出張!異世界研究所!〜異世界犯罪解決します〜
初めての仲間 1
「はぁ、マジで最悪……。」
「……普通眼の前で言うか?」
今は一度研究所の方へと戻っていた。
シャルと今回の依頼について話し合い、情報をまとめようと思っていたのだが……。
「……ちっ!」
前途多難である。
「眼の前で舌打ちするなよ……。」
これでは連携どころではない。
「……私は私で動くから。関わらないでね。」
するとシャルは席を立ち、そのまま研究所を出て行ってしまった。
自分は何か気に触る事をしてしまったのだろうか。
だがまぁやることは変わらない。
自分は一人でも依頼は終わらせる。
さて、今日はもう夜も遅い。
本を読んでから寝るつもりだったが夜遅くにシャルが一人では少々不安だ。
後で余計なお世話だとキレられるかもしれないが後を追ってみよう。
研究所を出てみると遠くにシャルが歩いているのが見えた。
こちらには気付いていないようだが、あの方向は旧市街ではない。
この時間から調査を始めるのだろうか。
こんな時間なので帰るのかと思っていたが、丁度いい。
どんな調査をするのか見させてもらおう。
「……。」
シャルが真っ先に向かった先は食堂だった。
確かに夜ご飯はまだだったし納得は出来る。
が……。
「すいません!おかわり下さい!」
シャルに勘付かれないように少し時間を置いてから入店したのだが、考えられない程の空の皿が山積みになっていた。
因みにフードを被り、顔が見えないようにしている。
そして、入店してからそれなりに時間が経ったが更におかわりを注文している。
店員も困った顔をしている。
「す、すいません。もう……。」
「え!?無いんですか!?」
とても残念そうな顔をしている。
いや、まだ食い足りないのか。
「まぁ、仕方ないですよね。ご馳走さまでした。はいこれ。」
そう言うと懐から金を取り出しテーブルに置いた。
食堂であれだけの金を出すなんて見たことが無い。
そして、一つ気がついた事がある。
飯を食べながら周囲をよく見ていた。
一見分からないが、様々な行動の合間に周囲を見ていた。
これも調査だったのだろうか。
シャルは席を立ち、店を出ていった。
自分も後を追う。
すぐに後を追ってしまえば気付かれるかもしれないが、ここは首都だ。
見失ってしまっては元も子もない。
支払いをして、すぐに店を出る。
「で、何してんの?」
扉を開けるとシャルが待ち構えていた。
「……どうも。」
こういうのは逃げるが勝ちだ。
顔を隠しながらその場を去ろうとする。
「ってバレてるから!」
「ぐぇっ!」
首根っこを掴まれる。
とても苦しい。
「……はぁ。私の後をつけてきてどういうつもり?」
「バレてたか……。」
すると胸倉を掴まれ、壁に押し付けられる。
「で?答えろ。どうしてつけてきた。」
まさしくブチギレである。
「いや、夜道を年頃の娘が一人ってのは危険かなーって思いまして……。」
情けない。
恐らく年下であろう娘に気圧されるとは。
「はぁ……。」
すると、シャルは離してくれた。
「弱く見られてるのは腹が立つけどそういうことなら許してあげる。でも気を付けなさいよ。一歩間違えば只のストーカーだから。」
「……はい。」
そしてどうしても聞きたいことがあった。
「……キャラ違いすぎない?」
「……私はお父さんの手伝いで色んなところに潜入することがあるの。スパイとしてね。因みにあんたの手助けもしてあげたこともあるんだけど?」
手助けというと1つ心当たりがあった。
「あ、あの時の!」
何者かが両親の入った檻をこちらに押してくれた事があった。
あれがそうだったのか。
「そう。だから仕事柄色んなキャラ付けが必要なの。あれもその一環だったわけ。」
なるほど。
そういうことなら納得だ。
しかし、最初にあった時の様子に何も違和感は無かった。
すごい演技だ。
「ということは……。」
「そう。私もあの現場にいたの。クレアさんが死んだあの現場にね。」
「そうか……。」
すると、シャルは憎しみの満ちた目でこちらを睨んでくる。
「あんたがいなければクレアさんも死なずに済んだのに……。」
「……。」
これについては何も言えない。
クレアさんが死んだのは自分に要因がある。
「どうとでも言ってくれ。何も言い訳はしない。」
「……本当、気に入らない。」
だが、二度と誰も死なせないように強くなると決めたのだ。
シャルに気圧されるようではまだまだだ。
これからも更に頑張ろう。
「……普通眼の前で言うか?」
今は一度研究所の方へと戻っていた。
シャルと今回の依頼について話し合い、情報をまとめようと思っていたのだが……。
「……ちっ!」
前途多難である。
「眼の前で舌打ちするなよ……。」
これでは連携どころではない。
「……私は私で動くから。関わらないでね。」
するとシャルは席を立ち、そのまま研究所を出て行ってしまった。
自分は何か気に触る事をしてしまったのだろうか。
だがまぁやることは変わらない。
自分は一人でも依頼は終わらせる。
さて、今日はもう夜も遅い。
本を読んでから寝るつもりだったが夜遅くにシャルが一人では少々不安だ。
後で余計なお世話だとキレられるかもしれないが後を追ってみよう。
研究所を出てみると遠くにシャルが歩いているのが見えた。
こちらには気付いていないようだが、あの方向は旧市街ではない。
この時間から調査を始めるのだろうか。
こんな時間なので帰るのかと思っていたが、丁度いい。
どんな調査をするのか見させてもらおう。
「……。」
シャルが真っ先に向かった先は食堂だった。
確かに夜ご飯はまだだったし納得は出来る。
が……。
「すいません!おかわり下さい!」
シャルに勘付かれないように少し時間を置いてから入店したのだが、考えられない程の空の皿が山積みになっていた。
因みにフードを被り、顔が見えないようにしている。
そして、入店してからそれなりに時間が経ったが更におかわりを注文している。
店員も困った顔をしている。
「す、すいません。もう……。」
「え!?無いんですか!?」
とても残念そうな顔をしている。
いや、まだ食い足りないのか。
「まぁ、仕方ないですよね。ご馳走さまでした。はいこれ。」
そう言うと懐から金を取り出しテーブルに置いた。
食堂であれだけの金を出すなんて見たことが無い。
そして、一つ気がついた事がある。
飯を食べながら周囲をよく見ていた。
一見分からないが、様々な行動の合間に周囲を見ていた。
これも調査だったのだろうか。
シャルは席を立ち、店を出ていった。
自分も後を追う。
すぐに後を追ってしまえば気付かれるかもしれないが、ここは首都だ。
見失ってしまっては元も子もない。
支払いをして、すぐに店を出る。
「で、何してんの?」
扉を開けるとシャルが待ち構えていた。
「……どうも。」
こういうのは逃げるが勝ちだ。
顔を隠しながらその場を去ろうとする。
「ってバレてるから!」
「ぐぇっ!」
首根っこを掴まれる。
とても苦しい。
「……はぁ。私の後をつけてきてどういうつもり?」
「バレてたか……。」
すると胸倉を掴まれ、壁に押し付けられる。
「で?答えろ。どうしてつけてきた。」
まさしくブチギレである。
「いや、夜道を年頃の娘が一人ってのは危険かなーって思いまして……。」
情けない。
恐らく年下であろう娘に気圧されるとは。
「はぁ……。」
すると、シャルは離してくれた。
「弱く見られてるのは腹が立つけどそういうことなら許してあげる。でも気を付けなさいよ。一歩間違えば只のストーカーだから。」
「……はい。」
そしてどうしても聞きたいことがあった。
「……キャラ違いすぎない?」
「……私はお父さんの手伝いで色んなところに潜入することがあるの。スパイとしてね。因みにあんたの手助けもしてあげたこともあるんだけど?」
手助けというと1つ心当たりがあった。
「あ、あの時の!」
何者かが両親の入った檻をこちらに押してくれた事があった。
あれがそうだったのか。
「そう。だから仕事柄色んなキャラ付けが必要なの。あれもその一環だったわけ。」
なるほど。
そういうことなら納得だ。
しかし、最初にあった時の様子に何も違和感は無かった。
すごい演技だ。
「ということは……。」
「そう。私もあの現場にいたの。クレアさんが死んだあの現場にね。」
「そうか……。」
すると、シャルは憎しみの満ちた目でこちらを睨んでくる。
「あんたがいなければクレアさんも死なずに済んだのに……。」
「……。」
これについては何も言えない。
クレアさんが死んだのは自分に要因がある。
「どうとでも言ってくれ。何も言い訳はしない。」
「……本当、気に入らない。」
だが、二度と誰も死なせないように強くなると決めたのだ。
シャルに気圧されるようではまだまだだ。
これからも更に頑張ろう。
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