現実世界で虐められ続けた最弱の俺は、剣と魔法のファンタジー世界でMP0の生産チートで無双する。落ちこぼれ王女と親に生き方を決められた公爵令嬢との人生逆転物語。
世界から消えた日
ガイアの南東にある島国で、新たな国王が誕生した。前国王の圧政に苦しめられて来た国民は、新しい王の誕生を祝福していた。 
「我々は亜人を友とし、奴隷も受け入れる。戦争などは絶対にしない。この最果てと呼ばれる地より、世界の皆に平和を訴え続けよう。」 
「「ルイ陛下万歳! 新国王陛下万歳!」」  
「あなた。国民達から凄い人気ですね。お義父上が亡くなった事は残念ですが、長年苦しめられて来た国民にとっては吉報でした。」 
「何を言うか。これは私にとっても、とてもめでたい事だ。妾の子供として生まれ、教育すらまともに受けて来れず、長年蔑まれて来たんだ。貴族では無く、平民の信望を集めた新しい王。だからこそ、身分制度を廃止し奴隷すらも解放する。これは国民に向けた、ただのパフォーマンスだよ。この世界は身分が全て。庶子の王など世界歴史上、数える程しか存在しない。だが、こうする事で俺自身がその系譜に囚われなくて済むんだ。」 
ヴァロンティンヌは愛するルイ陛下の言葉に感動していた。ヴァロンティンヌは周囲の反対を押し切り、冷遇されていた王子と結婚した。それも、自分だけは、次代の王がルイだと確信していたからだった。 
「野心と頭のキレが最高ですわね。それでこそ、私が愛したお方。」 
「わははは。綿密な計画で、父上が死んだと同時に兄を人知れず葬った。本当は冷酷無比な王なのだが、こいつらを見ろよ。俺を善き王の誕生だとすっかり騙されているぞ。本当に滑稽な話だ。」 
「新たな法律、新たな価値観を作り新たな弱者から搾取致しましょう。」 
「そうだな。でも、その前に絶対にやっておかなければならない事が一つあるんだ。ふははは。」 
「何ですか? とても楽しみです。」 
 
ヴァロンティンヌは、ドキドキしながら、王のサプライズを聞く事となる。 
 
「国民のみんな。余の話を聞いてくれ。余の正室、ヴァロンティンヌはクローデル辺境伯の一人娘。クローデル辺境伯が罪もない国民にいったい何をしたか忘れたか? 思い出せ。領民に重い税を課しその大部分を横領した事を。立場の弱い領主から金を巻き上げ、結果的にたくさんの領地の国民を苦しめてきた。国民や奴隷を迫害し、意に沿わない国民を惨殺した。それに余は既存の身分制度を廃止するつもりだ。この女は間違いなく王妃に相応しくない。そこで国民に問う。こいつと、その父親をどう裁く。宰相、クローデル辺境伯を連れてこい。」 
「……父上!」
王の言葉に民衆が奮い立つ。圧政を行っていた前王も憎いが、その下で権力を振りかざしていた貴族も憎い。特にクローデル辺境伯の悪名は、国民に知れ渡っていた。だが、悪行で儲けていた金の半分以上が、新たな王に渡っていた事は国民は知らない。新たな王に邪魔な存在を誰が排除したのかも知らないのだ。王の狙いは、その黒い繋がりを消す為にあった。その上で、これからは、自分を押し上げてくれた平民達だけに、重要なポストを与えるつもりだった。 
 
「悪い奴はこの国から、いなくなれ。」「殺せー。」「殺してしまえー。」「新たな王は悪を許すな。」 
「そうか。では、決まったな。余はとても悲しい。だが、余が本当に大切なのはここにいる国民全員と新たな王妃クロエだ。この罪人達を処刑せよ。」 
ヴァロンティンヌの瞳から大粒の滴が溢れていた。それは自分が尽くしてきた最愛の夫からの最悪な裏切りだった。そして、ただ美しいだけの平民出身の少女。自分から王の愛を奪った、とても目障りなクロエが王妃になると王は宣言したのだ。 
「何で、妾に過ぎないその女が王妃で正室の私が罪人なのよ。許さない。ふざけるなー。」 
クロエが怯えながら、王にすり寄っていった。ヴァロンティンヌが嫌いだったのはクロエのこういう所だ。可憐なふりをして、王に甘える。ところが、王がいない時だけは妙に張り合ってくる。自分は王を影で支える為に努力をして来て、王を支える為なら実家の権力を使い汚れ仕事もたくさんこなして来た。その自分に対して、愛されているだけのこの女が、どうしても許せなかった。そして、今までルイを支えて来た、ヴァロンティンヌの父親が目の前で処刑された。それでヴァロンティンヌの怒りは頂点に達した。甘やかされて育った父親との楽しかった思い出が走馬灯のように脳裏を駆け巡る。ヴァロンティンヌのわがままを全て許して来た結果、自分が見誤ったせいで父親も殺されたのだ。
「絶対に呪ってやる。ルイもクロエも、こんな王国、滅びれば良いのよ。」 
突如、そこに舞い降りた巨大な人間。精密に言うと純粋な人間ではないのだが、彼は全身黒ずくめに黒い羽が生えた一見すると悪魔にも見える暗殺者。だが、その言葉を聞きヴァロンティンヌにはそれが救世主に見えた。 
「同感だ。無知とは恐ろしいものだな。誰に喧嘩を売っているかも、全くわかっていないんだろう。」 
 
「あなたは? いえ、もう誰でも良い。……助けて下さい。」 
 
「フッ。では、お前が語り部となれ。【一兆倍爆発】」 
ズバァーーーーーーーン
 
周辺国にまで届く轟音と共に、王国中が爆炎に包まれた。国中の人や建物どころか、その大地までもが消し飛んでいた。 
 
この日、一つの島国が地図から跡形もなく消えていた。出来立てで黒く濁った一面の海。その空には暗殺者と暗殺者に抱えられた少女がいる。亡国で、ただ一人その語り部として選ばれたのは、王妃になるはずだった少女、ヴァロンティンヌだった。 
「命を助けて頂き、本当にありがとうございます。お名前を教えて下さい。私はあなた様に、何を返せば良いのでしょうか?」 
「名前は無い。だが 龙隐士とでも言っておこう。お前は世界の理に逆らった国がどうなるのか。今起きた事、それを世界に広めれば良いだけだ。」
「かしこまりました。我が主。我が神。名前無き尊きお方。私は、あなた様の畏怖を世界中に語り伝えます。」 
「我々は亜人を友とし、奴隷も受け入れる。戦争などは絶対にしない。この最果てと呼ばれる地より、世界の皆に平和を訴え続けよう。」 
「「ルイ陛下万歳! 新国王陛下万歳!」」  
「あなた。国民達から凄い人気ですね。お義父上が亡くなった事は残念ですが、長年苦しめられて来た国民にとっては吉報でした。」 
「何を言うか。これは私にとっても、とてもめでたい事だ。妾の子供として生まれ、教育すらまともに受けて来れず、長年蔑まれて来たんだ。貴族では無く、平民の信望を集めた新しい王。だからこそ、身分制度を廃止し奴隷すらも解放する。これは国民に向けた、ただのパフォーマンスだよ。この世界は身分が全て。庶子の王など世界歴史上、数える程しか存在しない。だが、こうする事で俺自身がその系譜に囚われなくて済むんだ。」 
ヴァロンティンヌは愛するルイ陛下の言葉に感動していた。ヴァロンティンヌは周囲の反対を押し切り、冷遇されていた王子と結婚した。それも、自分だけは、次代の王がルイだと確信していたからだった。 
「野心と頭のキレが最高ですわね。それでこそ、私が愛したお方。」 
「わははは。綿密な計画で、父上が死んだと同時に兄を人知れず葬った。本当は冷酷無比な王なのだが、こいつらを見ろよ。俺を善き王の誕生だとすっかり騙されているぞ。本当に滑稽な話だ。」 
「新たな法律、新たな価値観を作り新たな弱者から搾取致しましょう。」 
「そうだな。でも、その前に絶対にやっておかなければならない事が一つあるんだ。ふははは。」 
「何ですか? とても楽しみです。」 
 
ヴァロンティンヌは、ドキドキしながら、王のサプライズを聞く事となる。 
 
「国民のみんな。余の話を聞いてくれ。余の正室、ヴァロンティンヌはクローデル辺境伯の一人娘。クローデル辺境伯が罪もない国民にいったい何をしたか忘れたか? 思い出せ。領民に重い税を課しその大部分を横領した事を。立場の弱い領主から金を巻き上げ、結果的にたくさんの領地の国民を苦しめてきた。国民や奴隷を迫害し、意に沿わない国民を惨殺した。それに余は既存の身分制度を廃止するつもりだ。この女は間違いなく王妃に相応しくない。そこで国民に問う。こいつと、その父親をどう裁く。宰相、クローデル辺境伯を連れてこい。」 
「……父上!」
王の言葉に民衆が奮い立つ。圧政を行っていた前王も憎いが、その下で権力を振りかざしていた貴族も憎い。特にクローデル辺境伯の悪名は、国民に知れ渡っていた。だが、悪行で儲けていた金の半分以上が、新たな王に渡っていた事は国民は知らない。新たな王に邪魔な存在を誰が排除したのかも知らないのだ。王の狙いは、その黒い繋がりを消す為にあった。その上で、これからは、自分を押し上げてくれた平民達だけに、重要なポストを与えるつもりだった。 
 
「悪い奴はこの国から、いなくなれ。」「殺せー。」「殺してしまえー。」「新たな王は悪を許すな。」 
「そうか。では、決まったな。余はとても悲しい。だが、余が本当に大切なのはここにいる国民全員と新たな王妃クロエだ。この罪人達を処刑せよ。」 
ヴァロンティンヌの瞳から大粒の滴が溢れていた。それは自分が尽くしてきた最愛の夫からの最悪な裏切りだった。そして、ただ美しいだけの平民出身の少女。自分から王の愛を奪った、とても目障りなクロエが王妃になると王は宣言したのだ。 
「何で、妾に過ぎないその女が王妃で正室の私が罪人なのよ。許さない。ふざけるなー。」 
クロエが怯えながら、王にすり寄っていった。ヴァロンティンヌが嫌いだったのはクロエのこういう所だ。可憐なふりをして、王に甘える。ところが、王がいない時だけは妙に張り合ってくる。自分は王を影で支える為に努力をして来て、王を支える為なら実家の権力を使い汚れ仕事もたくさんこなして来た。その自分に対して、愛されているだけのこの女が、どうしても許せなかった。そして、今までルイを支えて来た、ヴァロンティンヌの父親が目の前で処刑された。それでヴァロンティンヌの怒りは頂点に達した。甘やかされて育った父親との楽しかった思い出が走馬灯のように脳裏を駆け巡る。ヴァロンティンヌのわがままを全て許して来た結果、自分が見誤ったせいで父親も殺されたのだ。
「絶対に呪ってやる。ルイもクロエも、こんな王国、滅びれば良いのよ。」 
突如、そこに舞い降りた巨大な人間。精密に言うと純粋な人間ではないのだが、彼は全身黒ずくめに黒い羽が生えた一見すると悪魔にも見える暗殺者。だが、その言葉を聞きヴァロンティンヌにはそれが救世主に見えた。 
「同感だ。無知とは恐ろしいものだな。誰に喧嘩を売っているかも、全くわかっていないんだろう。」 
 
「あなたは? いえ、もう誰でも良い。……助けて下さい。」 
 
「フッ。では、お前が語り部となれ。【一兆倍爆発】」 
ズバァーーーーーーーン
 
周辺国にまで届く轟音と共に、王国中が爆炎に包まれた。国中の人や建物どころか、その大地までもが消し飛んでいた。 
 
この日、一つの島国が地図から跡形もなく消えていた。出来立てで黒く濁った一面の海。その空には暗殺者と暗殺者に抱えられた少女がいる。亡国で、ただ一人その語り部として選ばれたのは、王妃になるはずだった少女、ヴァロンティンヌだった。 
「命を助けて頂き、本当にありがとうございます。お名前を教えて下さい。私はあなた様に、何を返せば良いのでしょうか?」 
「名前は無い。だが 龙隐士とでも言っておこう。お前は世界の理に逆らった国がどうなるのか。今起きた事、それを世界に広めれば良いだけだ。」
「かしこまりました。我が主。我が神。名前無き尊きお方。私は、あなた様の畏怖を世界中に語り伝えます。」 
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