出張!異世界研究所!〜異世界犯罪解決します〜
違和感の正体 3
その後はシャルと町を見て回り、ある程度の町の構造を把握した。
と言っても地図で確認はしていたし、碁盤の目のように町が構成されていたので分かりやすかった。
碁盤の目というのは異世界の日本という国に存在するものらしい。
本を持参してきていなければ分からなかった事だ。
町の人から碁盤の目という言葉だけ聞き、意味を訪ねても知る人はいなかった。
恐らく町を作った人が異世界人でその人物が言葉だけ残したのだろう。
そして、気が付けば約束していた時間になった。
少し早めに開拓記念公園についた。
町の中心部からは少しはなれた場所にあり、周囲に民家は無い。
騷ぎがあったとしても特に問題は無いだろう。
まだ誰も来ていないが早めについたのには理由がある。
「じゃ、シャル頼んだぞ。」
「うん、任せて。」
シャルはそのまま夜闇に消えていった。
周囲は木に囲まれており、この暗闇で隠れられればそう簡単には気付けないだろう。
先程確認した限りでは敵の伏兵は居ないようだ。
ならば、後はサーシェルを待つだけだ。
しばらく待つと1台の車が訪れた。
軍用車では無く、普通の車だ。
車が止まると中からサーシェルが降りて来た。
「お待たせしました。来てくれてありがとうございます。」
「いえ、では早速お話をお聞きしたいのですが?」
今の所、特に問題は無さそうだ。
不審な所もない。
「では、銃についてですが、ソレをどこでも知ったのか教えていただけますか?そして何故軍に?」
「分かりました。」
自分はクレアさんが自分を庇って死んだこと、その際に銃を知ったことを伝えた。
「成る程、クレアさんが……。」
「そういえばサーシェルさんはクレアさんと面識が?」
すると、サーシェルは説明を始めた。
「若い頃、自分は警察にいたのですが、その際にクレアさんと共に働いた事があるんです。まぁ、その事件のせいで上司に嫌われて軍に飛ばされたんですがね。」
詳しく聞くと、昔首都で警察として働いていた折、異世界関連の話が出てきたので、上司の反対を押し切って無理矢理研究所の協力を取り付け、事件を解決したらしい。
まぁ、その後は無理矢理軍に飛ばされ今に至るらしい。
……ということはクレアさんは一体何歳なのだろうか。
サーシェルは若くは見えない。
「話を戻しますと、銃というものが存在する以上それらを利用するのは軍だろうと思い、一か八かで聞いてみたんです。」
「そうでしたか。銃というのはかなりの昔に異世界人によりもたらされた物です。軍で知っている者は上層部の人間で、しかもごく限られた人しか知りません。……実は軍のごく一部では銃が使われています。ただ、コレは極秘です。銃という物がある以上、戦闘が起これば多数の死者が発生する。技術の発達は戦争を更に悲惨な物にすると判断した当時の国王が銃火器を封印したのです。ただ、爆弾なんかは鉱山等で使われるので封印はされませんでしたがね。」
確かにその理由ならば納得だ。
そして、そのごく一部というのも国王直属の軍なのだろう。
もし、多国が攻めてきたり、反乱が起きたとしても銃が有れば即座に鎮圧出来る。
よく考えられているな。
「では、この鉄球はやはり銃の弾だということですね?」
「ええ、認めます。それはかなり古いものですね。今の弾丸はもう少し細長く、先が細い物になっていますので。しかし、よく分かりましたね。」
「まぁ、これは勘です。」
あの時銃が使われたのを見て、何かを爆風で飛ばすのだろうと気付き、この鉄球を見たときに真っ先に銃を思い付いたのだ。
「さすがはクレアさんの弟子ですね。」
「はは、ほんの数日しか一緒に居なかったのですがね。」
すると、いきなりシャルがサーシェルの後ろから飛び出し、サーシェルを取り押さえた。
「なっ!?」
「ロイ!やっぱり来たよ!」
「っ!やはりか!」
実は念の為にシャルには周囲を見張らせていた。
ここまで通ずる道はかなり限られている。
エンジン音が響き渡り、かなりの数が来たのだと分かる。
「こ、これはどういう事ですか!?」
「あなたの事は信用したかったのですが、残念です。」
この場所と時間を指定してきたのは向こうだ。
信用は元々してはいない。
警戒はされて当然だろう。
「こいつどうするの?」
正直、どうしても良いのだが。
まだ情報は聞き出せそうだ。
「ま、まさか奴等が!?」
「奴等?」
少し、様子がおかしい。
「やはりつけられてたか……。離してください!私の手勢を近くに待機させています!信号弾を撃てばすぐにここまで来ます!」
「……どうする?敵じゃ無さそうだけど、嘘をついてるかも。」
シャルに組み伏せられながらもサーシェルは真っ直ぐこちらを見てくる。
信用して見るとしよう。
こいつが敵だったならば人質にしてこの場を脱出するつもりだった。
「分かりました。シャル、解放してくれ。」
シャルは言われた通りにサーシェルを開放した。
「ありがとうございます。恐らく今来ている奴等は政府に反感を抱いている軍部の者でしょう。この町の不穏分子まで混ざっているとも言われています。」
「あなたは何故そこまで知っているのですか?」
そこが少し気になっていたのだ。
銃を知っているのも限られた者だけだというのになぜ知っていたのか。
「私は国王直属の隠密部隊、陽炎部隊の第一中隊隊長のサーシェル・ウェイン少佐です。大尉の階級と現在の広報官の立場も全て仮の物。ここの駐屯地に不穏な動きありとの報告を受け、対応に来たのです。」
……これは、大物を引き当てたようだ。
と言っても地図で確認はしていたし、碁盤の目のように町が構成されていたので分かりやすかった。
碁盤の目というのは異世界の日本という国に存在するものらしい。
本を持参してきていなければ分からなかった事だ。
町の人から碁盤の目という言葉だけ聞き、意味を訪ねても知る人はいなかった。
恐らく町を作った人が異世界人でその人物が言葉だけ残したのだろう。
そして、気が付けば約束していた時間になった。
少し早めに開拓記念公園についた。
町の中心部からは少しはなれた場所にあり、周囲に民家は無い。
騷ぎがあったとしても特に問題は無いだろう。
まだ誰も来ていないが早めについたのには理由がある。
「じゃ、シャル頼んだぞ。」
「うん、任せて。」
シャルはそのまま夜闇に消えていった。
周囲は木に囲まれており、この暗闇で隠れられればそう簡単には気付けないだろう。
先程確認した限りでは敵の伏兵は居ないようだ。
ならば、後はサーシェルを待つだけだ。
しばらく待つと1台の車が訪れた。
軍用車では無く、普通の車だ。
車が止まると中からサーシェルが降りて来た。
「お待たせしました。来てくれてありがとうございます。」
「いえ、では早速お話をお聞きしたいのですが?」
今の所、特に問題は無さそうだ。
不審な所もない。
「では、銃についてですが、ソレをどこでも知ったのか教えていただけますか?そして何故軍に?」
「分かりました。」
自分はクレアさんが自分を庇って死んだこと、その際に銃を知ったことを伝えた。
「成る程、クレアさんが……。」
「そういえばサーシェルさんはクレアさんと面識が?」
すると、サーシェルは説明を始めた。
「若い頃、自分は警察にいたのですが、その際にクレアさんと共に働いた事があるんです。まぁ、その事件のせいで上司に嫌われて軍に飛ばされたんですがね。」
詳しく聞くと、昔首都で警察として働いていた折、異世界関連の話が出てきたので、上司の反対を押し切って無理矢理研究所の協力を取り付け、事件を解決したらしい。
まぁ、その後は無理矢理軍に飛ばされ今に至るらしい。
……ということはクレアさんは一体何歳なのだろうか。
サーシェルは若くは見えない。
「話を戻しますと、銃というものが存在する以上それらを利用するのは軍だろうと思い、一か八かで聞いてみたんです。」
「そうでしたか。銃というのはかなりの昔に異世界人によりもたらされた物です。軍で知っている者は上層部の人間で、しかもごく限られた人しか知りません。……実は軍のごく一部では銃が使われています。ただ、コレは極秘です。銃という物がある以上、戦闘が起これば多数の死者が発生する。技術の発達は戦争を更に悲惨な物にすると判断した当時の国王が銃火器を封印したのです。ただ、爆弾なんかは鉱山等で使われるので封印はされませんでしたがね。」
確かにその理由ならば納得だ。
そして、そのごく一部というのも国王直属の軍なのだろう。
もし、多国が攻めてきたり、反乱が起きたとしても銃が有れば即座に鎮圧出来る。
よく考えられているな。
「では、この鉄球はやはり銃の弾だということですね?」
「ええ、認めます。それはかなり古いものですね。今の弾丸はもう少し細長く、先が細い物になっていますので。しかし、よく分かりましたね。」
「まぁ、これは勘です。」
あの時銃が使われたのを見て、何かを爆風で飛ばすのだろうと気付き、この鉄球を見たときに真っ先に銃を思い付いたのだ。
「さすがはクレアさんの弟子ですね。」
「はは、ほんの数日しか一緒に居なかったのですがね。」
すると、いきなりシャルがサーシェルの後ろから飛び出し、サーシェルを取り押さえた。
「なっ!?」
「ロイ!やっぱり来たよ!」
「っ!やはりか!」
実は念の為にシャルには周囲を見張らせていた。
ここまで通ずる道はかなり限られている。
エンジン音が響き渡り、かなりの数が来たのだと分かる。
「こ、これはどういう事ですか!?」
「あなたの事は信用したかったのですが、残念です。」
この場所と時間を指定してきたのは向こうだ。
信用は元々してはいない。
警戒はされて当然だろう。
「こいつどうするの?」
正直、どうしても良いのだが。
まだ情報は聞き出せそうだ。
「ま、まさか奴等が!?」
「奴等?」
少し、様子がおかしい。
「やはりつけられてたか……。離してください!私の手勢を近くに待機させています!信号弾を撃てばすぐにここまで来ます!」
「……どうする?敵じゃ無さそうだけど、嘘をついてるかも。」
シャルに組み伏せられながらもサーシェルは真っ直ぐこちらを見てくる。
信用して見るとしよう。
こいつが敵だったならば人質にしてこの場を脱出するつもりだった。
「分かりました。シャル、解放してくれ。」
シャルは言われた通りにサーシェルを開放した。
「ありがとうございます。恐らく今来ている奴等は政府に反感を抱いている軍部の者でしょう。この町の不穏分子まで混ざっているとも言われています。」
「あなたは何故そこまで知っているのですか?」
そこが少し気になっていたのだ。
銃を知っているのも限られた者だけだというのになぜ知っていたのか。
「私は国王直属の隠密部隊、陽炎部隊の第一中隊隊長のサーシェル・ウェイン少佐です。大尉の階級と現在の広報官の立場も全て仮の物。ここの駐屯地に不穏な動きありとの報告を受け、対応に来たのです。」
……これは、大物を引き当てたようだ。
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