出張!異世界研究所!〜異世界犯罪解決します〜
最期 2
作戦開始は3日後。
それまでに親に無事である事を知らせるために顔を見せに故郷へと帰ってきた。
そして、両親はデイビッド達の反乱軍の保護を受け、この内乱を無事に過ごしてもらうつもりだ。
今はデイビッドと二人だけで故郷であるジントー村に訪れている。
「へぇ、ここがあんたの故郷か。」
「ああ。良いところだろ。」
こっちに加担すると決めてから心が曇ったままだ。
正直に言うと全く楽しくない。
シャル達と活動を共にしていた時はとても楽しかった記憶がある。
「ここがあんたの家か?」
「ん?あぁ。」
考え事をしながら歩いていたらいつの間にか到着していた。
この家を見るのも久々だな。
クレアさんと別れた時以来か。
思えば、自分はあの時生まれ変わったような気がする。
クレアさんがいなければ自分はここにずっと居ただろう。
……もしかしたら自分はあのままここにいたほうが良かったのでは無いだろうか。
ずっとここにいればこんな気持ちにはならなかっただろう。
デイビッドがノックをする。
まぁ、そのまま入っても良かったのだがちょっとしたサプライズだ。
「はーい。……どちら様?」
「あぁ、俺じゃなくて。」
デイビッドが避ける。
そして、母と目が合う。
「……ロイ?ロイなの……?」
「え?あ、うん。ただいま。」
すると、いきなり母に抱きつかれた。
「良かった!生きてたのね!」
どうやら泣いているようだ。
少し予想外の反応だが、自分が死んだと思い込んでいたいたような反応だ。
一体誰が母に伝えたのだろうか。
「か、母さん。落ち着いて。取り敢えず話を聞かせてくれ。」
「あ、そうよね。ごめんなさい。実はね……。」
すると、母の後ろに人がいることに気が付いた。
「……ロイ?」
「シャル!?」
そう、家の中にいたのはシャルだったのだ。
あれから無事だったのか心配していたので無事が確認出来たのは嬉しいが、何故こんな所に……。
いや、今はそんな事よりデイビッドだ。
彼女が元々自分の仲間だという事は知っている筈だ。
ならば、無傷で見逃す筈はない。
振り向き、デイビッドの方を見る。
すると、懐から拳銃を取り出し、シャルの方へ向けていた。
「っ!シャル!」
母をどかし、射線に割って入る。
「……え?」
そして、銃声が鳴り響いた。
目の前のシャルに弾は当たっていないようだ。
怪我をしていない。
しかし、その代わりに右肩に強い衝撃と共に激痛が走る。
「ぐっ!」
「ちっ!邪魔しやがって!」
デイビッドが小さくつぶやく。
自分に聞こえないように言ったつもりだろうが聞こえている。
つまりこいつに取っては自分はそこまで重要な人物ではないということか。
なら、味方している必要も無いだろう。
「早く中に入れ!」
母を家の中に押し込み、扉を閉める。
「おい。これはどういうことだ?」
「どういう事も何も、君のかつての仲間であるシャルはもう敵だ。消しても構わんだろ?」
もう既にこいつらに協力する気は失せた。
なら、今の自分の立場を利用しよう。
「……そうだな。悪かった。つい……な。」
「……まぁ、仕方が無いだろ。肩、大丈夫か?」
デイビッドは近付き、肩の様子を見てくる。
「弾が抜けてないな……。」
「止血だけしてくれれば良いさ。あと、銃をくれないか。」
すると、デイビッドは手を止め、こちらを疑いの目で見てくる。
「……何故?」
「……ケジメをつけたい。シャルを始末する。」
すると、デイビッドは暫く考えたのち、懐から銃を取り出した。
「ほら。しっかりやれよ。」
「ああ、ありがとう。」
銃はリボルバー。
弾は入っている。
ハンマーを起こし、引き金に指を入れる。
そのまま銃口をデイビッドに向ける。
「……。やっぱりか。」
「そりゃあそうだろ。じゃあな。」
引き金を引く。
銃声が鳴り響くが、デイビッドは倒れなかった。
弾が外れたのかと思ったが、どうにも違うらしい。
しっかりと頭を狙っていたし避けた様子もない。
「空砲だよ。」
やられた。
まぁ、この状況で自分を信用するはずも無いか。
「残念だよ。本当に。」
デイビッドが銃口をこちらに向ける。
避けることは不可能だろう。
「こっちだ!」
声のする方を見ると、横にはトマスが銃をデイビッドの方へ向け、構えていた。
デイビッドが、突然の事に驚き視線を逸らす。
その途端に後ろから扉を開く音が聞こえた。
「させるかっ!」
シャルの声が聞こえたかと思うと、首根っこを掴まれ、後ろに倒される。
「ちっ!」
デイビッドが引き金を引く。
銃口は頭を狙っていたが、トマスに驚き、狙いがズレたのと自分の姿勢が変わったお陰で頭では無く、先程とは反対側の肩に命中する。
「ぐっ!」
すかさず、トマスが銃を数発撃つが、デイビッドも不利を悟りすぐに後退した。
自分はシャルに引きずられて家の中へと連れ込まれた。
「ロイ!大丈夫!?」
今更気が付いたが肩からは血が溢れ出てきている。
「……シャル。ごめんな。」
家の中にはまともな治療設備は無い。
このままでは失血死か。
「ふざけないで!絶対に死なせないから!」
シャルが包帯を自分の肩へと巻いていく。
「せっかく生きてたってのに……。こんなの……。絶対に、絶対に死なせない!」
「シャル……。」
もしシャルに会えたら色々と話したい事があったが、何でか出てこない。
シャルに会えた喜びで全て吹き飛んでしまったのだろうか。
両親も慌ただしく、奥から出て来て自分の肩を押さえている。
「どうしたら良いの!?血が止まらない!」
「……シャル。そういえば、どうして俺の家に?」
話したい事が思い浮かばなかったので先程から思っていた疑問を投げかけてみる。
実はずっと気になっていた。
「……あんたのせいよ!あんたが居ない間、本当に大変だったんだから!」
シャルが自分が居ない間の事を話している。
先程までの楽しくないと思っていた気持ちが、今はない。
自分は懐かしいシャルの声に耳を傾けた。
それまでに親に無事である事を知らせるために顔を見せに故郷へと帰ってきた。
そして、両親はデイビッド達の反乱軍の保護を受け、この内乱を無事に過ごしてもらうつもりだ。
今はデイビッドと二人だけで故郷であるジントー村に訪れている。
「へぇ、ここがあんたの故郷か。」
「ああ。良いところだろ。」
こっちに加担すると決めてから心が曇ったままだ。
正直に言うと全く楽しくない。
シャル達と活動を共にしていた時はとても楽しかった記憶がある。
「ここがあんたの家か?」
「ん?あぁ。」
考え事をしながら歩いていたらいつの間にか到着していた。
この家を見るのも久々だな。
クレアさんと別れた時以来か。
思えば、自分はあの時生まれ変わったような気がする。
クレアさんがいなければ自分はここにずっと居ただろう。
……もしかしたら自分はあのままここにいたほうが良かったのでは無いだろうか。
ずっとここにいればこんな気持ちにはならなかっただろう。
デイビッドがノックをする。
まぁ、そのまま入っても良かったのだがちょっとしたサプライズだ。
「はーい。……どちら様?」
「あぁ、俺じゃなくて。」
デイビッドが避ける。
そして、母と目が合う。
「……ロイ?ロイなの……?」
「え?あ、うん。ただいま。」
すると、いきなり母に抱きつかれた。
「良かった!生きてたのね!」
どうやら泣いているようだ。
少し予想外の反応だが、自分が死んだと思い込んでいたいたような反応だ。
一体誰が母に伝えたのだろうか。
「か、母さん。落ち着いて。取り敢えず話を聞かせてくれ。」
「あ、そうよね。ごめんなさい。実はね……。」
すると、母の後ろに人がいることに気が付いた。
「……ロイ?」
「シャル!?」
そう、家の中にいたのはシャルだったのだ。
あれから無事だったのか心配していたので無事が確認出来たのは嬉しいが、何故こんな所に……。
いや、今はそんな事よりデイビッドだ。
彼女が元々自分の仲間だという事は知っている筈だ。
ならば、無傷で見逃す筈はない。
振り向き、デイビッドの方を見る。
すると、懐から拳銃を取り出し、シャルの方へ向けていた。
「っ!シャル!」
母をどかし、射線に割って入る。
「……え?」
そして、銃声が鳴り響いた。
目の前のシャルに弾は当たっていないようだ。
怪我をしていない。
しかし、その代わりに右肩に強い衝撃と共に激痛が走る。
「ぐっ!」
「ちっ!邪魔しやがって!」
デイビッドが小さくつぶやく。
自分に聞こえないように言ったつもりだろうが聞こえている。
つまりこいつに取っては自分はそこまで重要な人物ではないということか。
なら、味方している必要も無いだろう。
「早く中に入れ!」
母を家の中に押し込み、扉を閉める。
「おい。これはどういうことだ?」
「どういう事も何も、君のかつての仲間であるシャルはもう敵だ。消しても構わんだろ?」
もう既にこいつらに協力する気は失せた。
なら、今の自分の立場を利用しよう。
「……そうだな。悪かった。つい……な。」
「……まぁ、仕方が無いだろ。肩、大丈夫か?」
デイビッドは近付き、肩の様子を見てくる。
「弾が抜けてないな……。」
「止血だけしてくれれば良いさ。あと、銃をくれないか。」
すると、デイビッドは手を止め、こちらを疑いの目で見てくる。
「……何故?」
「……ケジメをつけたい。シャルを始末する。」
すると、デイビッドは暫く考えたのち、懐から銃を取り出した。
「ほら。しっかりやれよ。」
「ああ、ありがとう。」
銃はリボルバー。
弾は入っている。
ハンマーを起こし、引き金に指を入れる。
そのまま銃口をデイビッドに向ける。
「……。やっぱりか。」
「そりゃあそうだろ。じゃあな。」
引き金を引く。
銃声が鳴り響くが、デイビッドは倒れなかった。
弾が外れたのかと思ったが、どうにも違うらしい。
しっかりと頭を狙っていたし避けた様子もない。
「空砲だよ。」
やられた。
まぁ、この状況で自分を信用するはずも無いか。
「残念だよ。本当に。」
デイビッドが銃口をこちらに向ける。
避けることは不可能だろう。
「こっちだ!」
声のする方を見ると、横にはトマスが銃をデイビッドの方へ向け、構えていた。
デイビッドが、突然の事に驚き視線を逸らす。
その途端に後ろから扉を開く音が聞こえた。
「させるかっ!」
シャルの声が聞こえたかと思うと、首根っこを掴まれ、後ろに倒される。
「ちっ!」
デイビッドが引き金を引く。
銃口は頭を狙っていたが、トマスに驚き、狙いがズレたのと自分の姿勢が変わったお陰で頭では無く、先程とは反対側の肩に命中する。
「ぐっ!」
すかさず、トマスが銃を数発撃つが、デイビッドも不利を悟りすぐに後退した。
自分はシャルに引きずられて家の中へと連れ込まれた。
「ロイ!大丈夫!?」
今更気が付いたが肩からは血が溢れ出てきている。
「……シャル。ごめんな。」
家の中にはまともな治療設備は無い。
このままでは失血死か。
「ふざけないで!絶対に死なせないから!」
シャルが包帯を自分の肩へと巻いていく。
「せっかく生きてたってのに……。こんなの……。絶対に、絶対に死なせない!」
「シャル……。」
もしシャルに会えたら色々と話したい事があったが、何でか出てこない。
シャルに会えた喜びで全て吹き飛んでしまったのだろうか。
両親も慌ただしく、奥から出て来て自分の肩を押さえている。
「どうしたら良いの!?血が止まらない!」
「……シャル。そういえば、どうして俺の家に?」
話したい事が思い浮かばなかったので先程から思っていた疑問を投げかけてみる。
実はずっと気になっていた。
「……あんたのせいよ!あんたが居ない間、本当に大変だったんだから!」
シャルが自分が居ない間の事を話している。
先程までの楽しくないと思っていた気持ちが、今はない。
自分は懐かしいシャルの声に耳を傾けた。
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