自分達が住む新しい住居を探し、これから始める会社作りの準備を進める事になった。
――翌日 
朝に合流して食堂で朝ごはんを済ませてから、3人で大部屋に入り、秀人は女神から貰った携帯ダンジョンを取り出した。
「やっぱり、やる事と言ったらこれしかないですよね?」
「なんなの?」「なんでしょう?」
「このアイテムの名前。実は携帯ダンジョンなんです。」
心愛が唾を呑み込む。
「は? 何なのよ。」 「ダンジョンって事はつまりアレですよね?」
「そうきっとアレです。」「やはりアレですか。」
「二人して、アレって何なのよ!」
「陽菜は知らないか。異世界と言ったら、最初はレベル上げなんだよ。つまり、この扉の向こうには、見た事もないような化け物がいると思う。」
「よし。行くわよ。」
「呑み込み早っ。さすが陽菜だ。心愛先生も良いですか?」
「ドキドキしますー。でも、楽しみなだけですから、大丈夫です。」
「この中は時間の流れが遅いみたいです。では、行きます。」
秀人は、ウインドウから陽菜と心愛をパーティに誘うと二人はそれを承認した。
扉を開けると鉱山の中だった。それも大きなバトルフィールド。
秀人達の目の前に緑色のスライムが、一匹、現れる。 ラノベやアニメを見ていた秀人と心愛には馴染みのあるモンスターだ。
「おー。これってスライムじゃないか。これぞ、まさにファンタジーだね。」
「うげっ。気持ち悪っ。」「小さくてかわいいですー。」 
「誰が倒しますか?」
「じゃあ。私にやらせてー。」
「それなら陽菜。よろしく。」 
陽菜は心の中に浮かんだスキル名を声に出した。
「【暗黒蹴り】」 
陽菜の脚が黒い炎のようなモノに包まれ、スライムに当たった。
その一瞬でスライムは木っ端微塵に弾け飛ぶ。残骸さえ何一つ残されていない。 三人のレベルがひとつだけ上昇した。
「何だよソレ。強烈すぎるだろ。」「へへへ。」 
楽しそうにする秀人と陽菜をよそに、真剣な表情で心愛だけが真剣に語り掛ける。
「すいません。今さっきまで、私はゲーム感覚で考えていました。……ですが、実際にモンスターを倒すと複雑な気持ちです。これは他者の命を奪う行為です。秀人君、陽菜さん。少しだけこれからモンスターを倒す理由についてよく考えてみませんか?」 
「心愛先生。分かりました。」 
秀人達が部屋に戻ると、心愛が話始める。 
「私達がレベルを上げないと世界が危機を乗り越えられない事はわかります。その為ならモンスターを討伐する事も仕方が無いと思うんです。」
「道はそれしかありませんよね。俺はもう何かの救いを待つだけではいたくない。」
「そうですね。それに人間は食べる為に他の動物を殺しています。でも私たちはそれをたいして意識しない。スーパーに並んでいるお肉を買ったり、食卓に並んだお肉などを無心で食べてると思います。でも、今回は自らが他の命を奪う事を直接やらなければなりません。」
「考えた事がありませんでした。」
「秀人くんや陽菜さんはまだ子供です。この行為に慣れないでいて欲しいんです。つまり、これから先何かあった時に、経験値が関係の無い所で、他の命を奪う行為はしないと約束して貰えませんか? 例えば、俺の仲間に手を出したら殺すとか、そうゆう判断を安易にしないで欲しいという事です。」 
秀人はまだゲームの中にいるような感じがして、心愛の言葉の真の意味を知らない。
これから自分達にどんな過酷な運命が待ち受けているのかも知らない。
ここは自分の甘さが原因で、簡単に愛する人が死んでしまうような異世界なのだ。
当然、そうなってしまった時に、自分の心がどんな変貌を遂げるかもまったく予想出来ていない。異世界に来た事で、その原因となった香織のピンチは救われた。いじめられっ子だった秀人は、女神に好きな人達となんとなく楽しいミッションを与えられたような感覚でいる。だが秀人の認識と実際のそれは大きく異なる。
その事をはじめに考えたのは、誰よりも大切な人を失うという意味を知る心愛だった。
心愛は心に正義を抱えている。
その正義が間違った方向に進んでしまったら、どんなに危険なのかという事も身に染みて分かっている。心愛の正義は常に悲しみと共にある。張り裂けそうな胸の痛みが、その言葉を紡いでいた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇   
※ここからは後書きです。興味の無い場合は読み飛ばして下さい。 
戦闘職 基本Eクラス
ディフェンダー 
盾士 騎士 斧士 
アタッカー
近接:剣士 双剣士 槍術士 短剣士 格闘家 
遠隔:弓術士 斥候 魔術士 魔法師 
サポーター 
支援: 回復術師 占師  
妨害: 呪術師
万能: テイマー
陽菜と心愛はそれぞれの天性が、戦闘系の高ランクにある。 
陽菜はEランク近接アタッカー全てと現在のジョブ『暗黒格闘家』のスキルを全てマスターしている。
心愛はEランク魔法職全てとジョブ『爆炎の大賢者』の魔法やスキルを全てマスターしている。
秀人は陽菜と心愛の想定以上にはしゃぐ姿に笑いが絶えなかった。本当に久しぶりに心の底から笑っていた。特に心愛が異世界のけもみみに興奮し、体を摺り寄せてサインを求めている所が秀人のツボだった。
秀人は事前に2人の鑑定をしたが、陽菜は元々空手が強いだけに、『暗黒格闘家』というジョブを持ち、心愛は頭が良いのが幸いしたのか『爆炎の大賢者』というジョブだった。
陽菜は街で気に入った籠手を、心愛はファンタジーらしい魔法用の杖を購入する。
「やっぱり私は異世界に来ても格闘技よね。」
「魔法使いなんて、とってもワクワクです。」
それに引き換え、秀人が戦闘職で解放されているのは基本のクラス16種のみ。クラスはジョブの下位に位置するもの。ジョブがより専門的な職業特性であるのに対し、クラスは武器特性をスキルとして覚える。神殿で転職さえすれば誰でもチェンジ出来る職業なのだ。しかしMPが0である秀人にとって、魔法職などはありえない。それを加味すると戦闘職は更に限定され9つのクラスだけになる。秀人はそこで最も身近に感じていた剣を選んだ。
「良いな。魔法が使えるってずるいです。俺って生産職特化みたいだから、足を引っ張ったらごめんなさい。」
 
陽菜と心愛の究極鑑定の結果を説明し、3人で自分達が今後出来そうな事を考える。
そして、一旦 現実世界に帰り、陽菜は1体、秀人と心愛は3体の分身を作り出した。
これから異世界で行動しても、自分達の代理が現実世界で生活をする為だ。特に秀人と心愛の分身は自分達が住む新しい住居を探し、これから始める会社作りの準備を進める事になった。
――翌日 
朝に合流して食堂で朝ごはんを済ませてから、3人で大部屋に入り、秀人は女神から貰った携帯ダンジョンを取り出した。
「やっぱり、やる事と言ったらこれしかないですよね?」
「なんなの?」「なんでしょう?」
「このアイテムの名前。実は携帯ダンジョンなんです。」
心愛が唾を呑み込む。
「は? 何なのよ。」 「ダンジョンって事はつまりアレですよね?」
「そうきっとアレです。」「やはりアレですか。」
「二人して、アレって何なのよ!」
「陽菜は知らないか。異世界と言ったら、最初はレベル上げなんだよ。つまり、この扉の向こうには、見た事もないような化け物がいると思う。」
「よし。行くわよ。」
「呑み込み早っ。さすが陽菜だ。心愛先生も良いですか?」
「ドキドキしますー。でも、楽しみなだけですから、大丈夫です。」
「この中は時間の流れが遅いみたいです。では、行きます。」
秀人は、ウインドウから陽菜と心愛をパーティに誘うと二人はそれを承認した。
扉を開けると鉱山の中だった。それも大きなバトルフィールド。
秀人達の目の前に緑色のスライムが、一匹、現れる。 ラノベやアニメを見ていた秀人と心愛には馴染みのあるモンスターだ。
「おー。これってスライムじゃないか。これぞ、まさにファンタジーだね。」
「うげっ。気持ち悪っ。」「小さくてかわいいですー。」 
「誰が倒しますか?」
「じゃあ。私にやらせてー。」
「それなら陽菜。よろしく。」 
陽菜は心の中に浮かんだスキル名を声に出した。
「【暗黒蹴り】」 
陽菜の脚が黒い炎のようなモノに包まれ、スライムに当たった。
その一瞬でスライムは木っ端微塵に弾け飛ぶ。残骸さえ何一つ残されていない。 三人のレベルがひとつだけ上昇した。
「何だよソレ。強烈すぎるだろ。」「へへへ。」 
楽しそうにする秀人と陽菜をよそに、真剣な表情で心愛だけが真剣に語り掛ける。
「すいません。今さっきまで、私はゲーム感覚で考えていました。……ですが、実際にモンスターを倒すと複雑な気持ちです。これは他者の命を奪う行為です。秀人君、陽菜さん。少しだけこれからモンスターを倒す理由についてよく考えてみませんか?」 
「心愛先生。分かりました。」 
秀人達が部屋に戻ると、心愛が話始める。 
「私達がレベルを上げないと世界が危機を乗り越えられない事はわかります。その為ならモンスターを討伐する事も仕方が無いと思うんです。」
「道はそれしかありませんよね。俺はもう何かの救いを待つだけではいたくない。」
「そうですね。それに人間は食べる為に他の動物を殺しています。でも私たちはそれをたいして意識しない。スーパーに並んでいるお肉を買ったり、食卓に並んだお肉などを無心で食べてると思います。でも、今回は自らが他の命を奪う事を直接やらなければなりません。」
「考えた事がありませんでした。」
「秀人くんや陽菜さんはまだ子供です。この行為に慣れないでいて欲しいんです。つまり、これから先何かあった時に、経験値が関係の無い所で、他の命を奪う行為はしないと約束して貰えませんか? 例えば、俺の仲間に手を出したら殺すとか、そうゆう判断を安易にしないで欲しいという事です。」 
秀人はまだゲームの中にいるような感じがして、心愛の言葉の真の意味を知らない。
これから自分達にどんな過酷な運命が待ち受けているのかも知らない。
ここは自分の甘さが原因で、簡単に愛する人が死んでしまうような異世界なのだ。
当然、そうなってしまった時に、自分の心がどんな変貌を遂げるかもまったく予想出来ていない。異世界に来た事で、その原因となった香織のピンチは救われた。いじめられっ子だった秀人は、女神に好きな人達となんとなく楽しいミッションを与えられたような感覚でいる。だが秀人の認識と実際のそれは大きく異なる。
その事をはじめに考えたのは、誰よりも大切な人を失うという意味を知る心愛だった。
心愛は心に正義を抱えている。
その正義が間違った方向に進んでしまったら、どんなに危険なのかという事も身に染みて分かっている。心愛の正義は常に悲しみと共にある。張り裂けそうな胸の痛みが、その言葉を紡いでいた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇   
※ここからは後書きです。興味の無い場合は読み飛ばして下さい。 
戦闘職 基本Eクラス
ディフェンダー 
盾士 騎士 斧士 
アタッカー
近接:剣士 双剣士 槍術士 短剣士 格闘家 
遠隔:弓術士 斥候 魔術士 魔法師 
サポーター 
支援: 回復術師 占師  
妨害: 呪術師
万能: テイマー
陽菜と心愛はそれぞれの天性が、戦闘系の高ランクにある。 
陽菜はEランク近接アタッカー全てと現在のジョブ『暗黒格闘家』のスキルを全てマスターしている。
心愛はEランク魔法職全てとジョブ『爆炎の大賢者』の魔法やスキルを全てマスターしている。
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