王国再興物語〜無理ゲーオタクの異世界太平記〜
アイフィス決戦 決着 その1
「くそっ!夜が明けても攻撃の手が休まらない!」
「このままではエルドニア軍が全滅しますな。」
夜が明けても敵の襲撃は続いていた。
正直、こちらの被害は軽微である。
この軍の状況としてはさほど苦しい状況ではない。
だが、夜が明け敵がエルドニア軍へとほぼ全軍で攻撃を開始しているのが確認出来た。
ヤンはそれを理解した上で言っているのだ。
つまり、我々が取ることが出来る最善策は……。
「全軍!駆けよ!」
馬へと乗り、指示を出す。
ヤンがこの指示を出すと予測してか既に馬を用意してくれていた。
「我々がこの決戦の要である!今、エルドニア軍を救えるのは我等のみである!エルドニア軍が壊滅すれば帝国軍は帝都へと行き、帝都守備隊と合流。戦力的には五分となるが、城に籠られればまず勝てない!」
皆がこちらを見ている。
現在は敵も一度後退しているが、すぐに攻めて来れる場所にいる。
「この大戦で負ければこの大陸は帝国のものとなり、諸君らの家族が永遠にも等しい苦しみを味わうことになる!」
帝国の治世は酷いというので有名である。
税の取り立ては厳しく、少しでも国に逆らうようなことを言えばすぐに死罪である。
「諸君らの愛する家族を救えるのは他でもない!諸君らしかいないのだ!総員奮起せよ!これより我が軍は敵を突破し、敵軍主力の後背を突く!」
雄叫びが轟く。
敵軍にも聞こえていたようで、あまりの気迫に敵は撤退し始めた。
今がチャンスである。
「全軍!突撃!」
剣を前へと向ける。
そして、馬を走らせる。
近くにはヤンがついてきているが、続々とイリスやローゼン、ジゼルまでもが集まって来た。
「流石は東の国の大将。アナテル陸軍大将の名を返上したくなりましたよ。」
「いや、素晴らしい!これで、皆の士気も上がったでしょうな!盗賊ギルドにいたのでこういうのは苦手でしてな!」
「本当に立派に成長されてますね。私が教えれる事は何もなくなってしまったかもしれません。」
イリス殿には今回の戦の道中に様々な事を教えてもらっていた。
軍略や内政に関することなど、たりないところを徹底的に教えてもらっていたので成長を感じられて嬉しいのだろう。
まぁ、とにかく今は敵を倒すことに集中するとしよう。
「あら、向こうは動き出したみたいだけど、あなたは行かないの?」
セラはオルフェンに槍を向けたまま問う。
「はい。この戦の勝敗なんてどうでもいい。俺はあなたを無事にこの手に出来ればそれだけで良いのです。」
神聖帝国軍は壊滅状態に近かった。
かろうじてフレクが生きていたので維持はできているが、夜の間から続く戦闘で兵は限界だったのだ。
しかし、敵もそろそろ限界が近いのか、指揮を取っているオルフェンを仕留めれば恐らく敵は撤退するだろう。
「はあっ!」
槍を繰り出すが、難なくそらされてしまう。
やはり、昔から手合わせしてきたからか、こちらの手の内が読まれている。
「セラ。」
「お下がり下さいフレク様。ここは私が。」
するとフレクが後ろから声を掛けてきた。
「いや、ここは私に任せてくれ。君が決着をつけるべきなのは分かるが、今は向こうに合流してくれ。それが最も勝利に近づいだろう。」
確かにその通りかもしれない。
だが、ここで決着をつけたいのも事実だ。
「ですが……。」
「セラ。分かってくれ。」
ここで我が儘を言って負けてしまってはアルフレッド様に顔向け出来ない。
「分かりました。」
側に控えていた竜に乗る。
「ありがとう。この場は任せてくれ。」
「逃がしはしない!」
オルフェンが攻撃してくるが、それを難なくフレク様がいなす。
「お前の相手はこの竜騎兵団団長、フレク・シャムスが相手をしてやろう。」
「くそっ!」
そのまま神聖帝国軍の陣を後にする。
上空から戦場の様子がよく見える。
ジゲン達は夜襲を仕掛けてきた敵を上手く突破し、これから敵主力と接敵する頃だ。
エルドニア軍は既に戦闘が始まっており、予め陣形を組んで備えていた事が幸いしたのか、まだ戦うことは出来ている。
だが、遠目からでも苦戦しているのはよく分かり、時間があまり無い事はよく分かる。
「っ!急がなければ!」
竜を最速で飛ばす。
自分一人で戦局が大きく変わるとは思っていないが、出来る限りのことをしよう。
「このままではエルドニア軍が全滅しますな。」
夜が明けても敵の襲撃は続いていた。
正直、こちらの被害は軽微である。
この軍の状況としてはさほど苦しい状況ではない。
だが、夜が明け敵がエルドニア軍へとほぼ全軍で攻撃を開始しているのが確認出来た。
ヤンはそれを理解した上で言っているのだ。
つまり、我々が取ることが出来る最善策は……。
「全軍!駆けよ!」
馬へと乗り、指示を出す。
ヤンがこの指示を出すと予測してか既に馬を用意してくれていた。
「我々がこの決戦の要である!今、エルドニア軍を救えるのは我等のみである!エルドニア軍が壊滅すれば帝国軍は帝都へと行き、帝都守備隊と合流。戦力的には五分となるが、城に籠られればまず勝てない!」
皆がこちらを見ている。
現在は敵も一度後退しているが、すぐに攻めて来れる場所にいる。
「この大戦で負ければこの大陸は帝国のものとなり、諸君らの家族が永遠にも等しい苦しみを味わうことになる!」
帝国の治世は酷いというので有名である。
税の取り立ては厳しく、少しでも国に逆らうようなことを言えばすぐに死罪である。
「諸君らの愛する家族を救えるのは他でもない!諸君らしかいないのだ!総員奮起せよ!これより我が軍は敵を突破し、敵軍主力の後背を突く!」
雄叫びが轟く。
敵軍にも聞こえていたようで、あまりの気迫に敵は撤退し始めた。
今がチャンスである。
「全軍!突撃!」
剣を前へと向ける。
そして、馬を走らせる。
近くにはヤンがついてきているが、続々とイリスやローゼン、ジゼルまでもが集まって来た。
「流石は東の国の大将。アナテル陸軍大将の名を返上したくなりましたよ。」
「いや、素晴らしい!これで、皆の士気も上がったでしょうな!盗賊ギルドにいたのでこういうのは苦手でしてな!」
「本当に立派に成長されてますね。私が教えれる事は何もなくなってしまったかもしれません。」
イリス殿には今回の戦の道中に様々な事を教えてもらっていた。
軍略や内政に関することなど、たりないところを徹底的に教えてもらっていたので成長を感じられて嬉しいのだろう。
まぁ、とにかく今は敵を倒すことに集中するとしよう。
「あら、向こうは動き出したみたいだけど、あなたは行かないの?」
セラはオルフェンに槍を向けたまま問う。
「はい。この戦の勝敗なんてどうでもいい。俺はあなたを無事にこの手に出来ればそれだけで良いのです。」
神聖帝国軍は壊滅状態に近かった。
かろうじてフレクが生きていたので維持はできているが、夜の間から続く戦闘で兵は限界だったのだ。
しかし、敵もそろそろ限界が近いのか、指揮を取っているオルフェンを仕留めれば恐らく敵は撤退するだろう。
「はあっ!」
槍を繰り出すが、難なくそらされてしまう。
やはり、昔から手合わせしてきたからか、こちらの手の内が読まれている。
「セラ。」
「お下がり下さいフレク様。ここは私が。」
するとフレクが後ろから声を掛けてきた。
「いや、ここは私に任せてくれ。君が決着をつけるべきなのは分かるが、今は向こうに合流してくれ。それが最も勝利に近づいだろう。」
確かにその通りかもしれない。
だが、ここで決着をつけたいのも事実だ。
「ですが……。」
「セラ。分かってくれ。」
ここで我が儘を言って負けてしまってはアルフレッド様に顔向け出来ない。
「分かりました。」
側に控えていた竜に乗る。
「ありがとう。この場は任せてくれ。」
「逃がしはしない!」
オルフェンが攻撃してくるが、それを難なくフレク様がいなす。
「お前の相手はこの竜騎兵団団長、フレク・シャムスが相手をしてやろう。」
「くそっ!」
そのまま神聖帝国軍の陣を後にする。
上空から戦場の様子がよく見える。
ジゲン達は夜襲を仕掛けてきた敵を上手く突破し、これから敵主力と接敵する頃だ。
エルドニア軍は既に戦闘が始まっており、予め陣形を組んで備えていた事が幸いしたのか、まだ戦うことは出来ている。
だが、遠目からでも苦戦しているのはよく分かり、時間があまり無い事はよく分かる。
「っ!急がなければ!」
竜を最速で飛ばす。
自分一人で戦局が大きく変わるとは思っていないが、出来る限りのことをしよう。
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