愛を探して

文戸玲

禁断の恋

 通学路で美和は偶然数学の担任である加藤先生に出会った。
彼女は、先生に心を惹かれていた。
加藤先生は、黒いスーツに身を包み、淡い色のネクタイをしていた。
彼の髪は整えられており、彼女は先生がとてもスマートで魅力的だと感じた。
加藤先生は、勉強に厳しくもありながら、誰にでも優しく接する人柄が魅力的だった。

ある日の授業中、美和は携帯をいじっているところを先生に叱られてしまった。
彼女は謝罪したが、その瞬間、先生の厳しい声に心を揺さぶられた。それまで彼女は、先生に好意を抱いていたことに気づかなかった。授業が終わり、彼女は先生の後をつけて、彼が教員室に入るのを見た。彼女はその場で、先生に言いたいことがあった。しかし、彼女は勇気がなく、先生の後を追うこともできなかった。

しばらくして、美和は教室で先生と話す機会を得た。話題は学校生活についてで、先生は学校行事に参加するように勧めた。美和は嬉しく思ったが、先生と一緒にいる時間がどれだけ貴重であるかということにも気づいた。彼女は、先生に対する恋愛感情を自覚し始めた。その日以来、美和は先生の話題を友達に持ちかけ、彼女たちは驚いていた。

しかし、友達たちからは「先生と恋愛なんてできない。それに、先生はあなたとは違う人生を歩んでいるんだよ。」と反対され、美和は自分の気持ちに苦しんだ。彼女は、先生に告白することを躊躇していた。

ある日、放課後、美和は教室で一人、机に突っ伏していた。そこに、加藤先生が入ってきた。先生は彼女の様子がおかしいのを見て、心配して話しかけた。美和は思わず泣き出してしまった。先生は彼女を抱きしめ、彼女は胸の中で葛藤を繰り返した。本当の気持ちを告げるか、それとも隠し続けるか。先生は女の不安な気持ちを察し、優しく言葉をかけた。

「何かあったのかい?俺に話してくれていいんだぞ」

女は先生に対して素直になることができず、口ごもっていた。

「ううん、大丈夫です。ただ、何か重くて...」

先生は女の悩みが何かわかっていたように、女の手を取り、彼女を見つめた。

「君が言いたいことは分かるよ。でも、何か悩みがあるのなら、相談してくれ」

先生の言葉に安堵した女は、そのまま先生の腕の中で泣き崩れた。先生は彼女を抱きしめ、何も言わずにその場にい続けた。

やがて女は泣き止み、先生と目を合わせた。

「加藤先生、実は私、あなたのことが好きなんです」

女は自分の気持ちを打ち明けた。先生は驚いた表情を浮かべたが、女の真摯な気持ちを理解した。

「君の気持ち、ちゃんと理解してるよ。でも、君はまだ若いし、学生である以上、私との関係はありえないんだ」

先生は女を優しく抱きしめ、彼女の背中をなでた。

「でも、君は今後もきっと素晴らしい人生を歩むだろう。私はいつでも君の味方だよ」

女は先生の言葉に感激し、泣きながら彼女の気持ちを受け止めてくれた先生に感謝した。彼女は自分の気持ちを素直に表現することができたことで、気持ちがスッキリした。

数日後、学校の掲示板に「加藤先生に恋心を抱く生徒へ」というタイトルの投稿があった。そこには、加藤先生への想いを告白した生徒の心境が綴られていた。

その投稿は、多くの生徒たちの共感を得た。それから、美和は加藤先生に対する恋心を忘れることはできなかったが、彼女はその思いを胸に、新たな人生の一歩を踏み出した。

コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品