現実世界で虐められ続けた最弱の俺は、剣と魔法のファンタジー世界でMP0の生産チートで無双する。落ちこぼれ王女と親に生き方を決められた公爵令嬢との人生逆転物語。
独活の大木②
「――いらっしゃい。アーニャその子かな?」
「はい。」
金髪の中年男性が2階から降りて来た。見た目のインパクトはとにかく巨大。背には使い古したであろうボロボロの大剣をぶら下げている。
ギルドマスターは、先程の鑑定結果をすでに確認している。新たな鑑定結果を見ながら眉間にしわを寄せていた。
「秀人君。君の鑑定結果は異常だ。天性の数、装備、効力結晶ステータス、ジョブ、スキル。どれをとっても常軌を逸している。」
受付嬢アーニャの対応で秀人はもうお腹がいっぱいだった。秀人は香織をピンチから救わねばならず急いでいる。少しだけ棘のある口調になる。
「異常だから何です。冒険者として登録出来ないという事ですか?」
ギルドマスターはその言葉に笑っていた。その笑顔はどこか不気味にも感じられる。
「俺の判断はアーニャとは違う。鑑定結果を全て受け入れよう。勇者は遅咲きだから、神託が無いと自分だけで成長する事が難しいんだ。神託を受けた者は世界から支援される必要がある。」
「意味が分かりません。」
ギルドマスターが深刻な表情に変わり話を続ける。
「秀人。率直に言う。お前は女神の神託を受けているのではないか? もしそうなら、国やギルド、そして世界中に伝えなければならない。お前の持つ究極鑑定とやらで自分を鑑定するとどうなるんだ? まさかとは思うがスキル効果が分かったりしないだろうな?」
究極鑑定はステータスだけじゃなく、スキルの細かい効果まで丸わかりだ。それに神託どころか女神様に実際に会っている。だが、自分の情報を伝えて良いのかまだ判断出来ない。組織力のありそうなギルドなどはもっての外だ。
「神託なんてものは知りません。鑑定結果もこの書類と一緒です。私は生産職です。戦闘職が多い冒険者の方には理解出来ない事が多いんでしょう。」
「良いか。普通基礎値はオール1だ。そして、レベルの上昇によって基礎値分が加算される。お前の基礎値でレベルの上昇と共にそれが加算されたら大変な事になるぞ。」
「……。」
「ふはは。怯えるな。お前がどうしても隠したいって事なら見逃してやる。書類の偽装工作は許されていないが、ギルドマスターの権限でこいつを金庫に保管したままにする事は出来る。その替わり毎朝俺の所に顔を出せ。俺が面倒を見てやる。どうだ?」
先程からギルドマスターが嬉しそうなのには理由があった。ギルドマスターはこのユートピア王国の中で現状一番の強者である。そして、極度の戦闘狂だった。秀人を最強に育て自らが戦ってみたい。だが、秀人はその強者の横暴に今までとはまったく違う対応になる。
「毎朝挨拶に来させる。おじさんはどれだけ寂しがり屋なんですか。あ。寂しいと死んじゃうという、うさぎさんとかですか?」
「違うっ。お前が強くなる為に俺が特別に導いてやるって事だ。俺はユートピア国内では一番強いと言われている特別な存在なんだぞ。光栄に思……。」
「ぷっ。めっちゃ上から来るじゃん。寂しがりの次は……ぷっ自画自賛。ここまで露骨に自分を褒める人は初めてみたよ。」
秀人は相手によって態度を変える。相手が丁寧なら自分も丁寧な態度を取る。ただ、今回のように脅されたり高圧的な態度をしてきた場合は、絶対にそれには従わない。それを見てギルドマスターが臨戦態勢を取った。
「三つ目の選択肢を選ぶという事だな。どうやらここで死にたいようだな。」
緊迫した状況を見かねたユノが二人の間に立ち言葉で遮る。
「――すいません。ギルドマスターさん。今回冒険者ギルドに登録に来たのは、王立第一魔法学園に入学する為に身分証を作る工程なんです。そこの鑑定結果、余っているなら学園に提出させて貰っても良いですか?」
「糞っ。じじいの案件か。だったら情報は支部の金庫に保管だ。学園にはこちらを提出してくれ。秀人に関して俺は撤退する。だが、秀人がレベル上げたら個人的に遊んでやってもいいぞ。」
ギルドマスターは学園長よりも僅かに強い。だが学園長が苦手だった。それはまだ強くなる前に徹底的に負け尽くしたというトラウマ。秀人はまだ会った事の無い学園長に感謝していた。学園長の話が出なければギルドマスターの個人的なおもちゃにされる所だったのだ。
「これが冒険者証ですか。うさぎちゃん。受付さん今日は本当にありがとうございました。」
「アーニャです。」
そして、その日はカードタイプの冒険者証を発行して貰い、秀人の鑑定結果の書類をユノが受け取る。学園でも面談時に鑑定書類を作るが、話が早くなるという事でユノはそれを受け取っていた。
「あのガキ。やっぱり殺しとくか?」
「マスター、それはおやめください。冒険者としても学園の関係者としても、何も悪い事をしていない人にギルマスが手を出して良いわけがないです。それでなくとも本国から警告されているんですよ。」
「いや。あいつ。めっちゃ挑発してるよね。」
「ギルマスなんですから、心を広く持って下さい。」
秀人達は殺気を放つギルドマスターを置いて冒険者ギルドを後にする。そのままユノを自分の宿まで案内し、宿の場所を確認したユノは何度も手を振りながら街の北にある王宮の方角に帰って行った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇  ◇ ◇  
※ここからは後書きです。興味の無い場合は読み飛ばして下さい。
半月
クラスLv25 ジョブLv50
クラスレベルとジョブレベルの中で、半分のレベルに達したものは装備武器を変えるだけでいつでも転職が出来る。(農民を除く)他にもいくつかの特典がある。
満月
クラスLv50 ジョブLv100
クラスレベルとジョブレベルの中で、最終レベルに達したものは、いつでも専用魔法やアクティブスキルが使える。(パッシブスキルは覚えた段階でどのジョブにも適用される。)
スキル:クラスやジョブにより覚える技。
魔法:クラスやジョブによって覚える魔法。
コモンスキル・コモン魔法:習得難易度が高いが、指導や学習で習得出来るクラスやジョブに依存しないスキルや魔法。どのクラスやどのジョブでも使用できるので汎用性が高い。
自己開発スキル、自己開発魔法:個人で製作した分類されないものは、威力が低い傾向がある。その中で威力の高いものはガイアの法則に準ずるものと認定されコモンと判断される。
「はい。」
金髪の中年男性が2階から降りて来た。見た目のインパクトはとにかく巨大。背には使い古したであろうボロボロの大剣をぶら下げている。
ギルドマスターは、先程の鑑定結果をすでに確認している。新たな鑑定結果を見ながら眉間にしわを寄せていた。
「秀人君。君の鑑定結果は異常だ。天性の数、装備、効力結晶ステータス、ジョブ、スキル。どれをとっても常軌を逸している。」
受付嬢アーニャの対応で秀人はもうお腹がいっぱいだった。秀人は香織をピンチから救わねばならず急いでいる。少しだけ棘のある口調になる。
「異常だから何です。冒険者として登録出来ないという事ですか?」
ギルドマスターはその言葉に笑っていた。その笑顔はどこか不気味にも感じられる。
「俺の判断はアーニャとは違う。鑑定結果を全て受け入れよう。勇者は遅咲きだから、神託が無いと自分だけで成長する事が難しいんだ。神託を受けた者は世界から支援される必要がある。」
「意味が分かりません。」
ギルドマスターが深刻な表情に変わり話を続ける。
「秀人。率直に言う。お前は女神の神託を受けているのではないか? もしそうなら、国やギルド、そして世界中に伝えなければならない。お前の持つ究極鑑定とやらで自分を鑑定するとどうなるんだ? まさかとは思うがスキル効果が分かったりしないだろうな?」
究極鑑定はステータスだけじゃなく、スキルの細かい効果まで丸わかりだ。それに神託どころか女神様に実際に会っている。だが、自分の情報を伝えて良いのかまだ判断出来ない。組織力のありそうなギルドなどはもっての外だ。
「神託なんてものは知りません。鑑定結果もこの書類と一緒です。私は生産職です。戦闘職が多い冒険者の方には理解出来ない事が多いんでしょう。」
「良いか。普通基礎値はオール1だ。そして、レベルの上昇によって基礎値分が加算される。お前の基礎値でレベルの上昇と共にそれが加算されたら大変な事になるぞ。」
「……。」
「ふはは。怯えるな。お前がどうしても隠したいって事なら見逃してやる。書類の偽装工作は許されていないが、ギルドマスターの権限でこいつを金庫に保管したままにする事は出来る。その替わり毎朝俺の所に顔を出せ。俺が面倒を見てやる。どうだ?」
先程からギルドマスターが嬉しそうなのには理由があった。ギルドマスターはこのユートピア王国の中で現状一番の強者である。そして、極度の戦闘狂だった。秀人を最強に育て自らが戦ってみたい。だが、秀人はその強者の横暴に今までとはまったく違う対応になる。
「毎朝挨拶に来させる。おじさんはどれだけ寂しがり屋なんですか。あ。寂しいと死んじゃうという、うさぎさんとかですか?」
「違うっ。お前が強くなる為に俺が特別に導いてやるって事だ。俺はユートピア国内では一番強いと言われている特別な存在なんだぞ。光栄に思……。」
「ぷっ。めっちゃ上から来るじゃん。寂しがりの次は……ぷっ自画自賛。ここまで露骨に自分を褒める人は初めてみたよ。」
秀人は相手によって態度を変える。相手が丁寧なら自分も丁寧な態度を取る。ただ、今回のように脅されたり高圧的な態度をしてきた場合は、絶対にそれには従わない。それを見てギルドマスターが臨戦態勢を取った。
「三つ目の選択肢を選ぶという事だな。どうやらここで死にたいようだな。」
緊迫した状況を見かねたユノが二人の間に立ち言葉で遮る。
「――すいません。ギルドマスターさん。今回冒険者ギルドに登録に来たのは、王立第一魔法学園に入学する為に身分証を作る工程なんです。そこの鑑定結果、余っているなら学園に提出させて貰っても良いですか?」
「糞っ。じじいの案件か。だったら情報は支部の金庫に保管だ。学園にはこちらを提出してくれ。秀人に関して俺は撤退する。だが、秀人がレベル上げたら個人的に遊んでやってもいいぞ。」
ギルドマスターは学園長よりも僅かに強い。だが学園長が苦手だった。それはまだ強くなる前に徹底的に負け尽くしたというトラウマ。秀人はまだ会った事の無い学園長に感謝していた。学園長の話が出なければギルドマスターの個人的なおもちゃにされる所だったのだ。
「これが冒険者証ですか。うさぎちゃん。受付さん今日は本当にありがとうございました。」
「アーニャです。」
そして、その日はカードタイプの冒険者証を発行して貰い、秀人の鑑定結果の書類をユノが受け取る。学園でも面談時に鑑定書類を作るが、話が早くなるという事でユノはそれを受け取っていた。
「あのガキ。やっぱり殺しとくか?」
「マスター、それはおやめください。冒険者としても学園の関係者としても、何も悪い事をしていない人にギルマスが手を出して良いわけがないです。それでなくとも本国から警告されているんですよ。」
「いや。あいつ。めっちゃ挑発してるよね。」
「ギルマスなんですから、心を広く持って下さい。」
秀人達は殺気を放つギルドマスターを置いて冒険者ギルドを後にする。そのままユノを自分の宿まで案内し、宿の場所を確認したユノは何度も手を振りながら街の北にある王宮の方角に帰って行った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇  ◇ ◇  
※ここからは後書きです。興味の無い場合は読み飛ばして下さい。
半月
クラスLv25 ジョブLv50
クラスレベルとジョブレベルの中で、半分のレベルに達したものは装備武器を変えるだけでいつでも転職が出来る。(農民を除く)他にもいくつかの特典がある。
満月
クラスLv50 ジョブLv100
クラスレベルとジョブレベルの中で、最終レベルに達したものは、いつでも専用魔法やアクティブスキルが使える。(パッシブスキルは覚えた段階でどのジョブにも適用される。)
スキル:クラスやジョブにより覚える技。
魔法:クラスやジョブによって覚える魔法。
コモンスキル・コモン魔法:習得難易度が高いが、指導や学習で習得出来るクラスやジョブに依存しないスキルや魔法。どのクラスやどのジョブでも使用できるので汎用性が高い。
自己開発スキル、自己開発魔法:個人で製作した分類されないものは、威力が低い傾向がある。その中で威力の高いものはガイアの法則に準ずるものと認定されコモンと判断される。
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